【現役塾講師が回答】「良い授業」とは? 優れた講師の授業はここが違う
中学受験に挑む子の多くは、塾や家庭教師の指導を受けます。受けるからには、なるべく良い授業をしてくれる先生に出会いたいですよね。では、そもそも「良い授業」とはどのような授業を指すのでしょうか? 自身も現役の塾講師として活動し、さらには多くの塾講師や家庭教師を見てきた私の視点から、優れた指導を受けるために知っておきたい「良い授業の条件」を4つお伝えします。
良い授業の条件
[1]説明がわかりやすい
[2]生徒の興味をかき立てている
[3]生徒に頭を使わせている
[4]入試傾向をふまえている
Contents
良い授業[1]説明がわかりやすい
良い授業の特徴、ひとつめは「説明がわかりやすい」ことです。新しいことを習う場合でも、難しい問題の解説を受ける場合でも、説明がわかりやすいと頭に入ってきますよね。
そして、わかりやすい授業を展開する講師には次の特徴があります。
【説明がわかりやすい講師の特徴】
- 難しいことを簡単に伝えている
- 伝わりやすい話し方をしている
難しいことを簡単に伝えている
難しいことを簡単に伝えるため、優秀な講師は生徒に合わせていくつかの工夫をしています。
- 板書やプリントを工夫
- “たとえ”を盛り込む
- 生徒が知っていることと結びつける
板書やプリントを工夫
言葉での説明だけでは、どうしても伝わりにくいこともあります。そこで優れた講師は、子供がイメージしやすいように板書やプリントを工夫しています。たとえば国語の授業では物語文の情景をイラストにしたり、社会の授業で歴史上の人物の写真を用いたりするなど。こうした工夫があると、授業が一層理解できるようになりますよね。
“たとえ”を盛り込む
中学受験に向けた授業ですから、高度な用語や複雑な法則も多く登場します。たとえば理科の授業では「電流」や「密度」などを学びますが、これらは目には見えにくい科学原理。理解が進まない子も少なくありません。その点、優れた講師は子供が想像できる“たとえ”を使い、一見すると難解に思える事柄でもわかりやすく伝えています。
“たとえ”としては、次のような例が考えられます。
電圧・電流・抵抗(電熱線の断面積と長さ)の関係
→「マヨネーズ」をイメージ
●電圧:容器を押す力
●電流:出てくるマヨネーズの量
●抵抗:絞り口の広さと長さによるマヨネーズの出にくさ
上記のように説明することで、電圧と電流は正比例、電流と抵抗は反比例であることをつかみやすくする
密度・重さ・体積の関係
→「お弁当箱」をイメージ
●体積:箱の大きさ
●重さ:中身の量
●密度:箱の詰まりぐあい
上記のように説明することで、重さと密度は正比例、密度と体積は反比例であることをつかみやすくする
生徒が知っていることと結びつける
授業で新しい単元に入るとき、優れた講師は「まったく新しいこと」から教えようとはしません。生徒がスムーズに理解できるように、すでに知っていることから出発します。たとえば算数では、「出会い算」「追いこし算」「流水算」などさまざまな特殊算が登場します。しかし、これらの土台にある距離・時間・速さの関係は同じです。ですから優れた講師は、速さの基本事項を確認するところから始めます。「前に勉強したことと似ているな」と子供たちが感じたタイミングを見て、そのうえで「ここが今までと違うところだよ」と説明しているのです。
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