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【理科】東大生もおすすめ!アニメ「はたらく細胞!!」と「Dr.STONE」で楽しく学ぼう

2021年9月21日 木村美鈴

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中学受験の理科は難解な内容も多く、苦手な子も多いかもしれません。わが子も例外ではありませんでしたが、理科を扱うアニメを見ることで苦手意識が減っていきました。受験に役に立つアニメは多くありますが、そのなかでも東大生が選んだことでも話題になったアニメ「はたらく細胞!!」「Dr.STONE」について、中学受験生の子を持つ私が感じるメリット、そして視聴する際の注意点を紹介します。

東大生もおすすめの2作品

「東大生ランキング」(※)のなかで、「東大生が選ぶ勉強になるアニメ」として1位と2位に輝いたのが次の作品です。

東大生が選ぶ勉強になるアニメ
1位「はたらく細胞!!」
2位「Dr.STONE(ドクターストーン)」

どちらのアニメも理科を題材にした内容で、わが子は4年生ごろから見ています。では、それぞれのアニメの特徴を紹介します。

※TV朝日/2021年5月4日放送

はたらく細胞!!

「はたらく細胞!!」は、主人公の“白血球”と“赤血球”を中心に、擬人化された細胞たちの日常を描いたアニメです。NetflixやHuluなど、複数の動画配信サイトで見ることができます(2021年9月時点)。私が学校見学で尋ねた私立中学のなかには、原作マンガの『はたらく細胞!!』を図書室の蔵書に持つ学校も多かったですね。

では、私が思う「はたらく細胞!!」のメリット、そして注意点をお伝えします。

「はたらく細胞!!」のメリット

  • 人体をわかりやすく学べる
  • スピンオフ作品が多い

注意

  • 暴力的な表現が少し多い

メリット[1]人体をわかりやすく学べる

「はたらく細胞!!」では、人体を“世界”と表現しています。そして細胞たちは、その世界の“住人”です。たとえば、道路に見立てた血管のなかを赤血球が移動していく様子を通じて、まるで細胞といっしょに体のなかを巡っているような感覚になることも。そして、細胞や器官の働きなどはナレーションで適宜補足してくれるので、理科の抽象的な知識などを理解しにくい子にぴったりです。ちなみにわが子は、高校で習う生物についての知識を「はたらく細胞!!」を通して学んでいたようで、私の友人の医師が驚いていたこともありました。

メリット[2]スピンオフ作品が多い

「はたらく細胞!!」は、スピンオフ作品も多く展開しています。そのなかで、受験勉強の参考としておすすめの作品は以下のとおりです。

■マンガ

『はたらく細胞フレンド』(KCデラックス)
……『別冊フレンド』で連載された、女の子でも読みやすいマンガ(免疫細胞が話の中心)

■書籍など

『はたらく細胞』(講談社青い鳥文庫)
……児童向けに書かれた小説

『よくわかる!「はたらく細胞」細胞の教科書』(KCデラックス)
……体の器官や働きをイラストや図を使って紹介

■図鑑

『人体のふしぎ特装版「はたらく細胞」×講談社の動く図鑑MOVE』(講談社)
……講談社の『動く図鑑MOVE』シリーズが「はたらく細胞!!」とコラボ

マンガ版の『はたらく細胞フレンド』と、小説版の『はたらく細胞』は、学びに直接つながるというよりかは、人体に対しての興味づけをはかるうえでおすすめの作品です。一方で『よくわかる「はたらく細胞」細胞の教科書』は、中学受験で必要な人体の知識がわかりやすく掲載されているので、こちらのほうが受験向きといえるかもしれません。

注意:暴力的な表現が少し多い

「はたらく細胞!!」には、ウイルスや細菌との戦闘シーンが描かれています。そのため、血しぶきが苦手な子などは注意が必要です。YouTube上でプロモーション動画が公開されているので、保護者が先に内容を確認しておくのもおすすめです。モノクロのマンガ版のほうが、カラーのアニメよりも怖くないという子もいるかもしれません。なお、スピンオフの『はたらく細胞BLACK』は青年誌『モーニング』で掲載されていた作品ですが、これは小学生向きではない内容が多く含まれているのであまりおすすめできません。

Dr.STONE

「Dr.STONE」は、石化してしまった世界で、高校生の主人公たちが科学を用いて文明を切り開いていく冒険アニメです。AmazonプライムビデオやNetflixなどで見ることができ、原作マンガは集英社の『週刊少年ジャンプ』で連載中です(2021年9月現在)。

では、私が思う「Dr.STONE」のメリット、そして注意点をお伝えします。

「Dr.STONE」のメリット

  • 理科を身近に感じられる
  • 化学や物理にも興味がわく

注意点

  • 暴力的、性的な表現が少しある

メリット[1]理科を身近に感じられる

「Dr.STONE」のなかで、中学受験生でも「これ知ってる!」と思えるものは、電磁石が扱われた回のストーリーでしょう。物語のなかでは、発電機をつくるために雷を利用しつつ、鉄の棒を電磁石に変える様子が描かれています。またアニメのなかでは滑車を使って丸太を持ち上げ、人を助けるシーンも描かれているなど、理科を身近に感じられる描写も少なくありません。わが子は、今までは知識としてしか知らなかったものが登場人物たちの生活を変えていく様子を見て、「理科はふだんの生活を支えている」と感じたようで、「Dr.STONE」を見てからというもの、理科を積極的に学ぶ姿が見られるようになりました。

メリット[2]化学や物理に興味がわく

「Dr.STONE」は、化学や物理の内容としては小学生には複雑すぎるものが多く、中学受験で役に立つ知識は少なめです。しかし『週刊少年ジャンプ』らしい冒険ストーリーで、大人の私でも「化学ってすごい!」と感じる迫力を十分に持っています。

ちなみに私は、硫酸についてまだ学習していないわが子に「硫酸って何だと思う?」と聞いてみたことがありました。すると「強い酸性の液体だよね。電池のバッテリ液や、ほかの物質をつくるときにも必要で、毒ガスの硫化水素を発生させることもある!」といった答えが。これらは全て「Dr.STONE」のなかで手に入れた知識のようですが、アニメだけでここまで勉強が進むとは驚きでした。

注意:暴力的、性的な表現が少しある

前述の「はたらく細胞!!」と同じく、「Dr.STONE」にも戦闘シーンがあります。登場する女の子の服の露出も多く、また性的な表現も見受けられるので、思春期の子供に見せるうえでは注意が必要な場面もあるかもしれません。第1話がYouTubeで見られるので、場合によっては保護者が先に内容を確認しておくことをおすすめします。

まとめ

今回紹介した「はたらく細胞!!」と「Dr.STONE」は、ストーリーが面白いだけでなく、中学受験にも活かせる内容が描かれています。一部、小学生には難しい内容も含まれていますが、理科に興味を持たせる効果は十分です。動画配信サイトで簡単に見ることができたり、児童館や図書館で原作マンガを置いていたりする場合もあります。ぜひ楽しみつつ、理科を学んでいきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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