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中学受験の理科になぜ霜柱? 押さえておくべきポイントとは

2018年4月10日 如月柊

中学受験の理科でとりあげられるテーマに、「霜柱」があります。これは霜柱を例に、固体・液体・気体の「物質の三態」の理解度と、自然界に存在する水の形態・変化についての知識を確認するための問題です。では、具体的にはどんなことを理解しておけばいいのでしょうか。

自然界には物質の三態現象がたくさんある!

自然界には温度の変化によって固体・液体・気体と状態が変化する物質があり、この3つの状態を「自然界の三態」といいます。このように状態を変化させる物質は多く存在し、また物質によっては状態によって名称も変わってきます。

身近な水で物質の三態を考えてみよう

物質の三態について理解するうえで、いちばん身近で理解しやすい例が「水」です。霜柱についての問題が出題されるのも、霜柱が身近に見られる水の状態のひとつだからです。

水は冷凍庫で冷やせば氷になり、火にかければ水蒸気になって最後にはなくなってしまう(ように見える)物質です。常温の水のときは液体であり、冷やせば固体、温めれば気体へと変化しているわけです。ここで、1つの物質が固体・液体・気体へと変化すること、それによって「氷」「水」「水蒸気」などと名前も変わるという現象を把握することがポイントです。

そして、水の場合、固体・液体の状態では目で見ることができますが、気体の水蒸気の状態では目で見ることができません。この点も水の特性として押さえておきましょう。

自然界の物質の三態における霜柱

またもうひとつ、霜柱には自然界に存在する水の一形態であるというポイントがあります。霜柱は、雨が降ったり雪が降ったりという自然現象の後にできる状態です。自然界に降り注ぐ水分が、気温などとの関係でどのように変化しているのかを押さえておくことがポイントとなります。

霜柱、霜、氷柱(つらら)の違い

大気中の水分は雨や雪などとして空から降ってきますが、地上に落ちたときの状況や環境によって、その後さまざまな形に変化します。
「霜柱」は、土の中に含まれる水(液体)が冷たい外気に冷やされて氷(固体)に変化したもの。土の中の水が凍っていない状態(温度が0度以上)で、外気に冷やされて凍ってしまう(外気の温度が0度未満)という環境下でなければ霜柱はできません。

似た名前ですが、「霜」は、大気中に含まれている水蒸気が、温度が0度以下の物体の表面に触れたときに急に冷却されて、液体の水の状態を経ずに細かい氷の結晶として物体の表面に付着したもの。霜柱とはまったく違ったプロセスでできるのです。

また、氷の柱といえば、もうひとつ屋根などからつり下がる「氷柱」(つらら)があります。
つららは屋根の雪などがとけて水(液体)になり、たれ落ちるときに冷やされて氷(固体)へと変化したものです。上から下へ少しずつ成長していき、長い柱のような形状の氷(固体)となります。つららがのびるためには、液体の水がたれ落ちる状態にならなければいけませんから、ずっと0度以下の温度が続くとつららは成長しません。

さまざまに変化する水の形を整理しよう

自然界では水分がさまざまな形に変化します。どんな現象をどのように呼ぶのか、よく把握しておきましょう。それぞれの形には気温などの条件があります。どんな条件でどのような状況に変わるのかを整理しておいてください。

霧(きり)は、寒い日に大気が真っ白なもやの状態になるもの。これは空気中の水蒸気(気体)が冷えて水(液体)の細かい粒となり、空中に漂っている状態です。

また、露(つゆ)はこれは空気中の水蒸気(気体)が物体と触れたことで冷え、水(液体)となってその物体の表面に付着したもの。触れる物体がさらに冷たければ、先ほど説明した霜になります。

科学的に見ていくと、霧も露も空気中の水蒸気(気体)が冷やされて、水(液体)になったものとなります。霧の場合は、細かな水のツブが空中を漂っている状態で、露の場合はそのツブがさらに集まって水滴となっています。

まとめ

水の三態は、「雨」「霜」などの形として日常でも観察できます。それを観察することは、物質の三態についての理解を深めることにもつながりますし、身の回りの自然や環境について学ぶことにもなります。物質は物質、天気は天気などとわけて考えないで、物質と天気をつながったものとして理解するするように、お子さんを導いてあげてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

小中高での教師経験を経て、現在は大学で教授法などの授業を担当。また、関連書籍なども出版。