中学受験ノウハウ 親の関わり方

中学受験生 各学年の勉強時間はどれくらい?

2018年4月09日 朝倉浩之

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中学受験をする子供のイメージというと、目標に向かって夜遅くまで勉強する姿を連想する人が多いことでしょう。子供たちは実際にどのくらいの時間を勉強に費やしているのでしょうか。この記事では、塾での学習が本格的になる4年生から6年生までの一般的な勉強時間について紹介します。

中学受験生の勉強時間は? 小学校4年生の場合

大手学習塾の場合、小学校4年生は国語と算数の授業が2時間ずつ、理科と社会の授業が1時間ずつというのが一般的です。あわせると塾の授業のみで6時間ほどとなります。ここに各授業で課される宿題に取り組む時間や、授業の復習時間が入ります。したがって、塾と自習での時間をあわせると1週間で8時間~10時間が一般的な勉強時間となります。

国語、算数、理科、社会の4教科のなかでいちばん勉強時間を必要とするのが算数です。算数は小学校の勉強だけでは詳しく習わないような文章題、数の性質、場合の数など新しく学習する内容が多いためです。

塾での授業時間は5年生以降の時間よりも短いですが、実は習得しなければ内容は多岐にわたります。4年生でしっかりとした学習習慣をつけることができれば、5年生以降、学習時間が長くなる状況でも十分に対応でき、学力を伸ばしていくことができるでしょう。

中学受験生の勉強時間は? 小学校5年生の場合

小学校5年生だと、大手学習塾の場合、国語と算数の授業が3時間ずつ、理科と社会が1時間半ずつとなることが一般的です。4教科の授業時間だけで9時間ほどになります。

4年生のときよりも塾の授業時間は3時間ほど長くなっています。小学校5年生になったときに注意する点は、通塾回数が増えることです。4年生のときは週2回~3回の通塾であまり負担なく勉強できていた子供たちも、体力的に少し大変になってきます。

中学受験に向けた塾での学習は、まだ小学校4年生の時期に、新しい学年で取り組む学習に進んでいきます。つまり、学校よりもひと足先に4年生の2月に塾では5年生がスタートするということです。

5年生になると、学習内容も4年生のときよりも高度になります。そのため、塾の授業時間以外での学習が非常に大切です。

実際に中学受験に向けて勉強している子供たちの様子を見ていても、「塾の授業が分からない」「ついていけない」ということが起きやすくなるのはこの5年生の時期です。

そのため、まずは各学習単元で必ず理解するべき、基本的な内容の理解に努めることが大切になっていきます。

塾の授業時間以外の学習時間は1教科あたり1時間~1時間半が目安です。4教科合計で4時間~6時間ほどとなります。塾の授業時間とあわせると1週間あたり13時間~15時間ほどです。

中学受験生の勉強時間は? 小学校6年生の場合

小学校6年生は、いよいよ志望校も決まって本格的な受験対策に入ります。大手学習塾の場合、通常授業に加え、日曜日に志望校別の対策講座を組んでいることも多く、丸1日受講することになります。

そのため、塾の授業のみで1週間に15時間ほど勉強することになります。当然、塾の授業の復習や宿題もありますので、合計すると20時間は勉強していている計算です。

「夏は受験の天王山」と呼ばれているように、夏期講習は非常に勉強時間がとれる時期です。大手学習塾の場合、6年生の夏休み前までで各科目の単元学習を終えていることが一般的です。夏は学校がないため、朝から夜まで塾で勉強をしている子供たちも少なくありません。

この時期は、苦手な単元にじっくり取り組むことができます。さらに、演習量も確保できるため勉強の楽しさに目覚めていく子供たちがたくさんいます。夏期講習期間で300時間を超える勉強時間を確保することもできます。夏、勉強をがんばった経験は、子供たちの人生の宝となるでしょう。

9月からは入試過去問を使った実践的な内容に入っていきます。子供たちの志望校への思いも強いからこそ、ときどき息抜きも必要となるかもしれません。そんなときは志望校を実際に見に行ってみるのもよいでしょう。合格した後の中学校生活をイメージできれば、受験勉強の意欲が湧くはずです。

 

中学受験に向けた勉強時間は、子供たちの成長へとつながる時間でもあります。成長していく過程は子供たちの「明るい未来へのパスポート」です。学年が進むにつれて、勉強時間は長くなる傾向にありますが、人生において大切な何かを学んでいくことができる素晴らしい時間でもあります。

※記事の内容は執筆時点のものです

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