中学受験ノウハウ 親の関わり方

日々の達成感がポイント! 子供のモチベーションを維持する計画の立て方と管理のコツは?

専門家・プロ
2018年4月23日 鈴木恵美子

中学受験生の3年間はハード。短い時間のなかで学校の宿題や塾の課題をこなしながら、睡眠時間も取りつつカリキュラムを消化していくためには、親が勉強計画を立ててスケジュール管理をする必要があります。子供のやる気を引き出す計画のコツはどんなことでしょうか。1人ひとりの個性と向き合い「勉強のやり方」を教える塾・プラスティー教育研究所に聞きました。

モチベーションを上げるのは「達成できる計画」。遅れは最初から見越して

中高生と違い、小学生は自分で勉強のスケジュールを管理することができません。中学受験に向けて勉強計画を立て子供に実行させるのは親の役目であり、それが合否を分けると言ってもいいでしょう。ただ、きっちり綿密に立てたから「良い計画」というと必ずしもそうではなく、むしろ逆であるかもしれません。

すぐ修正できるよう、計画はざっくりと!

中学受験に向けて親が管理するのは、1日のタイムスケジュール、週の学習計画、年間スケジュールなどさまざまなものがあります。そのどれにも共通する、子供のモチベーションを上げる勉強計画の条件は何でしょうか。それは「これなら達成できそう」「実行できそう」と思える、常にゴールへの見通しがある計画であることです。

勉強スケジュールには遅れがつきもの。達成できていないノルマがずっと目の前にあると、子供のモチベーションはガクンと落ちてしまいます。遅れた時はすぐに計画を修正し、再び提示して気持ちを切り替えさせることが大切。そのためにも勉強計画は、できるだけざっくりとしたものにしておきましょう。あまり細かく作ってしまうと修正が大変だからです。進み具合を見ながら臨機応変に変えられる、幅を持たせた計画が、子供のモチベーションを維持するのに適していると言えます。

「今、目指すゴール」をシンプルに伝える

そんなふうに、長期スケジュールの書き換えは臨機応変にして欲しいのですが、プロセスは親の頭の中だけにしまってください。子供に対してはあくまでも、その時その時にすべきことだけを分かりやすく伝えるようにしましょう。「今日はこれからこれをやるよ」という具体的な声かけでゴールがイメージできるように始めてあげると、子供は計画を消化しやすくなります。

子供にさせたい「1時間計画」。やる気が出て、テストにも強くなる

中学受験では親が勉強計画を立てて、子供ができる範囲でそのつど渡してあげるのが基本。ただそれとは別に、主体的な勉強の習慣を身につけるため、子供自身に小さな枠での勉強計画を立てさせることも有益です。

何を何分でやるか、リストを書かせる

中学入試まで時間的な余裕のある小学校3、4年生の子供におすすめなのは、家庭学習に1時間の枠を設けて「今日は〇を〇分間でやる」という計画を立てさせることです。やり方は簡単。勉強を始める前に、自分で次のような計画リストを書かせます。

「〇〇ドリル」などの課題は、子供の集中力が持続する10分〜15分くらいで終わるものを一単位とし、合計60分でつくらせます。計画ができたらタイマーで時間を計りながら課題を解き、実際にかかった時間をフィードバックして、終わったものから横線で消していきます。

毎日やることで時間の感覚を体が覚える

主体的に勉強計画をつくり、実行したものを消していくことは子供にとって大きな達成感があり、モチベーションアップにつながります。また、計画と実行を繰り返すことで「この問題は〇分かかる」という感覚を体で覚えます。これは実際の試験でとても役に立つ能力です。入試問題は基本的に時間が足りなくなるよう設計されているので、問題をパッと見てすぐに時間配分や取捨選択ができる子は、本番に強いのです。

小さな課題を一つずつクリアさせよう

大人でも、目標が遠すぎて見えないとやる気を維持するのが難しいですよね。すぐに達成できるゴールを設定して、日々「やった感」を得られるようにすることが、子供のモチベーションを維持していくコツです。勉強計画とは、そもそもモチベーションを上げるためにつくるものです。ご両親はそのことを忘れないでください。

※記事の内容は執筆時点のものです

代表の清水章弘が設立。「勉強のやり方を教える塾 プラスティー」を東京・飯田橋と京都・烏丸御池で運営している。勉強内容だけではなく、勉強のやり方を体系的にまとめた「学習コーチ指導」を展開。小学生から高校生・浪人生まで、学校についていけない生徒から最難関校を受験する生徒まで、生徒1人ひとりの力を伸ばす指導は父兄からも大きな信頼を集めている。

代表は青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーを務める。代表著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)、『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)など多数。著書は海外でも翻訳されている。

プラスティー教育研究所:http://plus-t.jp/