中学受験ノウハウ 親の関わり方

子供の集中力が続かないのはなぜ? 「やる気のスイッチ」を押すために親が心がけることとは

専門家・プロ
2018年4月23日 鈴木恵美子

勉強中すぐに気が散ったり、飽きて別のことに気を取られてしまう。ゲームや漫画だったら何時間でも夢中になれるのに……。子供の学習態度にそんなお悩みを持つご両親は少なくないはずです。やる気を引き出し、勉強への集中力を続かせるにはどうしたらいのでしょうか。1人ひとりの個性と向き合い「勉強のやり方」を教える塾・プラスティー教育研究所に聞きました。

4タイプの「勉強モチベーション」に合わせて、声かけや関わり方を意識する

子供の集中力を持続するためには、勉強するモチベーションを引き出すことが第一です。でも残念ながら、「常にこうすれば正しい」という方法はないと考えてください。本当にあらゆる視点やアプローチがあるので、ドラえもんのように、状況に応じて四次元ポケットから次々とアイデアを取り出せるのが理想かもしれません。ただ、臨機応変に対処するにしても、何らかの考え方のフレームは必要。そのひとつをご紹介します。

ゲームの「楽しさのツボ」を勉強法に応用

私たちが子供のモチベーションアップのために取り入れたのは「ゲーミフィケーション」による勉強法。ゲーミフィケーションとは、人を夢中にさせるゲームの考え方やしくみを、教育などの分野でも活用する手法のことです。なかでも注目したのは「ゲームプレイヤーの4分類」。ゲームをする人には「楽しさ」を感じる源泉の違いによって4つのタイプがあり、ゲームを楽しむモチベーションはそれぞれみんな異なるという考え方です。

そんな「ゲームにはまるしくみ」を勉強に応用したのが下の図。「人に影響を受ける←→人に影響を受けない」「ゴール追及型←→プロセス重視型」の傾向によって、4つのモチベーションタイプを導き出しました。

それぞれの特徴

■アチーバー タイプ

「目標」に夢中になり、達成できたときに喜びを感じる。達成欲が強いので、困難な課題に挑戦するのは好きだが、成長の実感がない簡単なことをやり続けるのは苦手。

■エクスプローラー タイプ

夢中になるのは「自分の趣味」。探究心が強く、好きなことには時間を忘れて取り組み、掘り下げる。テストの点よりもプロセスを重視し、順位や勝敗はあまり気にしない。

■キラー タイプ

夢中になるのは「勝ち負け」。ライバルと競い合い、勝つことがモチベーションに。テストの良し悪しは周囲との点数差で決める傾向があり、競う相手がいないと怠けがち。

■ソーシャライザー タイプ

「仲間との関係」に夢中。目標から逆算して考えるのは得意ではないが、友達と一緒に目標に向かっていくことは得意。皆で勉強の楽しさを共有することに喜びを感じる。

わが子が達成感を得るのはどんな学び方?

この4分類を参考にして、子供にどの傾向があるかを考えると、「どんな環境が適しているのか」「どんな声かけがいいのか」が少しずつ見えてくると思います。

たとえば「ゴール追求型」の傾向が強い子には、具体的な目標としてテストの点数に言及してあげたりすると、意欲が湧いてくる。逆に、エクスプローラータイプの子供を発奮させようとして「〇〇ちゃんに勝たなくちゃ」などと言うのは逆効果です。そういう子のモチベーションを上げるには、たとえば面白い理科実験の動画を見せるなど、知的好奇心を刺激してあげる方がいいようです。

親も自分に置き換えると理解しやすい。ただし「決めつけ」はNG!

子供がどんな学び方で達成感を得られるかは、本当に十人十色。ゲーミフィケーションを応用した4分類をしてみると、それが実感できます。ただ、この考え方を実践する時に、必ず注意していただきたいことがあります。

自分と子供の同じ部分、違う部分を知る

ご紹介した4分類については、ご両親もぜひ「自分はどのタイプかな」と考えてみてください。大人は成長の過程で多くの要素を複合的に身につけているものですが、それでも「自分はこうするとモチベーションが上がる」と確認できるはずです。子供にも同じ傾向があれば、どう声かけをするかのヒントになります。もし親子が正反対のタイプであれば、自分が得意にしていた勉強法をそのまま子供にすすめても、モチベーションアップにつながらないことが分かるでしょう。

「ラベリング」をしないように注意

ただ、この方法を取り入れるうえで一番避けて欲しいのが、「この子はこのタイプだから絶対こう」と決めつける「ラベリング」をしてしまうことです。タイプ分けは傾向をつかむためには有効ですが、これはある一定の評価軸からその子を見た時の、ほんの一部分でしかありません。また、子供は日々成長していき、何かのきっかけで大きく変わることもあります。ですから、この4つのタイプに当てはめすぎないことも大切です。

勉強の面白さに気付かせる一歩に

子供はやる気のスイッチが入れば、驚くような集中力を発揮することがあります。4分類は万能ではありませんが、モチベーションアップの方法を探る際のフレームになってくれるはずです。「ゲーミフィケーション学習法」についてもっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひ書籍をご一読ください。

「受験のNEWカリスマが伝授! 子供のやる気を引き出す ゲーミフィケーション勉強法」

清水章弘、八尾直輝、綿貫知哉 著

講談社 ¥1,296

※記事の内容は執筆時点のものです

代表の清水章弘が設立。「勉強のやり方を教える塾 プラスティー」を東京・飯田橋と京都・烏丸御池で運営している。勉強内容だけではなく、勉強のやり方を体系的にまとめた「学習コーチ指導」を展開。小学生から高校生・浪人生まで、学校についていけない生徒から最難関校を受験する生徒まで、生徒1人ひとりの力を伸ばす指導は父兄からも大きな信頼を集めている。

代表は青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーを務める。代表著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)、『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)など多数。著書は海外でも翻訳されている。

プラスティー教育研究所:http://plus-t.jp/