
答えを丸写しする子どもにどう対応する? 理由を把握して勉強法を改善する7つの視点
子どもが宿題の答えを丸写ししていることが発覚すると、保護者の多くは子どもを叱ります。しかし、子どもには子どもなりに事情があります。このことをふまえて保護者が対応しないと、子どもの意欲が低下したり、親子関係が悪化したりしかねません。今回は、子どもが答えを丸写しする理由とそれぞれへの対応策を紹介します。
Contents
子どもが答えを丸写しする理由7選
保護者は子どもが答えを丸写しする理由を把握することから始めるとよいでしょう。
1. 早く終わらせて別のことをしたいから
子どもはゲームをしたい、YouTubeを観たい、友達と遊びたいなどと考えているため、答えを丸写しすることがあります。とにかく「終わらせる」ことしか考えていません。
2. 難し過ぎて手も足も出ないから
宿題がまったくわからないと、答えを丸写しせざるを得ません。子どもには「どうせ解けない」というネガティブな気持ちが募っていきます。
3. 簡単すぎて「やるだけ無駄」だから
2の逆で、「やるだけ無駄」と侮っていることもあります。本当に宿題が無駄な場合と、子どもの思い込みの場合があるので要注意です。
4. できないことを叱られたくないから
できないことを過去に叱られた経験があると、「叱られたくない」という気持ちが強まります。その結果、全問正解に見せかけるために答えを丸写しします。
5. 「できる自分」を見せたいから
4の逆で、見栄を張りたがる性格から答えを丸写しする子どももいます。褒められたいために勉強しているふりをして、「できる自分」を演出します。
6. 量が多くて終わらないから
大手塾に通っている子どもにありがちです。各科目で大量の宿題を出されるため、量が多くていつまでも終わらず、良くないことと分かっていながらも答えを丸写しします。
7. 勉強しても結果が出ないから
時間をかけて勉強しているのにテストで点数を取れなかったり、クラスがアップしなかったりすると、子どもはやる気を失って答を丸写しすることがあります。
答えを丸写しする子どもへの対応策
上で紹介した7つの理由それぞれについて対応策があります。
1. 「宿題を終わらせればよい」にしない
1の子どもには、「宿題を終わらせればよい」にしないことが大切です。子どもが宿題を一通り解いて丸付けした後、保護者が口頭でテストして8割以上の正解で宿題を終わりにするなど、新たなルーティンを加えてはどうでしょう。子どもは、単に宿題を終わらせただけでは解放されないとわかると、丸写しで誤魔化そうとは思わなくなります。
2. 問題を解く前に復習させる
2の子どもには、問題を解く前に授業ノートを見直させたり、保護者が口頭で質問したりして、復習させましょう。その復習も難しい場合、音読させながら宿題の答えをノートなどに丸写しさせた後、同じ宿題を何も見ないで解かせるのも効果的です。特に国語の漢字・語句や理科・社会の知識問題では、覚えるために丸写しするのも決して悪いことではありません。
3. 何問か解かせて出来不出来を確認する
3の子どもの場合、保護者はまず子どもに何問か解かせて出来不出来を確認しましょう。子どもがスラスラ解けるなら、本当に無駄なので宿題から省いて構いません。そうでなければ、子どもに「できていないから宿題に取り組もうね」と注意します。
4. 子どもができないことを叱らない
そもそも保護者は子どもができないことを叱ってはいけません。むしろ、子どもができないことをきちんと「できない」と認めているなら、そのことを褒めてあげましょう。できないことから目を逸らさない子どもは大きく成績を伸ばします。
5. 結果を褒めるのではなく過程を褒める
子どもを褒める場合は、できたかどうかの結果を褒めるのではなく、どういう取り組みをしたかなどの過程を褒めるとよいでしょう。結果については再現性の有無をチェックし、2回目、3回目で同じようにできなければ意味がないと伝えることも大切です。
6. 塾と相談して宿題の量を調整する
6の子どもに必要なのは宿題の量の調整です。塾と相談して、宿題を減らしてもらったり、優先順位を決めてもらったりするのは保護者にしかできません。宿題をすべて終わらせなければならないという状況を改善することで、子どもも安心して丸写しをしなくなるはずです。
7. 結果が出る勉強法を提案する
7の子どもは多くの場合、勉強法に問題があります。保護者は子どもの勉強法をチェックし、結果が出ない原因を突き止めた上で、「こうすればテストで点数が取れるんじゃない?」とアドバイスするとよいでしょう。アドバイスが難しいときは、塾や家庭教師に相談するのが一番です。
答えの丸写しは必ずしも不正ではない
保護者の多くは「答えの丸写し=不正」と考えるから、丸写しを頭ごなしに否定してしまいます。しかし、丸写しが不正であるとは限らず、上で紹介した通り、丸写しから勉強を始めた方が効率的なこともあります。「丸写しはダメ」と決めつけて子どもを叱るのではなく、丸写しの発覚をきっかけに、子どもの事情と勉強の方向性を上手く擦り合わせることが大切です。
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
お気に入り機能は
会員の方のみご利用できます
会員登録のうえログインすると
お気に入り保存できるようになります。
お気に入りのコンテンツは、
マイページから確認できます