学習 算数

「小数のかけ算が苦手」を克服する方法

専門家・プロ

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整数の計算ができるようになったら、次の関門になるのが小数の計算。特にかけ算では実生活でなかなか使わない計算であることから、具体的なイメージがつきづらく苦手意識をもつ子供も多い分野です。とはいえ、中学受験には避けて通れない小数の計算、完璧にしておくことが、今後の学習の成果に直結するといっても過言ではありません。

まずは徹底的に正しい筆算の方法を身につける

何はともあれ、まずは正しい筆算のやり方を身につけることが重要です。小数点の位置に注意しながら、正しい筆算のやり方を身につけましょう。

数字は右に揃えてかく

小数のたし算、ひき算では小数点の位置を縦にそろえて書きました。

一方、小数のかけ算では「数字を右に揃える」のがルールです。

小数点の位置に注意する

正しく位取りができたら、かけ算の計算を進めます。

この計算は整数のかけ算と同じなのでスムーズにできるはずです。

問題は小数点の位置。

2.72は小数2桁、1.5は小数1桁なので、答えは1+2=3より小数3桁にするのが正解です。

答えは「4.080」になります。最後の0は必要がないので、末尾の「0」を消して4.08として正解です。

「小数点の位置を決める」「末尾の0を消す」はこの順番でするようにしてください。

先に「0」を消してしまうと答えが0.408となり、これは間違いです。

「できる」を「早くできる」に

そろばんの効果はほんとにあるの?』の記事でも書きましたが、「できる」と「早くできる」には大きな差があります。

「できる」ようになるまでは時間制限はなしで

小数計算はとにかく慣れておくことが重要。慣れないうちは時間制限を設けず、子供が納得するまで時間をかけてあげるのがよいでしょう。間違えた問題の解き直しが重要です。もう1回解いて、「やったーできた!」では、同じ間違いを繰り返してしまいます。解き直しの際には重要な声掛けがあるのです。

解き直す前の子供にかけたい魔法の一言

間違えた問題を、子供がすぐにもう一度解こうとしていたら、「なんで間違えたのか、教えてもらってよい?」と声掛けをしてあげてください。「計算間違い」「うっかりしてた」といったおおざっぱな返事の場合は、間違えた原因を認識していないことが多いので要注意です。「小数点の打ち方が間違っていた」「繰り上がりの計算を間違えていた」というように、具体的に原因を分析することが大切です。

「早くできる」ために必要なこと

「できる」ようになったら、次は「早くできる」ように練習あるのみです。一通り計算方法を覚えたあと、どんなことに注意すればよいのでしょうか。

小数のかけ算、小数点の位置は「適当に」!?

「小数点の位置はルールを守って、慎重に」と考えている方も多いかと思います。もちろん、ルールは守らないといけないのですが、「適当に」する感覚があれば、計算ミスも減らせますし、スピードもUPすることができます。

たとえば次の問題。

小数点の位置によって、1.323、13.23、132.3などの解答が出てきそうです。

ここで「適当に」計算してみましょう。

3.15はだいたい3くらい、4.2はだいたい4くらいなので、この答えはだいたい3×4=12くらい、になるはずなのです。だいたいの見当をつける、この「適当に」の感覚があれば、答えは迷わず13.23とできそうですよね。

計算力UPするためのノートの使い方。「左に式を、右に計算を」

文章題などはノートに書き込んで、解くこともあるでしょう。このときも、前述の通り間違えた問題を分析し原因を知ることが大切です。文章題を解くようになると、筆算の計算は裏紙にサッと書いておしまい、となりがちですが、それではなぜ間違えたのかわからないままということになりかねません。

おすすめなのが、「左に式、右に計算」を書く方法です。見開きでノートを開き、左ページには「式」や「考え方」を、右ページには筆算などの計算を書く方法です。ページを分けて書くことで、計算間違いを復習しやすくなりますし、「式と計算は別だ」という意識付けにもつながります。

小数のかけ算は「早くできる」まで徹底的に

以上で見てきたように、小数の計算は「早くできる」ようになるまで徹底することが大切です。以下におすすめの参考書を載せますので、上手に活用してみてください。

『「小学校の算数」が1冊でちゃんとわかる本』
清水章弘著(株式会社プラスティー教育研究所代表取締役) 1,296円(本体価格1,200円)

※記事の内容は執筆時点のものです

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