夏休みの勉強を楽しくするために効果的な方法 ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる
こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。
夏休みが近づいてきていますね。
受験勉強をスタートしている高学年の子たちにとっては、塾での長時間の勉強に宿題も加わって、勉強が大変な時期です。
低学年の子たちにとっても、学校が無い分、何かプラスアルファの勉強をさせたいと考える親御さんが多いのではないでしょうか。
しかし、子どもたちは学校が休みでも、大人の仕事は休みにはなりません。
目が届かない時間は、子どもはついついダラダラとしてしまいがち。
塾の宿題も学校の宿題も全然終わってない!なって事にもなりかねません。
かといって、親が細かくチェックをしようとすると、子どもは嫌がり不貞腐れた態度を取ったりするので、余計に親はイライラしがち。
毎日子どもの勉強のことでイライラするのは嫌ですよね?
そこで、夏の勉強をメリハリある楽しいものにするための、効果的な作戦についてお話ししようと思います。
あなたのご家庭でもぜひ試してみてくださいね。
親子・きょうだいで共通の目標を決める
さて、夏の勉強を楽しくするために効果的な方法は、親子・きょうだいで共通の目標を決めることです。
ごほうびと言い換えても良いかもしれません。
ものすごくシンプルな例としては、「夏休みの宿題が全部終わったら、8月31日は家族でディズニーランドに行く」といった感じです。
この楽しいごほうびを獲得するために、家族で協力して宿題を終わらせよう!と団結するのです。
「宿題が終わっているか毎日親がチェックする」だと、親子は敵対関係になりますが、「一緒に遊びに行くために宿題を終わらせる」だと協力関係にできるのです。
これは大きな違いです。
きょうだいがいる場合には、他の子が勉強の邪魔になることも多いですが、「みんなが終わっていないと遊びに行けない」のようなルール設計にすれば、自然とお互いに協力することになります。
実際に、塾生の保護者さんの報告でも、「きょうだい全員が勉強を終わらせられたら鬼滅の刃の映画に行こう」と家族で目標を立てたところ、普段はけんかしがちなきょうだいがお互いに応援し合って勉強していて微笑ましかったという話がありました。
あなたのご家庭でも、ぜひこの夏試してみてください。
より効果的な目標の作り方
そして、ここからはその目標をより効果的にするためのコツについてお話ししていきます。
できそうなことを取り入れてみてください。
①目標は段階を作る
大きな目標をドーンと1つ決めて、それが成功するか失敗するか2つに1つ、という作戦は、うまくいきません。
どうせムリだと子どもがあきらめることがありますし、もし達成できなかったとなったときに、親の側で「完全に0は可哀想」と温情が働いてしまうこともあります。
そうならないようにするために、目標は段階を設けて設定していくと良いでしょう。
例えば、
レベル1:映画を見に行く
レベル2:動物園に行く
レベル3:ディズニーランドに行く
といった形です。
あるいは、「パフェを食べに行く」のようなご褒美にして、1回2回3回と回数を増やしていくのも良いかもしれません。
ごほうびは本人が喜ぶものでなければ意味が無いので、どんなごほうびが欲しいかを最初に大小さまざまリストアップして、「このごほうびが欲しければこれくらい頑張ろう」と獲得条件を決めていくと良いでしょう。
なお、ごほうびの内容は、遊びに行く・美味しいものを食べるなど、その日のうちに完結するものがおすすめです。
マンガ・ゲームなど、あとあと勉強の支障になるようなものは、高学年の子は避けた方が無難です。
「こういうごほうびはダメ」という制約をつける場合には、リストアップの前に言っておくようにしましょう。
②チェックは毎日する
親としては、なるべくチェックの手間を減らしたいものですよね。
その気持ちは分かりますが、残念ながらチェックが無ければ宿題をため込むのが子どもというものです。
もしお子さんの成績を上げたいとか、学習習慣をつけさせたいとお考えでしたら、毎日のチェックはマストだと腹をくくってください。
①で決めた獲得条件を日割にして、毎日やることに落とし込みます。
そして、チェックシートを作り、毎日やることが終わったらそこにシールを貼っていくようにしましょう。
おすすめなのは、ソーシャルゲームの「ログインボーナスシステム」を取り入れることです。
毎日ログインをすると何か小さなご褒美がもらえるので、もらわないと損だという心理が働き、ユーザーはログインをします。
それを繰り返すうちに、ゲームをすることが習慣化されます。
とてもよくできたシステムです。
生徒の中で、勉強するために平日のゲームを封印したいけれど、ログインボーナスが欲しいから封印できないという悩みを抱えていた子がいて、結局親がログインしてボーナスだけ獲得するという約束で何とか未練を断ち切り、平日はゲームを封印したという子がいました。
それくらいログインボーナスシステムは強力な魅力があるようです。
勉強も同じように、例えば「計算1ページ終わらせたらシールを1枚獲得、1日最大2枚まで」のように上限を決めると、一気にまとめてやることができず、毎日コツコツやらざるを得なくなるので習慣にしやすくなります。
③望ましい行動をするとボーナスが得られるようにする
例えば、多くの子どもは「解き直し」が嫌いなものですよね。
それは、子どもにとって「宿題はやりたくないもの」で、「やることに意義があるもの」「やったら解放されるもの」だからです。
受験に合格したい・成績を上げたいと思っていて、そのためには解き直しが大事だとわかっている子は解き直しを嫌がりません。
解き直しをするように仕向けるには、解き直しをすることにメリットがあるようなルールにすれば良いのです。
例えば、「同じプリントは2回までシールを獲得できる。ただし2回目をやるときには1回目から1週間以上あけること」といったルールにしてみましょう。
1度やったことがあるプリントをもう一度やるだけなので、初めてやるプリントよりも短時間で終わらせられて、楽にシールが獲得できるのですから、子どもとしてはやりたくなりますよね。
他にも、「間違えた問題の正しい解き方を全て説明できるようになったら追加でシール1枚獲得」なども良いと思います。
この機に正しい勉強のやり方を身に付けさせてしまいましょう。
まとめ
夏休みの勉強を楽しくするためには
- 親子きょうだいで共通の目標を立てよう
- より効果的にするために
- ①目標は段階を作ろう
- ②チェックは毎日しよう
- ③望ましい行動にボーナスを設定しよう
ということでした。
他にもいろいろと工夫の余地はあると思いますので、親子で話し合って、あなたのご家庭にもっともあったルールを作ってみてください。
そして、お子さんがダラダラしてるなーと思ったら、叱るのではなく、「一緒に○○に行こう! 頑張ろう!」と応援をしましょう。
そうすれば、前向きな気持ちで親子で勉強に取り組みやすくなりますよ。
充実した夏休みにしてくださいね。
※記事の内容は執筆時点のものです
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