透明な氷をつくろう!|家庭でできる理科の実験(2)
水を容器にいれて、冷凍庫で冷やして氷をつくると、氷のなかに白い泡のようなつぶつぶがあるのを見たことがあると思います。
冷蔵庫で普通につくった氷
この白い泡のようなつぶつぶはいったい何でしょう?
今回は、氷の中に白い泡がみえる理由を紹介しながら、白い泡が少ない透明な氷をつくる方法を紹介します。
Contents
水には空気がとけています
白い泡のことを考える前に、「魚」の話をしましょう。魚も動物の仲間です。ですから、呼吸をしなければいけませんよね。
私たち人間は空気から酸素を取り入れていますが、魚は水のなかで生活しているので、空気を吸うことができません。
では、魚はどこで酸素を取り入れているのでしょうか? そうです。「水のなか」ですね。「水のなかに空気がとけている」のです。
魚は「水のなかにとけた空気」を吸って呼吸をしています。
どうして氷のなかに白い泡ができるのか?
さて、氷の話に戻りましょう。氷のなかの白い泡の正体、これは「水のなかにとけていた空気」が閉じ込められたものです。
「水のなかにとけていた空気」は、冷やされたときに、水のなかから外へ出ようとするのですが、水が氷になるのが早く、逃げられずに固められてしまったのです。
図で表すと次のようなイメージです。
外に出られなかった、水のなかの空気が白い泡のように固まって見えるんですね。
透明な氷をつくるには?
では、透明な氷をつくるにはどうしたらよいでしょうか? 「早く氷になってしまい、水のなかの空気が逃げ出せなくなった」ということですから、
- ゆっくり冷やす
- 水のなかの空気を逃す
といったことができればよいですね。
その方法として、知られているのが、割り箸のうえに容器を置いて冷やす方法です。
透明な氷をつくる ――割り箸を使ってゆっくり冷やす
割り箸を置いて、冷凍庫に容器が直接くっつかないようにします。
冷えるスピードをおそくするための工夫ですね。
ただ、冷凍庫は冷やす力が意外と強いので、これだけだと水のなかの空気が外に逃げ出せないことがあります。
透明な氷をつくるために、さらに2つ「必殺技」を使いましょう。
透明な氷をつくる ――さらにゆっくり冷やすための「必殺技」
さらにゆっくり冷やすために、容器をタッパーなどに入れて冷凍庫で冷やします。次の図のようなイメージです。
こうすると、冷凍庫の冷たい空気が直接あたらなくなるので、ゆっくりと冷えます。
透明な氷をつくる ――水のなかの空気を逃がすための「必殺技」
水のなかの空気を逃がすために、あらかじめ水を沸騰させて、冷ましておきましょう。一度沸騰させることで、水のなかの空気を逃がすことができます。沸騰させた水を容器に入れて、冷凍庫で冷やせばOKです。
以上の2つの「必殺技」を組み合わせると、白い泡が少ない透明な氷をつくることができます。
ちなみに、「泡がまったくない氷」は工場でつくるのも難しいそうなので、家庭でつくるときは「完璧さ」にこだわらないほうがよいでしょう。
普通につくった氷とみくらべて観察できるとよいですね。紹介したつくりかたは、家庭で簡単にできるものなので、お子さんと一緒にぜひ実験してみてください。
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※記事の内容は執筆時点のものです
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