中学受験ノウハウ 塾選び

[中学受験]小学校 低学年で身につけたい「3つの力」と、低学年からの塾通いのメリット・デメリット

2022年3月13日 石井知哉

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中学受験に向けた塾通いは、新4年生(小学校3年の3学期~小学校4年1学期)ではじまるというのが一般的です。せっかくの受験対策なので「もっと早く通塾をスタートさせたい……」という考えの方もいるでしょう。しかし受験に向け、低学年の段階で必要とされる力を理解している方は多くありません。

そこで今回は「塾通いが新4年生ではじまる理由」について触れたうえで、中学受験に向けて「低学年の段階で身につけたい力」そして、「低学年で通塾するメリット・デメリット」を解説します。

塾通いが「新4年生」ではじまる理由

中学受験の入試問題では、小学校で習うレベルを超えた内容が問われます。これは難関校に限りません。志望校合格を実現するには、小学校の教科書レベルは早めに習得し、受験に向けたハイレベルな学習に比重を置く必要があります。

ほとんどの中学受験塾が、新4年生(小学校3年の3学期~小学校4年1学期)で募集を開始するのはこのためです。それぞれの塾が「合格するために必要な勉強の量と時間」から逆算してカリキュラムを作成し、小3冬から小4春をスタート時期に設定しているのです。

通塾までに低学年で身につけておきたい「3つの力」

では、中学受験に向けて、小3の2学期まで(以下「低学年」と表記します)に、どのような力を身につけておけるとよいのでしょう。低学年の段階で身につけたい力は次の3つです。

【1】基礎学力
【2】勉強体力
【3】学習習慣

それぞれについて解説します。

低学年で身につけておきたい力1――基礎学力

「基礎学力」とは、「あらゆる学習の土台となる力」のことです。具体的には次の3つです。

[1] 読む力
漢字の音読み・訓読みを正確に覚え、日本語の文章を読んで内容を正しく理解する力です。国語はもちろん、算数・理科・社会も日本語で学ぶ以上、必須の能力です。

[2]書く力
ひらがな、カタカナ、漢字を正しく用いて、主語・述語や修飾関係など日本語として適切な文を書く力です。全教科の解答につながりますし、近年多くの入試問題で要求される表現力の基礎になります。

[3]計算力
たし算・ひき算・かけ算・わり算の答えを正確に速く導き出し、正しい手順で筆算を行う力です。

低学年で身につけておきたい力2――勉強体力

「勉強体力」とは、「一定以上の時間、机に向かい集中して取り組める力」のことです。文字を書き続けても手が疲れないような、正しい鉛筆の持ち方や手首の力も含まれます。

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石井知哉

石井知哉

  • この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。