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リビング学習のメリット・デメリットとは

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巷でよく聞かれる「リビング学習」。なんか有効って聞くけど、勉強はやっぱり1人で部屋にこもってするものでは……?とその実態がよくわからないところも多いかと思います。

本記事では親子それぞれの視点から、「リビング学習」のメリットデメリットを整理し、明日から使えるリビング学習法を紹介していきます。

リビング学習、親にとってのメリット・デメリット

リビングは親にとって「家事の主戦場」。リビング学習が有効とはいえ、どのように子供に関わればよいかわからないという親も少なくありません。まずはメリットとデメリットを整理し、親の関わり方を考えていきましょう。

リビング学習、親にとってのメリット

まず親からみたメリット。それは「学習のプロセスを共有できる」ことです。普段学校や塾の授業を見ることができない親にとって、自宅学習は子供の学習の様子を把握できる唯一のチャンスという場合も少なくないと思います。

学習のプロセスが見えないと、テストの結果だけで判断してしまいがちです。しかし学習のプロセスが分かると、テストで悪い結果が出ても、より効果的な改善案を一緒に考えやすくなるでしょう。

リビング学習、親にとってのデメリット

デメリットとしては、プロセスが見えてしまうことで「余計な口出し」をしがちになることが挙げられます。「もっと時間を効率よく使えないの?」「そんな簡単な問題、早く終わらせてしまいなよ」などなど、子供の取り組みがどうしても非効率的に見えて「思わず口出ししてしまった……」ということは、中学受験に臨む子供を持つ親なら誰しも1度や2度経験したことがあるかと思います。

特にモチベーションの保ち方が親子で異なる場合は要注意。たとえば、算数が得意だった親と、算数が苦手な子供がいたとします。問題を解くとき、親から見ると「なんと非効率的な解法!」と思ってしまうような場面でも、子供は苦手な算数をなんとか時間内に終わらせようと悪戦苦闘頑張っている……という状況だったりします。そんなとき、親の視点でだけあれこれと口出ししてしまうと、子供のモチベーションを低下させてしまうことになりかねません。

親の口出しは、以下の2つポイントに絞るのが基本です。

[1]学習開始時

「今日は何分(何時間)勉強する予定?」
「やらないといけないことは何?」
「(曖昧であれば)最初に書き出すとうまくいくよ」

[2]学習終了時

「今日は○○分よく頑張れたね」
「終わらなかった課題はある?」

質問されない限り、学習の内容には踏み込まず「計画の意識づけ」と、「計画していた学習の遂行状況」に特化した声掛けが有効です。

リビング学習、子供にとってのメリット・デメリット

リビング学習によって「子供の学習の効率を上げる」、さらに「子供の学習習慣をつける」という観点からのメリット、デメリットもみておきましょう。

リビング学習、子供にとってのメリット

まず、子供にとって「いつでも質問できる」という点はリビング学習のメリットとして挙げられます。子供から質問があったときは、可能な限り教えたり、一緒に考える、調べるようにしてあげられると学習効果は各段に向上します。

また時間感覚を育てるためにもリビング学習は適しています。中学受験はスピード勝負、普段から時間制限を設けて取り組む習慣をつけておくと、受験本番での強さにつながるのです。時間制限を設けるときは、親が試験監督のように時間管理をしてあげるとよいでしょう。そうしたときもリビング学習であればすぐに親も対応できます。

時間感覚を育てるには、タイマーを使う方法が効果的です。

特に集中力が落ちてきたタイミングで、「次はこの課題を○○分で終わらせようか」と声かけするなど、子供のタイミングを計りながら手を打つとよいと思います。親も学習に参加してくれているという状況は子供のモチベーションを上げますし、時間感覚を育てながら進めると学習のスピードを上げることにもつながります。

リビング学習、子供にとってのデメリット

小学生にとってリビング学習をするデメリットは少ないと考えていますが、場合によっては親から見られることで逆に緊張し、集中できなく

なる子供もいます。それはもしかするとデメリットになり得る要素かもしれません。

そんなときはリビングのレイアウトを工夫し、「勉強中に子供の視界に親が入らない」という環境にしてあげてください。「傍にいるけど、直接見られている感じがしない」絶妙な距離感がリビング学習を効果的に進める秘訣です。

また、自力で学習する「自学力」が育たないというのが、リビング学習のデメリットだという見解もあります。確かに大学受験にもなれば1人で学習をして、自分で時間管理をする自己管理力が求められます。自学力も必要でしょう。

しかし、中学受験の段階では受験生は小学生です。ハイレベルな自己管理力を求めるのは酷ではないでしょうか。自己管理力を育てる前段階としてリビング学習は有効といえます。

リビング学習で対話的な学びにつなげる

「アクティブラーニング」という言葉をご存知でしょうか。簡単に言うと、「受け身ではなく、主体的に取り組むことで学習効果の向上を狙う学習法」のことです。そしてこのアクティブラーニングは、リビング学習に非常に適していると言えます。

「教えてあげる」から「一緒に考える」へ

「お母さん、ここ教えて~」リビング学習をしていると子供からこのように質問を受けることもあるかと思います。答えがすぐにわかる問題だとすぐに解法を教えてしまいたくなりますよね。でもここはぐっと我慢して、「どこまでわかった? どこからわからない?」「教科書(辞書)で調べてみようか」と、子供が自分で理解するための支援に徹するのがよいでしょう。

どこがわからないかを説明する過程で、自分の間違いに気付く子供は意外と多いものです。また自分で調べて自分で理解する力をつけてあげることで、今後の学習の効率も大きく上がっていくことが期待できます。

子供が先生で、親が生徒!?

わからない問題がわかるようになったら、「わかったことを教えてもらえる?」の一言が有効です。つまり子供が先生になり、親が生徒になるということです。

子供は普段親から教えてもらうことの方が多いですから、いざ自分が教えるとなると予想以上に気合いをいれて説明してくれます。また言葉にして説明することで、実は曖昧に理解していた部分が明らかになることも多く、覚えた内容の定着率が上がります。

最初はなかなか的を射た説明にならず時間もかかりますが、時間の許す限り生徒(=聞き役)に徹してあげてください。学習効果はバツグンですよ。

リビング学習、ちょっとした工夫が大きな差に

リビング学習のメリット・デメリットいかがだったでしょうか。いずれも親のちょっとした工夫で学習効果が上がりやすくなるものです。ポイントは継続すること。できる範囲からのスタートで構わないので、日々のなかに少しずつ取り入れていってみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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