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小学校の英語必修化のなぜ? なに? 英語と中学受験の関係を解説

2018年7月12日 花里京子

2020年度から小学校3・4年生のカリキュラムに「外国語活動」として英語が導入され、5・6年生では「教科」として英語が必修になります。「中学への入学後に初めて英語を学んだ」という親御さん世代にとって、「小学校からの英語」は不安を覚えるものなのではないでしょうか。そこで、小学校における英語の授業から、中学受験への影響などを探ってみたいと思います。

なぜいま、小学校で英語必修なのか

小学校で英語が教科になるのは、やはりグローバル化によるものでしょう。3、4年生では「英語に親しむこと」を目標に、5、6年生では「読む」「書く」も重視した必修教科となります。

英語を学ぶのは早ければ早いほどよい?

2017(平成29)年3月、新しい学習指導要領が告示されました。なかでも注目を集めたのが、小学校中学年に「外国語活動」を導入し、高学年には「外国語」が教科として導入されることになったということでした。

訪日外国人の増加に、グローバル化に伴うさまざまな事情、さらに2020年の東京オリンピックなど、日本と外国の距離は縮まるばかりです。そんななか出てきたのが、コミュニケーション・ツールとしての英語。「英語に抵抗感なく親しむにはより早ければ早いほどいい」ということで、2020年度から英語に触れる学年が小学3・4年生まで引き下げられることになったのです。

この英語の早期化には賛否両論があります。「早ければ早いほど抵抗がなく、自然と英語に親しめる」という人もいれば、「やることが多すぎて、何もかもが中途半端になりそう」と懸念する人もいます。2018年現在では、3・4年生への試験的な導入が始まったばかり。「英語を学ぶのは早ければ早いほどいい」のかどうかという結論が出るのは、まだ先になりそうです。

「誰が」「何を」「どう」教えるのか

小学校の英語授業は、基本的には国語や算数など他の教科と同様、学級担任の先生が担当します。3、4年生では週に1、2時間、簡単な単語などについて「聞く」「話す」ことを重視します。5、6年生では、週3時間程度と時間数も増え、中学校への英語学習につながる学習になる予定です。

中学受験と英語

英語が正式に教科になろうとしているいま、英語塾、もしくは英会話スクールに通わせたほうがよいのでしょうか? さらに、中学受験における英語について調べて見ました。

英語塾に通ったほうがよい?

私立の中高一貫校には英語に特化したコースがある学校もあります。筆者はそういった学校の生徒たちにインタビューしたことがあります。

「もともと英語が好きで、小学生の頃から英語の塾に通っていた」というある生徒は、小学校6年生の時に英検準2級を取得したとのこと。ただし、同じ学校の生徒でも、中学から英語を学び始めたという生徒もいました。

肝心なのはお子さんのやる気。小学生のうちから英語に興味をもっているのなら、塾や英会話スクールに通うのも悪くはないでしょう。

中学入試でも英語の試験が始まる?

小学校の英語が教科化されれば、テストでの評価も行われます。ということは、国語・算数・理科・社会と同じように、中学入試の科目にも英語が加わるのでしょうか?

首都圏模試センターによると、2018年度入試において、英語の入試(選択制)を実施した首都圏の学校は112校に及んだとのこと。これは4年前の2014年の15校に比べると格段に増えています。また、英語の試験の内容も、筆記型だけでなく面接やグループワークなどを行わせる学校も出てきたようです。

ただし、そういった学校でもあくまでも英語は選択制。主流は2教科か4教科の試験で、難関校ほど従来の4教科で入試を行う傾向があるようです。とはいえ、小学校への英語導入に関しては過渡期なので、第一志望校だけでなく、受験する可能性のある学校の受験情報はつねにチェックしておきましょう。

私立中高一貫校の英語教育

続いて中学に入学してからのことを見ていきましょう。英語ほど私立の中高一貫校らしさが出る教科はないと思います。英語教育だけを見てもそれぞれ個性的なので、学校選びの参考にしたいところです。

中高一貫校に入学してから本格スタートでも遅くない

小学校の英語必修が決定する前のこと。中高一貫校の先生のなかには「小学生のうちから英語塾に通う必要はない」とおっしゃる方もいました。英語塾に行き、変なクセがついてしまうことを懸念していたようです。また、私立中高一貫校では、小学校から英語塾に通わなくても、中学で十分な英語教育を受けられる設備や環境が整っている学校が多いのも事実です。小学校での必修化が決まった現在、特別に英語に興味がある子以外は、小学校での学習だけでも十分かもしれません。

「英語」で学校を選ぶ

私立中高一貫校の英語教育は、各校それぞれ特色があり、バラエティー豊かです。たとえば習熟度別授業に、英検などの検定試験取得を目標に掲げている学校、ネイティブの先生が多く在籍する学校、1年間の海外留学に行き、帰ってきても元の学年に戻れる学校など……。また使っている教科書にも、その学校の英語に対する姿勢があらわれます。

多くの私立の中高一貫校は、コミュニケーション・ツールとしての英語教育に力を入れています。また2020年の大学入試改革では、英語の4技能を総合的に評価するため、入試に英検やTOEICなど民間の資格・検定試験が導入されるようです。それらを考えると、私立は今後ますます英語教育を充実させていくことと思われます。学校選びの際には、「英語入試試験の有無」「入学後どんな英語教育が受けられるのか」などにも注目してみましょう。

まとめ

小学校の英語必修化は、試験科目として導入する学校が増えるなど、中学入試にも影響を及ぼしています。とはいえ、小学校では「英語に親しむ」→「コミュニケーションとしての英語」を学ぶことに留まります。英語の「読む」「話す」「聞く」「書く」という4技能の本格的な習得は、中学入学後になります。ゆえに、本当に英語を学びたいという子にとっては、学校選びがカギになるといえそうです。

参照元:『小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック/文部科学省』
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2017/07/07/1387503_1.pdf

参照元:『「2020年大学入試改革」に向けた英語教育と入試の変化/首都圏模試センター』
https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/entry/entry000984.php

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

ライター・編集者。中学受験情報関連の雑誌などで取材・執筆を行う。首都圏の中高一貫校を100校以上取材。現在、関心があるのは2020年大学入試改革で、中高一貫校の対策に注目している。

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