学習 理科

太陽と月の南中時刻の求め方と季節変化 それぞれの共通点・相違点は?

2018年7月12日 東荘一

「太陽と月で、南中時刻の求め方(計算方法)は同じですか、違いますか」「太陽と月の南中時刻は、季節によって変わりますか、変わりませんか」と問われたとき、即答できる人は意外と少ないと思います。

「出」「南中」「入り」という単純なテーマながら、太陽と月を比べると共通点・相違点が存在します。さらに、太陽に比べて「月の動き」が複雑である点も、考え方が難しくなる理由として浮き上がってきます。

今回は、天体の中では最も基本に近い部分を解説します。本稿で解説されている内容をお子さんが完全に理解できているか、あとで確認してみてください。

南中時刻の求め方

「日の出」と「月の出」、「太陽の南中」と「月の南中」、「日の入り」と「月の入り」、何が同じで何が異なるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

南中時刻の求め方~「日の出・入り」と「月の出・入り」の定義は異なる

南中時刻を計算で求めるためには、「出」と「入り」の時刻を知る必要があります。計算問題であれば問題文に時刻が表示されているでしょうからいいのですが、太陽と月とでは「出」と「入り」の定義が異なることを知識として知っておきましょう。

太陽の場合は、少しでも太陽が出て日光に照らされていれば昼と考えます。そのため太陽の頂点が地平線と重なった瞬間を「日の出(わずかに出る瞬間)」「日の入り(完全に沈む瞬間)」の時刻と定義します。

一方、月は形が変わるため、頂点と地平線との関係で「出」と「入り」を定義することができません。したがって、月の中心が地平線と重なった瞬間を「月の出」「月の入り」の時刻と定義しています。

南中時刻の求め方~太陽も月も南中時刻の計算方法は同じ

「出入りの時刻」の定義は太陽と月で異なりますが、南中時刻の定義は「『出』と『入り』のちょうど真ん中に位置する時刻」で、月も太陽も同じです。

南中時刻の求め方(計算方法)を、太陽(「日の出」が4時29分、「日の入り」が19時1分)の例で示してみます。

南中時刻は11時45分ということになります。

同様に、「日の出」が7時15分、「南中時刻」が12時32分のときの「日の入り」時刻を問われた場合は、午前と午後の長さが同じことから、次のように計算します。

したがって日の入りの時刻は17時49分となります。

南中時刻の求め方~季節による変化は?

「日の出」と「日の入り」の時刻が季節によって変化することは、経験的に誰もが知っていることです。では、「太陽の南中時刻」は季節で変化するのかしないのか。「月の出」「月の南中」「月の入り」の時刻と季節は関係あるのかないのか。具体的に見て見ましょう。

南中時刻の求め方~季節による変化(太陽の場合)

子供に「太陽の南中時刻は、季節でどのように変わるでしょう? たとえば、夏と冬のどちらが南中時刻は早い?」と問えば、ほぼ半数ずつ

「夏が早い」「冬が早い」に意見が割れます。しかもチームに分かれて討論すると、延々と議論して結論は出ません。「季節によって、太陽の南中時刻は変わらない」という意見は、ほとんど出てきません。

南中時刻とは、昼(「日の出」から「日の入り」まで)のちょうど真ん中です。冬には「日の出」が遅く「日の入り」は早くなって昼が短くなり、夏には「日の出」が早く「日の入り」は遅くなって昼が長くなります。ですが、真ん中の南中時刻は、季節を通じて変わりません。

天体の中で「太陽」が最も簡単だと言える理由も、この点にあります。「日の出」「南中」「日の入り」は、1日24時間、春夏秋冬(季節)を1年365日で繰り返すだけだからです。

南中時刻の求め方~季節による変化(月の場合)

「月」の場合は、「太陽」よりも複雑な要素が加わります。「太陽」も「月」も東から西に移動していくのは「地球」の自転によりますが、その間にも同時に「月」は「地球」のまわりを公転しているからです。

上図で月は地球の自転によって、東から西(図では左から右)に移動しています。月の公転は地球と同じく西から東ですから、図の矢印とは逆方向に向かっていることになります。その分、東から西への移動速度は太陽よりも遅くなるといえます。

月の公転は約30日で1回転(360度)、1日で約12度(360度÷30日)です。つまり翌日の同じ時刻に月を見ると、月の見える位置は約12度だけ東方向(反時計回り)にずれていきます。前日と同じ位置まで戻るためには、さらに約12度だけ東から西に移動する時間を要します。

地球の自転が原因で1日に1回転する月は、約12度だけ移動するために約48分(24時間×60分×(12度÷360度))かかるので、「月の出」「月の南中」「月の入り」の時刻は、毎日約48分ずつ遅れていくということになります。なお、この「月の出」「月の南中」「月の入り」の時刻の変化は、季節とは関係ありません。

まとめ

太陽と月の動きについて、必ず覚えておいてほしいのは以下の点です。

◎ 「日の出」「日の入り」は太陽の頂点、「月の出」「月の入り」は月の中心が地平線と重なった瞬間です。
◎ 太陽も月も、「南中時刻」は「出」と「入り」の真ん中です。
◎ 太陽の「南中時刻」は季節を通じて変わりませんが、月は「出」「南中」「入り」すべて毎日約48分ずつ遅れていきます。

お子さんが完全に理解できているか、しっかり確認しておきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

京都大学工学部、東京大学大学院(工学)、世界最大の外資系コンサルティング会社の共同経営者(パートナー)を経て、教育業務を開始。業界最大手の中学受験塾で、小学3~6年生3000名以上の理科を担当し、習熟度に応じて幅広い学習指導を行いました。学習方法や各テーマの解説をおこなう、小学生向けサイト(偏差値アップの勉強法)を運営しています。以下のリンクからご覧ください。

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