中学受験をする子の偏差値が上がらない! あせる前に確認したい3つのポイント
返ってきた模試の結果を見ると偏差値が全然上がっていない。親はあせり、お子さんはしょんぼり……という光景は中学受験をされる家庭でよく見られます。「もっと勉強しなさい!」という前に、今一度、偏差値とは何か、偏差値を上げるにはどうしたら良いかを考えてみましょう。
Contents
そもそも中学受験における偏差値とは?
偏差値とは、いわばお子さんの「学力のものさし」。模試の受験生全体の中の位置や志望校判定、お子さんの学力の推移を把握するために見る数字で、高い偏差値を取ることだけが目的ではありません。はじめに、この「ものさし」の正体と役割を見直してみましょう。
偏差値50は受験した模試の平均点
お子さんの得点が全体の中でどれぐらいの位置かを示すのが偏差値です。まずは、「模試の平均点=偏差値50」ということを覚えておきましょう。50以上だと真ん中より上、50以下だと真ん中より下の位置となります。
具体的には、偏差値70だと上位から約2%、偏差値60は上位から約16%、偏差値50は上位から50%、偏差値40は上位から約85%の位置にあると考えられます。
(ただしこれは得点の分布が平均的なときの話で、受験者の得点が狭い範囲に集中していたり逆に大きくばらけていたりしている場合はこの限りではありません)
模試によって志望校の偏差値は異なる
大手模試が公開する合格基準は「うちの模試でこれだけとれば、合格可能性は●%」と予測した偏差値です(「50%偏差値」「80%偏差値」などといいますね)。難関中学を目指す学力の高いお子さんが多く受ける模試と、中堅中学を目指すお子さんが多く受ける模試では、合格基準となる偏差値が異なります。たとえば、御三家の開成中学の場合、四谷大塚の偏差値は71ですが、SAPIXでは66だったりします(いずれも合格率80%の偏差値)。
偏差値の役割とは
これまでみてきたとおり、偏差値には
・お子さんの点数が模試受験者全体でどの位置にあるのかを見極める
・志望校に合格する可能性を示す
という役割があります。そして最も重要なのが、お子さんの「学力推移」をはかることです。
同じ塾の模試でも、平均点は毎回変動します。そのため、その平均点の変動の影響を排除できる「偏差値」に注目すると、前回までの結果と比較して推移を見ることができます。次の目標を立ててステップアップするためにも、偏差値の推移を見られるように、同じ塾の模試を継続して受けましょう。
勉強しているのに偏差値が上がらないのはナゼ?
毎日机に向かって勉強しているのに偏差値が上がらないと、「何かやり方が悪いのではないか……」と心配になりますよね。そういうときは、一度立ち止まって偏差値の意味とお子さんの状況を確認してみましょう。
ほかのお子さんも頑張っている
小6になれば偏差値が伸び悩むこともあるでしょう。講習明けのテストで偏差値が上がらないお子さんも多いです。その理由のひとつは「ほかのお子さんも勉強している」から。偏差値は、模試受験者全体の中の位置を示すものです。「うちの子だけ」が上がらないのではなく、「みんなが頑張っているから」上がらなくなるのです。
勉強を「こなす」だけになっているのかも
また、塾の宿題やテストが多すぎて消化しきれていないことも考えられる原因のひとつ。とくに学校行事や係の仕事があるときは要注意です。
・いつもより字が汚い
・自分でやる丸つけがいい加減
・解答例や設問の意図が読み取れていない
これらのケースにあてはまるときは、勉強を「作業」としてやっている可能性が大です。塾の先生に授業の様子を聞いて、宿題量など相談しましょう。
前向きになれるお子さんへの声かけ
一生懸命やっているお子さんほど、偏差値が上がらないときに、自分はもうダメだと思ってしまうものです。そういうときは、「本当だったら何点取れたかな?」と言って結果を一緒に見直してみましょう。ある程度までわかっていてできなかった問題もあるはずです。「本当だったらこれだけ取れたね」「じゃあ次は何に気をつけたらいいかな」と次につなげる声かけが大切です。
偏差値を上げるためにはどうしたらよい?
模試が終わった後には、「解き直し」をさせていますか? 「できなかった」ことの把握や「どうすればできるようになるか」を考えること、間違えた問題から学べるものはたくさんあります。
模試直後の「解き直し」がおすすめ
模試が終わった直後の「解き直し」は模試本番で書いた答えと一致することが多く、「何がわからなかったのか」を明確に把握しやすいです。また、「解き直し」と返却される結果と見比べることで、ケアレスミスの傾向を把握することもできます。模試直後の「解き直し」のポイントは次のとおりです。
■模試直後の「解き直し」のポイント
・解答は問題用紙ではなく、ノートに書き込む
・ノートに書き込むときは、返却された結果と見比べられるように、模試の実施日、問題番号を記入
・終わったらすぐに丸つけ
・記号式の知識問題の場合、記号だけ直して終わりにしない。選択肢の内容も書く
・間違えた問題は、問題用紙に印をつける
・結果と「解き直し」を見比べる
次の模試の前に、間違えた問題をもう一度解き直すと、ケアレスミスや、設問意図の取り違えを防ぐことができます。
中学受験で、偏差値と上手に付き合うには
偏差値は、お子さんの受けた模試における全体の位置と、志望校までの距離、学力推移をはかる、「ものさし」にすぎません。偏差値だけにこだわるのではなく、模試後の「解き直し」を大切にして、ステップアップしていきましょう!
※記事の内容は執筆時点のものです
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