中学受験ノウハウ 中学受験をするかどうか

中学受験をするメリットをあらためて考える

2018年8月06日 中里太一

0

毎年約4万人の小学生が挑む中学受験。地元の公立中学校に通うという選択肢もあるなか、中学受験に挑むメリットや、その道を選ぶ理由にはどのようなものがあるのでしょうか。中学受験のメリットをまとめました。

中学受験のメリット1 ― さまざまな「力」が身につく、子供の興味関心と適正がわかる

中学受験では、小学校で学ぶ範囲を超えた内容を学習します。したがって、子供たちは受験勉強を通して、より深い知識と思考力を身につけなければなりません。

たとえば理科の場合、単純に植物の名前を覚えるだけでなく、イラストや写真を通じて形を覚えたり、仕組みを覚えたりしなければ、入試問題に太刀打ちできません。算数も同様で、テクニックだけで解ける入試問題もありますが、計算の工夫をしなければ、時間内に正解にたどりつけない問題が出題されます。

このように、中学受験に挑む子供たちは、入試に向けた受験勉強を通して、さまざまな「力」を身につけていくことになります。

本番に向けて苦手科目を克服したり、間違いやすい箇所を発見したり、自分自身と向き合うことも求められますから、粘り強く取り組む力も必要です。

これら、受験勉強によって得られるさまざまな「力」そのものにメリットがありますし、保護者としては、日々の学習の過程で、子供の興味関心や適性を知ることができるのも大きなメリットなのです。

中学受験のメリット2 ― 長期にわたって一貫した、レベルの高い指導を受けられる

これは私立の中高一貫校で顕著なメリットになります。私立の中学校の場合、公立の中学校と比べて、先生の異動が少ないものです。学校によっては、担任や担当の先生が中高6年間変わらないこともあるほどです。

先生の異動が少なく、子供の成長を長期にわたって見てもらえるというのは私立中学校の大きなメリットでしょう。もちろん、環境に合わなかった場合のリスクはありますが、基本的には一貫した指導で授業を受けられる恩恵は大きいといえます。

また、中学受験を経て入学してくるのですから、私立中学校・公立中高一貫校の生徒は、実力がある一定のレベルに達しています。私立中学校・公立中高一貫校の先生たちは、そういった生徒のレベルに合わせた指導法・ノウハウを年々積み重ねています。つまり年々レベルの上がる先生の授業を中高の6年間一貫して受けることができるわけです。

中学受験のメリット3 ― 施設・設備が整っている

公立の中学校でも、タブレット端末の導入やデジタル機器の充実が図られていますが、まだまだ私立中学校や公立中高一貫校には及ばないのが現状でしょう。

たとえば、全生徒へのタブレット端末の配付などは、すでに多くの私立中学校で行われていますし、授業・課題提出・先生とのコミュニケーションにもITを活用するというのも珍しいことではなくなりつつあります。

図書館も公立中学校の図書館とは比べものにならないほどの蔵書数がありますし、ネイティブの先生と英会話でコミュニケーションが取るためのラウンジが設置されている学校もあります。

施設・設備が整っているというのは、学習関連に限った話ではなく、運動施設も同様です。体育館に電光掲示板が設置されている私立中学校や、専用のトレーニングルームがある私立中学校もあります。公立中学校の場合、野球部とサッカーが同時にボールを使った活動日を設けるのが難しいような学校も多いですが、私立中学校の場合、サッカー、野球、陸上で、それぞれ別のグラウンドがある学校もあるほどです。

中学受験のメリット4 ― さまざまな体験の機会が多い

現状は「希望者のみ」という学校も多いですが、私立中学校・公立中高一貫校では海外留学や語学研修についての制度やバックアップ体制が充実している傾向にあります。ほかにもキャリア教育の一環として、企業とコラボレーションして、企画や製品開発、起業を計画する授業を行う学校もあります。

こういった課外授業も、私立中学校・公立中高一貫校は、公立中学校より大きなアドバンテージがあります。

中学受験のメリット5 ― 女子は中学受験の方が高校進学時より選べる学校が多い

中高一貫の男子校には、高校進学時にも生徒募集をしている学校が相当数あります。しかし、高校進学時に生徒募集をする中高一貫の女子校は少ないのが現状です。ですから女子の場合、中学受験のほうが選択肢の幅が広いといえます。

さらに、女子校はキャリア教育に力を入れている学校が多いため、将来子供がやりたい仕事、子供のスキルに合った方向性を学校も一生懸命考えてくれるという期待が持てます。

中学受験のメリット6 ― 先輩や先生との「つながり」

中高一貫校では、中学生のうちから高校生と合同で部活や文化祭・運動会をする学校があります。お手本となる先輩や尊敬できる先輩を見つけやすのは大きなメリットでしょう。身近に高校生がいることで、3年先・5年先の姿もイメージしやすくなります。

また、公立中学校の場合、先生の異動があるため、卒業後に学校に行ったら知っている先生が一人もいなかった……ということがあります。しかし、私立中学校の場合は、異動が少ないので卒業後に恩師に近況報告や相談に行くこともしやすいです。

このように先生・生徒同士の「つながり」が強い点は、中高一貫校のメリットといえるでしょう。

中学受験のメリット7 ― 大学受験に有利

中高一貫校では多くの場合、高2までに高3のカリキュラムを消化します。そもそも中高一貫校ですから、高校受験のための勉強をする必要もないため、大学受験に向けた学習に時間を割くことができます。志望大学別の対策コースを設ける学校もあるため、大学受験においても有利に働く面があるといえるでしょう。

また、大学附属の中高一貫校であれば、いわゆるエスカレーター式で大学に進学できるケースもあります。大学進学までの見通しが立っていれば、中学生の時点で受験から解放され、自身の関心や興味に基づいたさまざまな活動をすることができるでしょう。

まとめ

このように、中学受験をすること、そして志望の学校に進学することにはさまざまなメリットがあります。合格までには多くの苦労がありますが、それを乗り越えたときの成果を目指して受験までの道のりを乗り切ってください!

※記事の内容は執筆時点のものです

0