中学受験ノウハウ 模試

日能研模試とは? データの読み方と活用法を解説

2018年10月17日 高山裕行

志望校が自分の力に合っているのかどうか、それを確認し、受験に臨む決意を新たにするために必要なのが、中学受験模試です。ここでは、多くの模試の中でもトップクラスの受験者数を誇る日能研の公開模試を取り上げ、その活用法について紹介します。

日能研模試の概要

日能研模試は、正式には「日能研 全国公開模試」といい、「実力判定テスト」「志望校選定テスト」「志望校判定テスト」「合格判定テスト」 の4段階に分けて、小学4年生から6年生までに実施されます。

中学受験を控えた小学6年生が対象のテストは、上記4種類の他に、「合格力実践テスト」「合格力完成テスト・ファイナル256」を含めて6種類のテスト群があります。

「日能研 全国公開模試」(以下「日能研模試」)の特色は、首都圏3大模試(「日能研模試」、四谷大塚の「合不合判定テスト」、首都圏模試センターの「統一合判」 )のなかで、テストの採点処理、各種データの公開が速いことにあります。

実施回やテストの種類にもよりますが、会員の場合、最短で翌日に個人の処理データがWeb上にアップされ、閲覧することが可能です。さらに、テスト終了後に送付される「採点結果」などのデータも膨大かつ緻密で、受験校決定の重要な判断資料となります。

日能研模試の成績データ

先に述べたとおり、日能研模試を受けるとさまざまなデータが得られます。どんなデータが提供されるのかを簡単に見ていきましょう。まず、すべてのテストに共通するのは、次の4種類です。

1:設問ごとの正誤情報
2:採点結果(答案画像データ)
3:解説・解答
4:基本成績情報(いわゆる成績表)

これらのほかに、テスト毎にその趣旨に合わせた成績表が提供されます。注意すべきは、偏差値の出ないテストがあることです。

「合格力実践テスト」は偏差値の代わりに設問ごとの詳細な正誤情報が提供されるとともに、合格答案例が示され自分がどの点を重点的に学習すべきかがよく分かります。出題分野別に3回に分けて実施される「合格力完成テスト・ファイナル256」も同様に偏差値は出されません。

また、「合格判定テスト」は6年生の9月以降に実施され、併願作戦情報が提供されます。もちろん、そこで重視されるのは偏差値です。

成績データを読む

これらの資料・データは、ただ漫然と見るだけでは意味がありません。それをどのように読めばいいかをおさえておくことが必要です。

テスト結果の詳細なデータと分析が日能研模試の強みです。わたしたち保護者に求められるのは、与えられるデータから、入試に立ち向かう子供たちに何らかの指針を与えることではないでしょうか。そこで重要な目安となるのが、「偏差値」です。

偏差値とは、受験した人たちのなかで自分がどのくらいの位置にいるかを示す数値です。例えば、国語・算数・社会・理科の4教科を受験し、それぞれの得点がすべて同じ80点だったと仮定しましょう。点数だけでは、どの教科も同じ実力のように見えますね。しかし、偏差値がすべて同じとは限りません。国・算・社・理の偏差値が60・40・70・50だったらどうでしょうか。

偏差値は全体の平均を50として計算します。受験生の平均、つまりちょうど真ん中付近に位置するのが偏差値50となります。ですから偏差値では、自分が平均からどれくらい離れたところにいるかが一目瞭然なのです。

先の例で見ると、国語と社会は平均よりかなり良く、理科は平均並み、算数は平均より低いということが分かります。したがって、これから重点的に力を入れて学習しなければならないのは、算数ということになります。

偏差値から得られた情報をもとに、算数のどこでつまずいているのかを「設問ごとの正誤情報」や「採点結果」から見つけ出し、特にほかの受験生が正解しているのに自分は間違っているところを直していく……。偏差値を含む成績データはこういったところで活かすことができるのです。ここでは算数を例に出しましたが、ほかの教科にも同じことが言えます。

日能研模試を合格に向けて活用する

最後に、受験生として避けて通れない受験校決定に際して、提供されるデータを活用する方法についてご説明しましょう。

日能研模試のテストでは「合格判定テスト」が重要な資料となります。「合格判定テスト」に限りませんが、日能研の資料でよく使われるのが「R4・R3・R2」という表記です。
Rとは「Range」の略で偏差値による合格率の段階を示し、R4は合格可能性80%、R3は50%、R2は20%を意味しています。

毎年の入試結果を基にした「結果R4」と来年の入試を予想する「予想R4」があり、「結果R4一覧」が4月の模試で、「予想R4一覧」が6月以降の模試で受験者全員に配布されます。この一覧表で、自分の志望校がどのランクにあるかをチェックして、受験校を絞り込んでいくことになります。

自分の偏差値で見て第1志望の学校がR3のレンジにあれば、R2の学校から挑戦校(合格可能性20%)を、R4の学校から滑り止めの学校(合格可能性80%)を選ぶという風に用います。実際には、R2からの合格者もあれば、R4でも不合格ということがあり得るので、あくまでも目安として用いるのがいいでしょう。

おわりに

「日能研全国公開模試」の豊富なデータについて、弱点補強などの学習面と、入試における志望校決めの2点から活用法を見てきました。ただ単にテストの得点を見るだけでなく、偏差値が重要なことをおわかりいただけたのではないでしょうか。受験までの日々を有効に過ごすためにも、模試の結果をしっかり読み込むようにしたいものです。

※記事の内容は執筆時点のものです

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