中学受験ノウハウ 中学受験をするかどうか

共働き世帯の中学受験は可能? 働く親が実践したいサポートや心構えとは

2019年3月26日 小林悠樹

総務省がおこなった「就業構造基本調査」によると、平成24年の調査では子育て家庭の共働き率が52.4%、平成29年では67%と、ここ数年で10ポイント以上も上昇したことがわかりました。

共働き世帯が過半数を占めるなか、「共働き世帯の中学受験」は決して珍しいことではありません。今回は、共働き世帯が中学受験にチャレンジするときに気をつけたいポイントを紹介します。

出典:「平成24年就業構造基本調査」「平成29年就業構造基本調査」(総務省統計局)

共働き世帯の中学受験でネックになる3つの問題

共働き世帯の中学受験は一般的になりつつありますが、専業主婦(主夫)がいる家庭より大変なことも事実。とくに共働き世帯の中学受験でネックになるのが「スケジュール管理」「お弁当」「お迎え」の3大問題です。

小学校の授業が終わってから塾の時間までをどうするか

小学校の授業が終わるのは、だいたい15時前後。共働き世帯では、小学校が終わってから塾がはじまるまでの時間を子供がどのように過ごすかが問題になります。

安全面や子供の性格にも配慮しながら最善の方法を考える必要があり、親戚の家に一時的に預ける、家で宿題をさせるなど、家庭によって対応はさまざまです。このほか、塾の授業前に自習室で予習・復習をさせるのもいいでしょう。また、子供が塾の授業についていけなかったり、講師に質問がしにくかったりする場合は、塾が始まるまでの「つなぎ」として個別指導塾で補習を受けさせるのもおすすめ。

多くの個別指導塾は生徒一人ひとりの都合のいい時間に合わせて指導をしてくれます。また、塾のカリキュラムに合わせてフォローしてくれるところも多いので、勉強の理解を深めることもできます。

夕方からの塾にお弁当を持たせないといけない

塾によっては、授業の合間に夕食の時間が設けられています。そこで問題になるのが、いわゆる「塾弁」と呼ばれるお弁当づくり。忙しい共働き世帯にとっては頭の痛い問題です。

とくに6年生になると受験勉強が大詰めとなり、塾に行く回数が増えるため、お弁当をつくらないといけない日が多くなります。

そこで、簡単に調理ができるもの(冷凍食品やお惣菜)をうまく活用することや、子供にお金を渡してコンビニ弁当を買わせることを検討してみましょう。自立心を育むために、子供にお弁当の作り方を教えてあげるのもおすすめです。

塾が終わったあとのお迎えも大変

塾が終わったあとの子供のお迎えに苦労する方も少なくなりません。仕事から疲れて帰ってきて、たまっている家事を片付け、やっと一息ついたところで子供のお迎えに……。自宅から近い場所に塾があれば、子供ひとりで歩いて帰ってこさせることができますが、「夜に子供をひとりで歩かせるのは不安」という声も多いです。

そこで、できるだけ家から近い塾を選ぶ、帰り道が同じ友達と一緒に帰ってこさせるなど、塾を選ぶ段階で送り迎えのことを考える必要があります。

また、塾が遠くて不安というご家庭におすすめなのが、子供向けタクシー。日本交通の「キッズタクシー」や、日の丸交通、東宝タクシーの「子育てタクシー」は、習い事を終えた子供のお迎えをおこなってくれます。

共働きの親が実践したい中学受験のサポートと心構え

片働き世帯とくらべ共働き世帯の中学受験は制約が多く、苦労が絶えないことと思います。しかし、共働きの親だからこそできることはもちろんあります。共働きの親が実践したいサポートや心構えを説明します。

両親が働いているからこそ子供の自主性を育てやすい

お父さんとお母さんが毎日一生懸命働いている姿を、子供は必ず見ています。そのため「自分も頑張ろう!」「ひとりでやってみよう!」という気持ちが芽生えることも多いです。

中学受験は親が子供をサポートして勉強させることが大切ですが、一番大事なのは子供自身が前向きに努力できること。片働きの家庭よりも子供と接する時間は短いかもしれませんが、適度な距離感が、むしろ子供が自立心を育むうえで大事なことだったりします。

子供の自立心を育てるために、「勉強しなさい」「もう寝なさい」と干渉したくなる気持ちをぐっとおさえ、子供に任せてみることも大切です。

人に頼ることも大切。親がすべて抱え込まなくて大丈夫

共働きの家庭はとにかく多忙です。それにくわえて中学受験となれば、勉強の面倒、塾のプリント整理、送迎、お弁当づくりなど、いろいろなことを並行して行わなければいけません。このとき「親である自分がすべてやらないと……」と思うと、肉体的・精神的に受験がつらいものになってしまいます。

そうならないために、塾の先生とこまめに面談したり、親戚に送迎の手伝いをしてもらったり、家事代行サービスを頼んだりと、「人に頼る」ことも大切です。その分、子供と向き合える時間を増やして、心のサポートをしてあげましょう。

中学受験の醍醐味は子供の成長を実感できること

両親が働いていても子供に中学受験をさせることは十分に可能です。「共働きだからできない」と悩むのではなく、「共働きだからこそできること」をよく考え、親子で受験に臨みましょう。

片働きの家庭よりも子供と接する時間は短いですが、子供にとってはいい距離感を保てるので、それが逆によかったりする場合もあります。

受験の合否はもちろん大切ですが、中学受験の一番の醍醐味は「子供の内面的な成長」を肌で感じられる点です。子供の可能性を信じ、サポートできる最大限のことをしてあげましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

宮古島在住のフリーライター。1988年神奈川県生まれ。一橋大学卒業後、食品メーカーに勤務。結婚と妻の出産を機に、宮古島へ移住。宮古島で校正・執筆業に営む。学習教材の校正や、宮古島の観光情報誌・ウェブサイトなどで執筆。

合わせて読みたい