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公立中高一貫校受検の文系対策とは ―― 親ができること[基本編]

2019年5月13日 城戸彩奈

公立中高一貫校の入学試験は「適性検査」といい、小学校の教科書範囲から出題されます。私立中学受験とは別物です。では、公立中高一貫校を目指すにあたって、まずは何から始めたらいいのか。親のできること、手伝えることは何か。文系科目の基本的な対策から紹介します。

さまざまな文章に慣れさせる

公立中高一貫校の「適性検査」はさまざまな出題スタイルがあり、

・国語的な要素の文章+社会的要素の資料

・国語的な要素の文章+その文章を読んだ子どもたちのディスカッション

・2つまたは3つ以上の文章作品で構成されたもの

などが挙げられます。

受検する公立中高一貫校の過去問をチェックして「物語・説明文・随筆・資料・ディスカッション」と、どんなスタイルの文章が試験で出題されても対応可能な読解力を養うために、さまざまな文章スタイルを読み取る訓練をさせましょう。

読解力を高めるには音読から

子どもの読解力を高めるためには、音読を聞いてあげることです。短い文章から音読を始めるのがいいでしょう。そこでわからない言葉や、つまずいた箇所を質問し、答えてあげましょう。

辞書で一緒に調べたり、具体的なエピソードを交えて説明したり、このやりとりが語彙力をアップさせます。語彙力は読解力のもととなるものです。

短い文章の音読に慣れたら長いものにも挑戦していきます。ゆっくりでかまいません。丁寧に読み取ること。これが文系対策の最初の対策です。

ところで、私は読むのが遅い生徒には、「ゆっくり丁寧に読んで」と伝えていました。筋トレと同じで、はじめは重くて持ち上げられなかったものも、やり続けることで軽々と持ち上げることができます。文章も次第にはやく読むことができます。読むのが遅い子供に「もっと早く読むように」と注意しても、読解が雑になるだけで逆効果です。

記述問題に取り組ませる

公立中高一貫校の試験は小学校のテストと異なり、記号問題が少ないです。記述で解答することが多いので、記述問題に慣れさせていきましょう。

たとえば、

「筆者はなぜ、このように思ったのですか。説明しましょう」

「この資料からわかることを書きましょう」

というもので、大きな解答枠で出題されます。

記述問題は書けば書くほど記述力が伸びていきます。しかし、なかなか書かけずに、怖いという子もいます。

ヒントを与え、とにかく書かせることが大事

最初はヒントを与えてください。該当する文に線を引いて「ここをまとめてみよう」と教えたり、答えの表現のしかたを教えてあげたり、誘導していきましょう。難しければ、いっそ答えを写させてもいいです。

資料問題は一緒にチェックしていきましょう。「この棒グラフはここが一番大きいけど、ここが一番小さいね」という具合に分析しあってください。

子どもは何のどこを見れば良いのかわかりません。資料問題で着目すべきポイントを一緒に見て、解いていくのがおすすめです。

こういったやり取りを親とすることで、記述への抵抗がなくなり、どんどん書いていくことができます。はじめは、文章に書いてある言葉をほぼ抜き出していたものが、自分の言葉でまとめられるようになります。

作文をたくさん書かせる

公立中高一貫校の適性検査では作文の配点比重が大きいです。どんな出題テーマでも書けるように引き出しを多くし、表現の幅を広げることが必要です。

作文の出題内容は、

「この文章を読んで、自分が主人公ならどういう行動をしますか。またその理由を答えなさい」

「中学でがんばりたいことを書きましょう」

など、学校と年度によりさまざまです。

字数も100~140字や、160~200字など異なります。受検する試験の過去問をチェックして、どういう出題傾向かを見ておきましょう。

指定字数が短いほど、いいたいことをまとめるのが難しくなります。何をいうべきか、簡潔にまとめる訓練を積んでおきたいものです。

書くのに困っていたらどういうことを書けばいいのかを、具体的にアドバイスし、どんなことが考えられるかを聞きましょう。その会話から子供の思考が広がります。

また、くれぐれもしてほしくないことがあります。子どもの書いた作文について、「この書き方は変!」とか「字が下手!」など厳しいことはいわないでください。作文を書く気がなくなってしまいます。

作文が書けていたらとにかく褒めてください。「字数いっぱいまで書けたね!」とか、「よくこの漢字が書けたね!」と何でもかまいません。まずは作文を書きたいというモチベーション高めてあげてください。

公立中高一貫校の適性検査対策のカギは記述にあり

公立中高一貫校受検の文系対策は親のできることはたくさんあります。しかも、読解力や表現力といったベースにもなるところなので、極めて重要です。文系のみならず、理系でも記述で答えるものは増えていますし、今後の小論文でも活きる力です。

この公立中高一貫校受検問題を通して、一緒に問題を解いたり、わからないところの質問に答えたり、会話を繰り広げることで語彙力や読解力、表現力が上がっていきます。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

学習塾では公立中高一貫校の受験対策クラスを担当。国語・社会が専門。公立中高一貫校の適性検査を通過させるために、作文の苦手意識を解消し表現力UPにつなげてきました。「がんばる子どもたちを全力でサポート」がモットー。

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