連載 中学受験との向き合い方

試験前夜・当日も「いつも通り」に。入試直前期の過ごし方 ―― 中学受験との向き合い方

専門家・プロ
2019年7月10日 やまかわ

首都圏の一部では、4人に1人の小学生が挑戦するともいわれる中学受験。子供の受験に親はどう向き合えばよいのでしょうか。この連載では、『中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由』の著者である、田中純先生に中学受験との向き合い方をテーマにさまざまな話を伺います。

前回は、受験勉強時の睡眠について解説しました。今回は受験直前の過ごし方について田中先生に伺います。

試験前日もこれまで通りに勉強を続ける

試験前日になると「これまで頑張ってきたわが子を今日だけはゆっくりさせてあげたい」という思いで、「今日は勉強しなくてもいいよ」と声をかける親御さんもいます。しかし、試験前日であっても、これまで通り勉強は続けることをおすすめします。

1日まるまる頭を休ませてしまうよりも、算数・国語・理科・社会、それぞれの科目に少しでもいいから触れておく。そのほうが試験本番時のコンディションもよいでしょう。気持ちの面でも「やるだけのことはちゃんとやった!」と腹をくくれるはずです。もちろん、ベストな状態で試験に臨むことがなによりも大切ですから、あまり頑張り過ぎず、あくまで普段通りの1日を過ごすように努めてほしいと思います。

当日の準備は、早めに終わらせておく

試験当日は、朝起きる時間やアクセスルートがいつもと違います。通勤ラッシュの電車に不慣れな受験生も多いでしょう。そのためにも、受験会場に向かう際に使う沿線の混雑具合は、実際に同じ時間帯に親子で乗車して予習することをおすすめします。予習は直前ではなく、年内がよいですね。「当日の朝はこんな感じの混み具合なのかぁ」と事前に知っておくことは、当日の過度な緊張をちょっとだけ和らげることにつながります。

当日の朝のタイムスケジュールはあらかじめ紙に書き出して、壁に貼っておくと安心です。

「朝は6時に起きて、6時半にご飯を食べて、7時10分に家を出て……」と頭のなかだけで考えるのは、かなり脳を使います。「遅刻したらどうしよう!?」と不安になることもあるでしょうし、「気になって何度も思い返しててしまう……」といったこともあると思います。

こういった状態の脳の作業領域を、「机の上の面積」に例えるなら、机の上にA4サイズのタイムスケジュール表が常に置いてあるような状態です。スケジュール表の面積分、脳の作業領域を占めてしまうのはもったいないことです。

ですから、できれば机上ではなく、壁に貼りましょう。実際に紙に書いてあれば、チラッと見るだけで段取りがわかりますし、「この時間通りに行けば大丈夫だよね?」と親子で互いに確認し合うこともできます。

当日の服装や持ち物も早めに準備しておきましょう。これを後回しにして、試験前夜に取り組むことになってしまうと厄介です。こういった作業はある種の集中力や体力が必要です。慌てて準備するのは、当日に疲れを残すことにもつながりかねません。

試験前夜のリラックス

試験前日は、「まったく問題が解けなかったらどうしよう」「時間切れになったらどうしよう」という不安で頭がいっぱいになってしまうお子さんもいます。こういったネガティブな考えは、勉強で覚えたことを本番で思い出せなくなる原因にもなりかねません。


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田中純
田中純 専門家・プロ

開成中学校・高等学校、国際基督教大学(ICU)教養学部教育学科卒業。神経研究所付属晴和病院、中高教諭、学校カウンセラーを経て公文国際学園開講準備に参加。現在は赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所などでカウンセリングやコンサルテーションを行っている。「一家にひとり、一課にひとりのコミュニティ・カウンセラー」を育てることを目標としている。著書「ストレスに負けない家族をつくる」「中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由」(みくに出版)

この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。