学習

中学受験の理科・社会に役立つ!自分だけのオリジナル参考書のつくり方

2019年8月20日 市川 いずみ

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中学受験を目指す子は、6年生の夏休み前にすべての単元の勉強が終了します。しかし、今まで習ったからといって、抜けていることや苦手な分野、聞いたことがあるけれど忘れてしまった……など、もう一度覚えるべきことはたくさんあります。とくに、入試で細かい知識が問われる理科・社会は、いかに抜け漏れを防ぐことができるかが大切です。

そこでおすすめなのが、「自分だけのオリジナル参考書」をつくることです。今回は、娘の中学受験勉強でわが家が実践している、オリジナル参考書のつくり方を紹介します。

オリジナル参考書をつくり始めるのは、5年生から

塾に通い始める4年生は全般的にサラッとした学習で、本格的な学習は5年生からとなります。6年生までに短期講習なども含めて内容を掘り下げながら既習単元を繰り返し復習していきます。

入試までに子供はたくさんの問題を解くわけですが、忘れてしまったり、記憶があいまいだったり、まだよく把握していなかったりする部分は多くあります。過去のテキストを探し出したり、参考書で調べ直したりするのも、結構大変で、効率も悪いんですよね。そこで、オリジナル参考書、いわゆる「まとめノート」の出番です。

オリジナル参考書は、5年生からつくり始めるのがおすすめです。5年生は、中学受験のベースとなる学習内容が充実しているので、オリジナル参考書を何回も見直すことで基礎の定着が図れるからです。また、5年生になると一気に学習量が増え、勉強内容も細かくなるので、知識の抜け漏れを防ぐ意味でも5年生からつくり始めるのがベストといえます。

オリジナル参考書のつくり方

わが家がオリジナル参考書をつくろうと思ったきっかけは、塾で歴史の授業が始まったからです。娘は新しい知識を毎週習って帰ってきましたが、塾の歴史のテキストが文字ばかりで、読みにくそうでした。読みものとしてはよいのですが、インパクトにかけて、視覚的な覚えにくさを感じていたんですね。また、資料集や参考書を使ってわからない単語を調べても、すぐに忘れてしまうことが続きました。

そこで取り組んだのが、オリジナル参考書づくりです。つくり方は、以下の通りです。

・塾のテキストをコピーしてルーズリーフに貼り、ファイリングする
・資料集などで、参考になる箇所をコピーして貼る
・塾の問題やテスト、模試で間違えた問題、抜けていた知識を書き込んでいく

また、覚えやすくするために、いくつか工夫しています。

・蛍光ペンで重要な箇所をチェックする
・解説を書き込む
・比較表やグラフを盛り込む
・手書きで挿絵を描く

ちなみに、わたしの経験上、ノートよりもルーズリーフを使うのがおすすめです。コピーを貼っていくのでかなり厚みがでることや、ページの追加がしやすいからです。

歴史のインプットには、『中学入試くらべてわかるできる子図鑑社会』がおすすめ

視覚的にインプットすると、理解が進むことがありますよね。娘は、江戸時代以降の歴史を苦手としていたので、『中学入試くらべてわかるできる子図鑑社会』を利用して、オリジナル参考書をつくっていました。イラストや図版が豊富で、文化の違いや、戦前・戦後の流れがわかりやすい1冊です。

インデックスシールで単元ごとに整理

理科は、「生物・化学・物理・地学」ごとにファイルを分け、細かい単元はインデックスシールで探しやすくしています。

理科の計算問題は、例題をファイリングしておくと非常に役立ちます。わが家では、『中学入試理科塾技100』を利用し、塾のテキストと併用してまとめました。

オリジナル参考書をつくるメリット

オリジナル参考書をつくって役立ったのは、以下の点です。

・知識を思い出しやすい(ルーズリーフのあの場所に書いてあった、何色で書いてあった、歴史の並び順がこうだった)
・テストで間違えた問題の復習ができる
・塾の先生が言っていたポイントを思い出せる
・替え歌や語呂合わせといった覚え方をまとめて確認できる
・書きこんできたことが自分の自信や財産になる

つくり始めた当初は、とてつもなく膨大な量に思えましたが、この全てが入試に直結する内容だと考えると、つくって正解だったと思っています。

ちなみにわが家は、塾のテキストをベースに、コピーしたものをルーズリーフに貼り、書き込んでいく方式でオリジナル参考書をつくってきました。すべてノートに手書きをすると、はじめはよくても段々と情報量が増えてしまい、やりきれなくなってしまうからです。

もっと効率的につくるために、『メモリーチェックシリーズ』を使う方法もあります。要点がまとまった『メモリーチェックシリーズ』のテキストに、付箋を貼って情報を追加していくだけなので、効率よく作成できます。

 

オリジナル参考書は、努力の結晶

オリジナル参考書は、かなりのページ数になるので、親も一緒につくることになるでしょう。一方で、子供自身が手書きをしたり、書き込みをしたりすることで、頭の整理ができていきます。

そして、オリジナル参考書は、子供自身が今まで積み重ねてきた努力の結晶です。娘は、「入試が終わってもこれだけは捨てない」と言っていました。「ここまで頑張った!」という自信は、きっと子供が入試本番を乗り切る力に変わるはずです。

※記事の内容は執筆時点のものです

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