中学受験ノウハウ 出願から入試本番まで

何があってもあわてない! 本番の入試前後で親が持ちたい心構え

専門家・プロ
2021年1月12日 吉崎 正明

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いよいよ、中学入試本番の時期となりました。本番の入試前後、親は子供に対しどのように接し、どのような心構えを持つべきなのでしょうか。注意点も含め解説します。

入試直前に意識したい接し方

入試直前の子供のモチベーションやメンタルは、親の接し方によって左右されます。わが子を前向きな気持ちにさせるためには、次のふたつの接し方が欠かせません。

・ネガティブな言葉は、ポジティブに
・子供の前ではリラックスした姿を見せる

ネガティブな言葉は、ポジティブに

本番の入試直前は、子供に対してネガティブな発言をしないように特に注意しましょう。「お母さん、この調子だと受かるか心配だな……」といった言葉を子供に投げてしまいそうなときは、「今からでもできることを一緒に探してみようね」など、できるだけポジティブな言葉に変換してみてください。入試前、子供を不安な気持ちにさせるのは禁物です。親の本音ではなく、まずは前向きな言葉をかけてあげることを一番に考えましょう。

子供の前ではリラックスした姿を見せる

入試直前の子供の前では、リラックスしているように見せることも大切です。親としての不安な気持ちはそっと隠し、可能な限り明るく振る舞えると良いですね。どんなときも親が平然とした姿でいると、子供は心強く感じるものです。一方で、親も入試期間中は疲れがたまり、わかっていても感情を抑えきれなくなることがあるかもしれません。こうした場合は、塾の先生に話を聞いてもらうなど、気持ちをリフレッシュできる機会をつくることも意識してみてください。

親が持っておきたい心構え

中学入試には、子供を成長させる要素がたくさん詰まっています。もちろん第一志望校合格は大事な目標ではありますが、「人生のゴール」ではありません。たとえ第一志望校に進めなかったとしても、「この学校でよかった」と思えれば、それは受験成功といえるのです。そして子供が「受験をして良かった」と思えるかどうかは、入試前後の親の心構えが大切です。

一緒に臨む姿勢を見せ続ける

中学入試に挑む子供は、頼もしく見えるものです。しかし中身は、11歳や12歳の小学生。長い時間をかけて準備してきた中学受験であっても、入試本番を前にすると不安な気持ちがどうしても出てきます。親はこうした不安な気持ちを汲み取り、「何があっても、お父さんとお母さんが最後まで一緒に受験に臨むからね」といった姿勢を子供に見せ続けてあげてください。「ぼく、わたしは一人じゃない」と思わせることは、受験期の子供に本当に勇気を与えます。場合によっては中学入試を親子で楽しむくらいの心構えでいたほうが、肩の力も抜け、子供も力を出しやすくなることがありますよ。

結果に関わらず、子供の頑張りを認める

どんな結果になろうとも、まずは子供の頑張りを認めてあげることも大切です。中学入試では併願校を受け続けるケースも多いですが、こうした併願校のどれかに受かり、第一志望校には届かった場合でも、子供のこれまでの努力を真っ先に褒めてあげてください。受験校がまだ控えている場合には、目の前の入試に子供が前向きに臨めるような声がけも親の大事な役割です。どのような結果になっても、親があわてないこと。結果を冷静に、そしてポジティブに受け止め、子供が次を見据えて行動できる働きかけをし続けてあげてください。

そして入試がすべて終わり、第一志望校以外の学校に進学することになったとしても、「勉強を頑張ってきた」という事実に変わりはありません。さまざまな経験をし、子供が成長できた中学受験に対し、「わが子の人生の大切な通過点になった」というスタンスも持てると良いですね。

今こそ、子供に安心感を

中学入試を「成功」で終わらせるためには、入試直前の不安なときであっても、親が前向きな気持ちで子供に接することが欠かせません。あわてないこと、リラックスしているように振る舞うこと、そして「受験に一緒に臨んでいる」という姿勢を見せること ――。今こそ、安心感を子供に与え続けてあげてください。入試本番で子供が力を発揮し、努力が報われる結果が訪れることを願っています。

※記事の内容は執筆時点のものです

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