中学受験ノウハウ 過去問

過去問を解くときに意識したいことと効果的な活用法

2019年9月03日 吉崎 正明

6年生の2学期になると、いよいよ過去問がスタートします。過去問演習は、受験生のモチベーションが上がる勉強です。しかし過去問は、ただ解くだけでは力はつきません。今回は、過去問を解くときに知っておきたい、過去問の効果的な活用法を紹介します。

過去問をただ解くだけでは、力はつかない

過去問演習は、志望校に合格するため、合格に近づくためにおこないます。過去問には、以下のような役割があります。

・志望校の難易度や、出題傾向を知る
・復習を含め、「やり切った」という自信をつける
・分析資料として、塾講師と現状を把握し今後に活かす
・時間配分や、解答欄に空欄をつくらないことなどを学ぶ
・弱点を洗い出す

過去問をただ解くだけでは、志望校に合格しやすくなったり、成績が上がったりすることはありません。たとえば、過去問をおこなうと「合格者最低点」を意識しがちですが、それよりも、今後どのように活かすか考えることが重要です。「過去問でわかった弱点」をどのように克服するかを考え、過去問を解くだけでなく、過去問でどのように実力を上げていくか考えましょう。

過去問は、解き直しが大切

「解き直し」とは、「間違えた問題をもう一度解き、理解すること」です。過去問を解いた時間と同じくらい、解き直しにも十分な時間をとりましょう。次の年度や別の学校の過去問を解くより、解いた過去問の解き直しをするほうが、実力を高めることにつながります。そして、過去問のミスを解き直すことはもちろん、テキストの類似問題で弱点補強をすることも大切です。

また、参考書やノートを見ずに解いた過去問は、弱点克服の宝庫です。つまずいた問題、解けそうで解けなかった問題、そのときわからなかったけど、実は解けたのではないかという問題……。こうした”次に活かせる”問題を優先して解き直しましょう。

ちなみに、いわゆる“難問”と呼ばれる問題で、不正解でもほかの受験生と差がつかないものは、とばしてしまってもかまいません。合格するために大切なのは、正答率の高い問題、解ける問題を、確実に正解することです。

振り返りが、実力を伸ばす

「過去問で凡ミスをした」と生徒から聞くことがありますが、「凡ミス」という言葉で片づけないことが、実力アップのカギです。算数なら、図が間違っていたのか、図は合っていたけど途中の計算が間違っていたのか、まったく見当外れの解き方をしていたのか……。こういった振り返りが、力を伸ばします。

また、市販の過去問には、これまで自分が解いたことがない方法の解説が掲載されていることがあります。この場合、注意が必要です。解説どおりの解法で解きたくなりますが、これまでに習ってきた方法で解き直しをしましょう。もちろん、解説の解法がしっくりくる場合は、その解説を参考にしても大丈夫です。

「合格者最低点」との向き合い方

多くの場合、出版社の過去問には「推定配点」(配点を公表している学校もあります)が書かれています。過去問を解き終わると、「推定配点」で採点し、「合格者最低点」にどのくらい届いているかを過度に気にする受験生はたくさんいます。

しかし、「推定配点」は学校ではなく、出版社が独自に決めている点数です。そのため、差が何点開いているか、厳密に知ることはできません。

さらに「合格者最低点」は、実際に試験を受けた受験生が最高の状態で入試に向かい、本番で出した点数です。そのため、2学期の時点で過去問を解いている受験生は、「合格者最低点」をムリに意識する必要はありません。「合格者最低点」や「合格者平均点」と、自分の点数をにらめっこすることは、実はそこまで重要ではないのです。

大切なのは、「正解すべき問題」を確実に正解しているかを確認し、「正解しなかった問題」は解き直しをすることで、次は確実に解けるようにすることです。「過去問をやること」を目的とするのではなく、実力を上げることを目的にして過去問を活用していきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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