学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小5理科/物理】圧力ってなんだろう?|中学受験のツボ[理科編]

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2023年10月30日 倉石圭悟

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。
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国語算数社会

こんにちは、倉石です。

中学受験の理科では、水圧や大気圧など、さまざまな「圧力」が登場します。

しかし、そもそも「圧力」と「力」の違いがわかっていない受験生もたくさんいます。

圧力と、力

似ているようで別物なので、注意しましょう。

今回は「圧力とは何か」について説明します。

圧力とは

圧力とは「同じ面積(1平方センチメートル)あたりにはたらく力」を指します。

もう少しかみくだいて言うと、「力がどのくらい集中しているか」ということです。

力の大きさが同じでも、力のはたらく面積が変われば、圧力も変わります

 

ひとつ、例を紹介します。

試しに、部屋の壁を親指で強く押してみてください。よっぽど力自慢の人でない限り、壁に穴が空くことはありませんよね。

しかし、画びょうを手に持った状態であればどうでしょう?

同じ力でも、いや、もっと小さな力でも、画びょうは壁に刺さります。

 

では、なぜ画びょうは壁に刺さるのでしょうか?

それは、画びょうの先がとがっているからです。もう少し詳しく言うと、画びょうの先端の面積が小さいからです。

力は同じでも、力のはたらく面積が小さくなっているんですね。したがって狭い範囲に力が集中するので、圧力は大きくなります

これが、力の大きさは同じでも、親指と違って画びょうが壁に刺さる理由です。

 

もっとも、この例だけでは理解できない、という子もいるかもしれません。

こうした子には、より理解しやすい、ほかの表現と関連づけて考えていくと良いでしょう。

人口密度

似たような考え方でわかりやすいのは「人口密度」です。

人口密度も「同じ面積(1平方キロメートル)あたり」の人口のこと。つまり「人口がどれだけ集中しているか」を表す指標です。

 

たとえば福岡県と北海道の人口はだいたい同じくらいですが、面積は北海道のほうが圧倒的に大きいですよね。

そうなると、人口密度が大きいのは福岡県、ということになります。

 

この「人口」を「力」に置き換えたものが、圧力だと考えましょう。

先ほどの画びょうの例でいうと、ここでいう福岡県が「壁を画びょうで押したとき」、北海道が「壁を指で押したとき」となります。

同じ力でも、面積が小さいほうが圧力が大きくなる、ということがわかりますね。

 

人口密度もわかりにくい……という子もいるかもしれませんが、目に見えない「力」よりも、目に見えやすい「人口」のほうが理解しやすいので、先に人口密度について教えてあげてください。

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倉石圭悟

倉石圭悟

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Webメディア「ホンネで中学受験」スタッフ、個別指導塾Growy講師。大手集団塾、大手個別指導塾、家庭教師などで小学生から高校生までの指導を経験。「生徒一人一人の幸せのために」をモットーに、算数・理科を中心に指導をしている。何度スベっても動じない鋼の心臓の持ち主。趣味は野球、作詞作曲、料理