「中学受験あるある」のひとつ? 祖父母との上手なつき合い方・かわし方
中学受験に限らず、なにかとすれ違ったり、ぶつかってしまいやすい「子育ての方針」。夫婦間だけでも大変なのに、世代が違う祖父母との関係となると事態はより複雑です。
今回は、中学受験でよくある「祖父母とのトラブル」とそのかわし方、可能なら頼みたい協力について紹介します。
Contents
あるある! 祖父母とのすれ違い
まずは「あるある!」なパターンを知っておきましょう。よくあるすれ違いは「中学受験そのものに反対される」「塾通いに反対される」「『女の子がそんなに勉強してどうするの?』と言われる」です。
中学受験そのものに反対される
地域によっては中学受験の文化がない場合があります。「初めての受験が高校」というのが普通の地域では、賛成・反対の前に「なにそれ?」という方も珍しくありません。
中学受験に限らず、知らないことには否定的になってしまうものです。「受験は高校からでいいんじゃないの?」と聞かれるかもしれません。また、「子供は外で遊ぶもの」という価値観の祖父母だと対立しやすくなってしまいます。
なぜ中学受験を選ぶのか、しっかり説明できるようにしておきましょう。祖父母との関係だけでなく、子供のためにも必要なことです。
塾通いに反対される
中学受験自体には「いいんじゃない?」と言ってくれても、遅くまで学習塾に通うことを否定的にとらえる方がいます。
子供が夜まで勉強している姿を見て「かわいそう」「体が心配」と思うのは無理もないかもしれません。
しかし、親も中学受験を決断したからにはそれなりの理由があるはずです。ここでもやはり、なぜ受験を選んだのか? という動機をしっかり持ち、ブレないことがだいじでしょう。もちろん、子供の体調に気を使うのは前提です。
「女の子がそんなに勉強してどうするの?」と言われる
最後はむずかしい問題です。地域や世代によっては、女性が進学したり働いたりすることよりも、結婚を重視する人がいるのは事実です。
祖父母がこうした価値観をもっていると「女の子なのに、そんなに勉強してどうするの?」と言ってくることもあります。
こうしたズレを埋めることはなかなか困難です。気長に話し合い、理解を求めるのがベストですが、祖父母はその価値観のまま何十年と生きてきた過去があります。話し合いでの解決にはエネルギーが必要でしょう。正面からぶつからず、会う回数を減らしたり、流したりして対応しましょう。
祖父母とのすれ違い、どう回避する?
「あるある!」パターンを把握したところで、次はかわし方を見ていきましょう。祖父母の理解度順に、「丁寧に説明する」「子供の楽しそうな姿を見せる」「合格するまで話さない」などがあります。
丁寧に説明する
話してわかってくれそうな方であれば、この方法がベストです。中学受験の何がメリットなのか、子供はどういう気持ちなのか。これらを丁寧に説明することが第一歩でしょう。
住んでいるところが受験に活発な場合、「このあたりの子は、何割くらいが受験をするんだよ」と説明するのも有効です。たとえば「クラスの半分は中学受験をする」と説明されれば「特別なことじゃないんだな」と感じてもらえるはずです。理解を得るのもラクになるでしょう。
子供の楽しそうな姿を見せる
そもそも、祖父母の心配の根本にあるのは「子供は大丈夫なのか」ということに尽きます。遅くまで勉強して体調を崩さないか、子供らしい遊びの機会を失うのではないか。子供が心配だからこそ口を出してくるのだ、ということを頭に入れておきましょう。
そうなると、祖父母の心配に有効なのはなによりも子供の笑顔だとわかります。「むずかしい問題が解けてうれしい」「学習塾で友達とわいわい楽しんでいる」「受験後の中学校生活が楽しみ!」という顔を見て安心すれば、意外なほどサラッと理解してくれることもあります。
合格するまで話さない
これは最終手段です。いくら話し合いを重ねても「でも……」と納得してくれないタイプの祖父母の場合、受験が終わるまで黙っておく方法もあります。気難しそうな人でも、いざ合格してしまえば「よかったね」と言ってくれることがほとんど。協力を仰げないのはデメリットですが、黙っておくのもひとつの手でしょう。
気をつけたいのは、お盆や年末年始など。突然帰省しなくなると別のトラブルのもとになります。上手く伏せつつ、数年間を乗り切りましょう。
できれば頼みたい祖父母の協力
ここからは、可能なら頼みたい協力です。ひとつは、息抜き担当になってもらうこと。そしてもうひとつは、避けては通れないお金の話についてです。
息抜き
中学受験に賛成してくれ、家庭の方針を尊重してくれる祖父母なら、たまの息抜きを担当してもらうのもいいでしょう。どこかへ連れて行ってもらったり、祖父母の家でのんびりしたりして、子供のストレスを軽減しましょう。
気をつけたいのは、勉強のリズムを崩すこと。不規則に遊びに行くと、子供がモードを切り替えるのに時間がかかります。できれば、受験期に差し掛かる前から「ゴールデンウィークは遊園地」「お盆とクリスマスはおじいちゃん・おばあちゃんの家」などと年間行事にしておくのがよいでしょう。
経済的な支援
平成25年4月から、「祖父母」→「30歳未満の孫や子」に対する教育資金の一括贈与が、子ひとりあたり1,500万円まで非課税になりました(今後変わる可能性があります)。
奨学金制度や各種支援があるというものの、中学受験をすることで、なにかと入り用になるのは事実です。もしも祖父母から「援助してもいい」と言われたら、上記の制度を利用して助けてもらいましょう。
まとめ
子供のためを思って決断した中学受験、祖父母からいろいろ言われると気持ちがめげてしまうこともありますよね。「黙っていてくれればいいのに……」と腹立たしく思うこともあるでしょう。
しかし、頭に置いておきたいのは「子供のためを思うからこそ祖父母もあれこれ言ってくる」ということです。これを意識しておくだけで、かわし方がスッと思いつくこともあります。むずかしい問題ですが、最後までブレずに頑張っていきましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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