
適性検査や記述問題にも使える! 作文の上手な書き方
公立中高一貫校の適性検査、国語読解の記述問題、学校の読書感想文など、中学受験を目指す小学生には、作文を書く機会が多くあります。しかし、作文が苦手な子は、1文字も書けなかったり、思いついたまま書き始めて、止まってしまったりします。
作文の書き方をイチから丁寧に勉強できる機会はあまりないため、自分で試行錯誤しなければなりません。そこで今回は、作文が苦手な子でも上手に作文を書けるようになるポイントを、3つに分けて紹介します。
[1]結論を決めておく
漠然とした考えのまま作文を書き始めると、途中で余計な文が増えて、結論にたどり着かないことがあります。論理的に作文をまとめるために、まずは結論を決めましょう。
たとえば、「あなたはどう思いますか」について書く場合は、まず「良い/悪い」「賛成/反対」といった結論を決めます。「あなたの体験を書きなさい」という作文なら、メインとなる体験をひとつ選びます。
先に結論を決めておけば、そのあとは簡単です。「なぜそう思うのか」といった理由や根拠を加えていけば、簡単に作文の大枠が完成するからです。具体例やエピソードを交えれば、さらに厚みが増します。
ちなみに、結論はただ決めるだけだとすぐに忘れてしまいます。作文用紙や解答欄の最後のほうに結論をササッと書いておき、文章を書きながらときどき確認すると良いでしょう。
[2]書く前にメモをつくる
結論を決めた後は、その理由や根拠を並べていきます。しかし、思いつくまま書いてしまっては、いつまでたっても結論にたどり着きません。わかりやすい文章にするために、書き始める前に簡単なメモをつくりましょう。
時間制限がない場合
読書感想文のように、書く前にじっくり時間がとれるなら、簡単な文でメモをつくります。自分の意見や感想を一言でも入れられると、あとで書きやすくなります。
時間制限がある場合
適性検査のように時間制限がある場合は、単語程度のメモでもOKです。
まずはメインとなる結論ひとつと、その理由を書きます。そして、感じたことや考えたことを思いつくままに書き出します。
たとえば、「一期一会だと思った出会いについて、あなたの体験を書きなさい」という問題であれば、結論は「自分の体験」です。理由は「もう会えないから」、感じたことは「楽しい・さびしい」などになるでしょう。
たったこれだけのメモでも、原稿用紙2枚(800字)くらいにはなります。コツは、メモから少しずつ話を膨らませることです。上の例なら、「少年の様子」や「お別れのときの気持ち」などを加えます。「具体的にわかりやすく」を意識すれば、軸をブラさずに文字数を増やすことができます。
[3]一文は短く書く
一文が長くなると、主語と述語がねじれやすく、言いたいことがわかりにくくなってしまします。一文は短く、簡潔に書くように心がけましょう。以下は、長くてわかりにくい文の典型です。
【わかりにくい文】
家族で沖縄に行ったら少年が海辺で遊んでいて、私も近くで遊んでいたら近づいてきて、年が同じで仲良くなった。
因果関係や時系列が伝わりづらく、主語と述語も散らばっていて読みにくくなっています。頭に浮かんだことを、息継ぎなしで話すように書き連ねてしまうと、このような文章になります。
【わかりやすい文】
家族で行った沖縄の海辺で少年に出会った。近くで遊んでいたら彼が近づいてきて、同じ年だとわかり仲良くなった。
同じ内容でも、文を分けるだけでぐっと読みやすくなります。読む側としても、一文が長いとわかりにくいですよね。
文の長さが60字を超えるようなら、2文に分けることを考えましょう。文字数だとわかりにくければ、「述語や読点(、)はひとつの文に2つまで」というのを目安にしても良いです。一文を短く書き、書きたいことが伝わるようにしましょう。
まとめ
作文には、慣れも必要です。何度も書いていくとメモの重要性にも気づけるようになり、作文を書く流れもわかってきます。作文を書くチャンスがあれば、積極的にチャレンジしてみると良いですね。
そして、作文は最後まで書かなければ完成しません。あらためて、以下のポイントを意識してください。
・最初に結論を決める
・書く前にメモをつくる
・短い文を重ねて書く
深い表現や語彙力を求める前に、最後まで「伝わる文」で書き切ることを目標にしましょう。何となく書くのではなく、段階ごとに考えながら書くことが大切ですよ。
※記事の内容は執筆時点のものです