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【レポート】桜井信一の過去問解き方講座2019 算数編


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10月22日(火・祝)マイナビ家庭教師が主催する「桜井信一の過去問解き方講座2019 算数編」が開催されました。講師はマイナビ家庭教師「下剋上受験コース」の監修者であり、テレビドラマ化もされ話題となった『下剋上受験』の著者、桜井信一さんです。

過去問の使い方を学ぼうと、54名の親子が参加しました。今回は2時間半の講座のなかからイベントの内容をピックアップして紹介します。

桜井 信一さん

中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のテレビドラマ化。 家庭で出来る学習法、裏ワザを一挙公開した『桜井信一の わが子に教えたくなる 中学受験算数・国語』を2018年7月に発売し、親のための参考書として反響を呼んでいる。

桜井信一が教える過去問解き方講座

今回の講座では、近年人気が上昇している海城、渋谷教育学園渋谷、豊島岡女子学園、広尾学園の4校の過去問を取り上げました。ほとんどの学校に共通する「本番で合格点を取るための作戦の立て方」を伝授してもらったほか、受験校の決め方なども解説していただきました。

過去問になぜ作戦が必要なのか

冒頭で桜井さんは次のように話します。

「首都圏の4万人もの受験生の多くが、塾に言われるがまま過去問を解いて復習するだけで、戦略的なものを持っていない」

一方で、受験に慣れている親が横についてしっかりと対策を立て、実力をきちっと発揮させて子供を受からせてしまう家庭もあるのだそう。

受験生本人が幼く、自身で戦略を練ることが難しい中学受験では、作戦の立て方で周りと差がつく。だからこそ親子で協力して、合格点を取るための作戦を立てることが重要なのです。

スタートダッシュではなくスロースタート!?

何事も「スタートダッシュが肝心」とよくいわれますが、問題を解くときは「スロースタートが吉」となる場合もあるようです。

多くの学校の入試問題(算数)で、はじめに解く問題は計算問題です。合格するためには、まず落とすことはできません。今回取り上げた広尾学園の過去問も、1問5点の計算問題4問ではじまっています。解くときのペース配分が大切。はじめの問題である計算問題は、スタートダッシュではなく「スローペースで解くべきだ」と桜井さんは言います。

「後ろの難問のために計算問題で時間を節約しても、せいぜい3分ほど考える時間が増えるだけ。わからないものは、わからないままなんです」

取れるところで確実に点を取っていくことが、合格への近道なのです。

残り時間7分で何ができるか

入試本番。大問1つを残して試験時間残り7分 ―― こういった状況に多くの受験生は焦ります。新たな問題には手が出せずに、解いた問題の見直しなどをあたふたと始めます。

「試験時間残りわずかとなったときに、自分に何が出来るのかをわかっている子は、落ち着いて最後の問題を解き、10点をさらに取ってくる」

さらに桜井さんは次のように強調します。

「あと7分、あと5分がどういう状況なのかを、家で訓練して子供にわからせることが大事」

本番の試験をリアルに想定して、最後まで貪欲に点数をとれるように訓練すること。このほかにも、立体や旅人算などの具体的な算数の問題を解くテクニックを解説していただきました。

受験校の決め方

桜井さんは今回、受験校の決め方にも触れました。

「偏差値を背伸びした学校を目指していると、自分がその学校の偏差値帯にいるような錯覚を起こすことがある。そういった場合、安全校などの受験校選びを見誤っている家庭が少なくない」

自分の力がどれくらいの位置にあるのかを見つめ直して、受験校を考える ―― ここを曖昧にしてしまうと、想定よりも下の学校に決まってしまったり、あわてて受験校を考えなくてはいけなくなったりするので、注意が必要です。


10月22日(火・祝)に実施されたイベントから内容をお伝えしました。過去問を使うときは、どのくらい問題を落としても良いのか、どこは確実に取っておかなければならないのか ―― 親子で考えながら、入試本番のペースなどもリアルに想定して訓練することが大事です。

戦略も持たずただ解くだけでは、せっかくの過去問を無駄にしてしまっているといえます。今回の講義内容を活かし、過去問を最大限に活用して、本番で点数を取れるようにしていけるとよいですね。

<告知>12/22(日)「難関中学の算数 ここはおさえておきたい3つ 2020度受験編」開催決定

12/22には難関中学校向けに本番出題されると配点が大きい3つの単元を取り上げ、桜井さんによる1単元1時間ずつの講義を実施いたします。
気になる3つの単元は【①立体の影の問題】【②反射の問題】【③立方体の切断の問題】です。
イベント概要など詳細につきましては、近日中にこちらのサイト上でUPいたしますのでお待ちください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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