連載 しあわせな中学受験

子どもがやらされている感じで勉強している……。そんな時どうする?|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2019年11月27日 中曽根陽子

どうしても、やらされている感じで子どもが勉強していると感じます。どうしたら自分のこととして、意欲をもって勉強に取り組んでくれるのでしょうか……。――この悩みは、私が主催している中学受験セミナーで実際にあった親御さんからの質問です。子どもが勉強に対して意欲を持てるのはどのような時でしょうか。

意欲はどこからでてくる?

まず考えられるのが、その勉強がおもしろい、ワクワクする、そんな時でしょう。次に考えられるのが、勉強自体はそこまでおもしろくはないけれども、目的がはっきりしていて、それを達成したいと思っている時です。そして、誰かの期待に応えたいと考えている時にも意欲が出るのだと思います。

自分ごととして、意欲をもって勉強してほしい。これはどの親御さんも持つ理想です。しかし、相手はまだ小学生の子ども。勉強が自分ごとになっていないことは、珍しいことではないと思います。親の理想と違うからといって、勉強しているのに「もっとやる気をだしなさい!」と怒られたらどうでしょうか? なかには意欲を失ってしまう子もいると思います。親が想う「理想的な意欲」を持っているかはさておき、目の前のお子さんが勉強しているのであれば、まずは「今、勉強している」という事実に目を向けてほしいと思います。

親にできることは、意欲的になれない理由を考えること

本来、知らないことがわかったとか、興味のあることをやっているとき、勉強は楽しいもののはずです。意欲が出ないということは、そうなっていないということでしょう。また、勉強している内容のレベルがあっていなくて、よく理解できていないということも考えられます。こういった場合は、勉強内容を見直したり、わからないところをわかるようにする必要があります。

次に、「なんのためにやっているのか、目的がはっきりしない」という場合も考えられます。特に中学受験の場合、子どもの意思とは関係なく受験することになっていて、なんとなく塾に通っているという場合があります。また、目的・目標があったとしても、「ちっとも届きそうもない」と感じている場合は、勉強に対してなかなか意欲的になれないということもあるでしょう。いずれにしても、問題を解決するためのヒントは、お子さんの今の状態にあります。

低学年の場合、まだまだお母さんが喜ぶから勉強する!?

そもそも、やる気はそんなに長く続くものではありません。特に低学年の場合、集中できる時間は15分くらいかもしれません。15分くらいで終わるものを与えて、できたら次というように、メリハリをつけてあげるのも一考です。また同じ勉強でも得意と不得意があります。嫌々やっていることが、不得意なことだとしたら、まず得意なことに取り組んでみることもおすすめです。子どもは楽しいと一生懸命にやります。

小学校低学年の場合、特に年齢が低いほど、お母さんが喜んでくれると嬉しくなります。だから、まずはできたところを見て「頑張っているね」と声をかけてあげる姿勢も大切です。お母さんのポシティブな声かけは、何よりの栄養です。横に並んで一緒に勉強してあげるというのもいいですね。子どもを監視してダメ出しをするのではなく、見守ってあげるというスタンスでいてあげてください。低学年のうちは寝る前の歯磨きの習慣を身につけるように、少しずつ勉強を習慣化できるとよいと思います。

高学年なら、もう少し理由の深掘りを

高学年なら、少なくとも「受験をするために勉強している」ということはわかっているでしょう。それでも「やらされている感」が強いなら、その子のなかで、なんのために勉強をしているのか、意味がボンヤリしてきているということが考えられます。特になんとなく塾に通いはじめて、なんとなく受験することになったという場合、そうなりがちです。こうした場合は「なんのために中学受験をするのか」その意味について、お子さんともう一度対話する時間をとる方がよいかもしれません。

また、目標はあっても「ちっとも届きそうにない」「全然進まない」と感じていると、勉強に対して意欲的になれないものです。特に進学塾の勉強は5年生になると難易度が上がってきます。通塾日が増え、宿題の量も増えます。子どものなかに無力感や諦めの気持ちがあるのに、「やらないといけないから、仕方なくやっている」という場合もあるでしょう。

こうした場合は、わからなくなっているところを探し出したり、思い切って勉強の負担を減らしたりするなど、子どもにあったアプローチのしかたを、塾の先生としっかり連携して検討してほしいと思います。このときの親のスタンスとして大事なことは、不安になりすぎないことです。子どもの様子をよく観察し、子どもの声に耳を傾け、欠点を指摘するのではなく、今よりよくしていくためにどうしたらいいか?という思考で一緒に考えていくことが大切です。


これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。

1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい

公式サイト:http://www.waiwainet.com/

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