連載 中学受験との向き合い方

ねば・ネバ思考が怒りのもと? 親と子の負の感情をコントロールするには ―― 中学受験との向き合い方

専門家・プロ
2019年11月29日 やまかわ

首都圏の一部では、4人に1人の小学生が挑戦するともいわれる中学受験。子供の受験に親はどう向き合えばよいのでしょうか。この連載では、『中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由』の著者である、田中純先生に中学受験との向き合い方をテーマにさまざまな話を伺います。

前回はアサーティブ・コミュニケーションについてお話ししました。このコミュニケーション・スタイルは、お互いを尊重し合うことが大事という話でした。しかし、そうしようと思っていても、怒りや悲しみなどの感情が爆発して、相手を傷つけてしまうことがあります。そこで今回は親と子それぞれに生じた負の感情とどう向き合うか、その方法について解説しましょう。

基本姿勢は、親も自分のことは自分でする

誰だって好きで子供を怒ることはありません。しかし、うまくいかないことがあると、つい怒ってしまいます。このように怒りは、思い通りにいかないシチュエーションで生じる自然な感情です。一方で、その怒りが狙った効果を生まない、それどころか子供のやる気を削いでしまうこともご経験なさっているのではないでしょうか。

そこで、怒りに振り回されない基本原則をキモに銘じてください。

「自分の怒りは自分がコントロールする」

親であっても大声を出したり、ときには子供に対して手を出してしまったりということがあるかもしれません。しかし、怒りというのは自分の内側から生じた感情であって、誰かにぶつけて解消するのは適切ではありません。自分自身で手当てするべきものです。「この怒りは誰のもの?」―― イラッときたら、まずはこう自問自答です。自分のペットには飼い主が責任を持つように、自分の怒りには自分で責任を持ちましょう。

衝動的に自分の感情をぶつけないために

たとえば「子供がテストで低い点数をとった」こと【出来事】と、「イライラする」という怒りの感情【ストレス反応】は、切り離して考えるべきです。怒りや悲しみなど、負の感情を相手にぶつけないために何を心がければよいのかを考えてみましょう。まず、【出来事】と【ストレス反応】の間には考え方や価値観などが作用していることを理解します。今回はそのうちの『ねばネバ思考』を取り上げます。

自分の「ねば・ネバ度」を知り、それを希釈する練習をしておく

以下のチェックリストの各項目を0から4の5段階で評価します。

0 ぜんぜんそうは思わない
1 あまり思わない
2 どちらとも言えない
3 少しそう思う
4 まったくそのとおり

「ねば・ネバ度」チェックリスト

① 中学受験で失敗をさせてはならない

② 子供は親の言うことを聞かねばならない

③ 子供に「艱難辛苦」など体験させてはならない

④ 子供が不合格だったら、これまでの努力は水の泡だ

⑤ 食事は栄養バランスを考えて、手作りのものを食べさせねばならない

⑥ どんなに努力しても結果が出なければ無意味だ

⑦ 中学受験で子供の幸不幸が決まるのは間違いない

⑧ 子供に遅刻や不登校をさせてはならない

⑨ 親としてちゃんとしなくてはならない

⑩ 子供のことは、全て把握していなくてはならない


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田中純
田中純 専門家・プロ

開成中学校・高等学校、国際基督教大学(ICU)教養学部教育学科卒業。神経研究所付属晴和病院、中高教諭、学校カウンセラーを経て公文国際学園開講準備に参加。現在は赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所などでカウンセリングやコンサルテーションを行っている。「一家にひとり、一課にひとりのコミュニティ・カウンセラー」を育てることを目標としている。著書「ストレスに負けない家族をつくる」「中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由」(みくに出版)

この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。