学習 算数

近年の中学入試における算数の出題傾向と対策

2020年4月15日 國友克弥

近年、中学入試の算数の出題傾向が変化してきています。傾向と共に対策もお伝えしますので、算数の勉強方法を考える参考にしてみてください。

算数の傾向【1】問題文が長く、読解力が必要な問題が増加

算数の出題傾向として、問題文が長くなっていることが挙げられます。問題文が長くなっているということは、問題の設定や条件がいろいろ付くということ。つまり、解答を導き出すまでの処理が多くなるのです。

問題文が長い代表的な入試は、灘中学の2日目入試です。1日目は素早く正確な処理能力が問われますが、2日目は60分の試験時間に対して大問5題と、大問1題あたりにかけることのできる時間は12分程度。しかし小問に至るまでの問題文(リード文)が長く、把握しておきたい情報がたくさん出てきます。

長文問題への対策

問題文が長く情報量の多い問題は、灘中学だけではなく、難易度の差はあれさまざまな中学校で出題されるようになりました。では、このような問題に対して日頃からどのような対策をとればよいのでしょうか?

それはズバリ、たくさんの文章を読んで文章に読み慣れること。文章を音読するのもおすすめです。声に出すと耳からも文章が入ってくるので、理解力も上がります。算数の文章題であれば、メモを取りながら問題に取り組みましょう。情報が整理できるので何度も確認する必要がなくなり、問題を解くスピードも上がります。

算数の傾向【2】記述形式の解答が増加

算数の出題傾向の変化として、解答方式が変わってきていることも挙げられます。これまで算数の解答用紙は、解答のみを書かせる形式がスタンダードでした。しかし近年は、途中式や考え方を書かせたり、その答えになる理由を論述させたりするような解答形式が増えています。

このような解答形式をとっているのは、関東では開成中学、関西では東大寺学園が代表的です。これらの学校の入試問題は解答用紙が複数枚(もしくは裏表)に分かれていて、解答欄だけでなく“途中の考え方”を書くスペースも広く設けられています。途中式や考え方を書かせるということは、解答だけを採点するのではなく、「部分点を与える」という学校側の意思表示とも見て取れます。そのため答えまで出せなくても、途中式は書いておきたいところです。

記述形式の問題への対策

記述を含む解答形式に対しては、日頃の勉強方法をひと工夫することで対策できます。その工夫とは、問題を解くときにノートに途中式や考え方を書くようにすることです。途中式や考え方を書くのが苦手な子は、まずは図や筆算をノートに書くことから始めてみましょう。「答え以外」のことを書くクセがつけば、自然と書く内容が増えてきます。

基礎力をつけることから始める

中学入試の算数では、読解力が必要な問題が増えたり、途中式や考え方を記述させたりする解答方式が増えています。では、それらの対策ばかりしておけば算数の得点がアップするのでしょうか?

もちろん、近年の算数の出題傾向を見ていると読解力や記述力の対策は必要です。しかしこうした力をつけるためには、まずは徹底的に「基礎力」を鍛える必要があります。

算数の基礎力とは、計算力や、パターン学習によって身につく力のことです。いくら解答の記述力がついたとしても、計算力がなく、最後の計算で間違えてしまうと減点対象になります。問題を読み解く力がついたとしても、問題を解くための手順(特殊算の解き方など)といったパターンが定着していなければ、解答を導き出すこともできません。

したがって読解力や記述力をつける前に、計算力の強化とパターン学習の徹底が必要となってきます。日頃から、計算トレーニングやパターン学習の反復を怠らず、基礎力を強化するようにしてください。基礎がきっちりと固まっていれば、そこに読解力や記述力を上乗せできます。

出題傾向をつかみ、得点力アップを目指そう

近年の中学入試における算数の出題傾向とその対策を見てきました。最後にもう一度、要点をまとめます。

1、問題文の長文化 ⇒ 文章に毎日触れ、文章題を解くときはメモをとる
2、記述形式の解答方法の増加 ⇒ ノートに途中式や考えを残す
3、必要な力は基礎力の上に積み重なっていく ⇒ 計算練習やパターン学習を怠らない

この先の算数演習にこれら3点を役立て、得点力アップをはかってみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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