三角形の面積比を求めよう! 底辺比と相似比を使えば複雑な問題もスッキリ解決

2020年7月29日 みみずく

中学受験算数の図形分野では、三角形が最もよく出題されます。中でも、底辺比や相似比を使って面積比を求める問題は定番です。今回は、面積比を求める問題で役立つ考え方を詳しく解説し、実際に問題を解いていきます。

底辺比と相似比から面積比を求めよう

三角形の面積比問題では、底辺比を使う場合と相似比を使う場合があります。それぞれについて、「なぜそうなるのか?」を理解しましょう。

高さの等しい三角形は「底辺比=面積比」

高さの等しい三角形では「底辺比=面積比」が成り立ちます。

中学受験算数で登場する高さの等しい三角形は、多くの場合、次の図のような形をしています。一つの頂点から向かい合う辺に線を引いて三角形を分割しているのが特徴です。

この図では、三角形ABCと三角形ABDと三角形ACDの高さは共通(赤い線)です。この高さを□cmとして、三角形の面積公式「底辺×高さ×\(\frac{1}{2}\)=面積」に当てはめると、「底辺比=面積比」の理由がわかります。

三角形ABCの面積:三角形ABDの面積:三角形ACDの面積 =5×□×\(\frac{1}{2}\):2×□×\(\frac{1}{2}\):3×□×\(\frac{1}{2}\) =5:2:3

(□×\(\frac{1}{2}\)で割って比を簡単にしました)

したがって、それぞれの三角形の面積について、次の関係が成り立ちます。

三角形ABD=\(\frac{2}{5}\)×三角形ABC

三角形ACD=\(\frac{3}{5}\)×三角形ABC

これがわかれば、次の図から「三角形ADE=\(\frac{b}{a}\)×\(\frac{d}{c}\)×三角形ABC」になる理由も理解できるでしょう。

相似な三角形は「相似比×相似比=面積比」

相似な三角形では「相似比×相似比=面積比」が成り立ちます。

相似比は、相似な図形において対応する辺の比です。下の図で三角形ABCと三角形ADEが相似ならば、相似比はAB:AD=AC:AE=a:bで、\(\frac{d}{c}\)も\(\frac{b}{a}\)になることから「三角形ADE=\(\frac{b×b}{a×a}\)×三角形ABC」と表せます。したがって、三角形ABCと三角形ADEの相似比がa:bならば、面積比はa×a:b×bです。

図形を分割する問題を解いてみよう

多くの中学受験生が苦手とする図形を分割する問題にチャレンジしてみましょう。上で紹介した考え方を使えば決して難しくありません。

三角形を分割する問題にチャレンジ

【問題1】下の図の三角形について、AD:DB=1:1、BE:EC=1:2、CF:FA=1:2です。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 三角形ADFの面積は三角形ABCの面積の何分のいくつですか。

(2) 三角形DEFの面積は三角形ABCの面積の何分のいくつですか。

(1)では、AD:DB=1:1、CF:FA=1:2なのでAD:AB=1:2、AF:AC=2:3です。したがって、下の図から、三角形ADF=\(\frac{1}{2}\)×\(\frac{2}{3}\)×三角形ABC=\(\frac{1}{3}\)×三角形ABCなので、答は3分の1です。

(2)も(1)と同じように考えて、三角形BDE=\(\frac{1}{2}\)×\(\frac{1}{3}\)×三角形ABC=\(\frac{1}{6}\)×三角形ABC、三角形CEF=\(\frac{2}{3}\)×\(\frac{1}{3}\)×三角形ABC=\(\frac{2}{9}\)×三角形ABCです。したがって、三角形DEF=三角形ABC-(三角形ADF+三角形BDE+三角形CEF)=三角形ABC-(\(\frac{1}{3}\)×三角形ABC+\(\frac{1}{6}\)×三角形ABC+\(\frac{2}{9}\)×三角形ABC)=(1-\(\frac{1}{3}\)-\(\frac{1}{6}\)-\(\frac{2}{9}\))×三角形ABC=\(\frac{5}{18}\)×三角形ABCなので、答は18分の5です。

長方形を分割する問題にチャレンジ

【問題2】下の図の長方形ABCDで、点MはADを二等分する点、NはACとBMが交わる点です。このとき、四角形CDMNの面積は長方形ABCDの面積の何分のいくつですか。

このタイプの問題では、分割されている図形それぞれの面積を具体的な数字で表していくのがお勧めです。

まず、平行なADとBCの錯角が等しいので角NAM=角NCB、角NMA=角NBCです。2組の角がそれぞれ等しいので三角形AMNと三角形CBNが相似だとわかります。三角形AMNと三角形CBNの相似比AM:CB=1:2から、面積比は1×1:2×2=1:4です。ここで三角形AMNの面積を1、三角形CBNの面積を4と決めてしまいましょう。

次に、三角形ABCに注目します。三角形AMNと三角形CBNの相似比1:2から、AN:CN=1:2がわかっています。三角形ABCがBNで高さの等しい2つの三角形に分割されていて、三角形ABNと三角形CBNの底辺比がAN:CN=1:2なので、面積比も1:2です。三角形ABNの面積は三角形CBNの面積4の\(\frac{1}{2}\)倍で2です。また、三角形ABCの面積は2+4=6です。

最後に、三角形ADCに注目します。三角形ADCの面積は、合同な三角形ABCの面積と等しく6です。三角形ACDから三角形AMNを引くと四角形CDMNなので、四角形CDMNの面積は6-1=5です。長方形ABCDの面積は各図形の面積の和で12なので、四角形CDMNの面積は長方形ABCDの面積の12分の5です。

面積比の問題は中学数学でも登場する

【問題1】や【問題2】と全く同じタイプの問題が、中学数学でも応用問題として登場します。中学受験生はこれらの問題を解いているのですから、とてもレベルの高い勉強をしているのがわかるでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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