中学受験ノウハウ 親の関わり方

改めて考えたい! 中学受験に必要な親のサポートとは?

2020年7月30日 石井知哉

中学受験は「親子二人三脚」といわれるように、子供の頑張りだけでなく、親の重要性もよく語られるところです。しかし、「どのような点で重要なのか」と聞かれると、答えに詰まる方も多いのではないでしょうか。では、中学受験で求められる親の役割について改めて見ていきましょう。

受験を成功に導く3要素

中学受験の主役は子供です。そのため、親に求められるのは「より良いサポートができる力」です。ここでは、これを「親力」と呼ぶことにします。そして「親力」には、次の3つの要素が欠かせません。

1、家計力
2、タイムマネジメント力
3、楽勉力

家計力

「家計力」とは、学費を用意する力、つまり経済力のことです。中学受験には、塾や家庭教師、模擬テストなどの費用がかかります。さらに、私立中学の入学金や授業料は国公立の数倍にも及びます。このほか、教材費や設備費も必要ですから、私立の学費は文字通りケタ違いなのです。

現実的には、これらの学費を用意できないと中学受験を目指すことは難しいでしょう。つまり家計力は、中学受験のスタートラインに立つために必要なものといえるのです。

もちろん、これらの学費を出すのは親。こればかりは、子供の努力が及ばないものです。ですから家計力は、「親力」の第1の要素といえます。そして、受験勉強のスタートを切った後に重要となるのが、「タイムマネジメント力」と「楽勉力」です。

タイムマネジメント力

「タイムマネジメント力」とは、時間をやりくりする力のことです。この力が不足すると、遅刻や勉強効率のダウン、子供のオーバーワークなどを招くおそれがあります。

中学受験に向けて日々努力する子供たちは、かなり忙しい生活を送ります。昼間は小学校、夕方からは塾、夜は家庭学習と、大人顔負けの忙しい日々を過ごすのです。6年生ともなれば、土日に塾の授業や模擬テストが入ることもしばしば。夏休みや冬休みには、季節ごとの講習も入ります。

こうしたハードスケジュールのなかで大切なのが、日々のスケジュール管理です。子供が目の前の勉強に集中できるように、「いつ、どこに行って、何をすればよいのか」に関しては、親が正確に把握しておきましょう。一方で、塾の授業をはじめとする毎週の予定と、2週間先までの予定(クラス分けテストや模擬テストの日にちなど)については、親だけでなく、子供も理解しておきたいですね。予定はカレンダーに記入し、冷蔵庫やリビングなど、親子が目にしやすい場所に貼っておくのがおすすめです。

さらに、以下のように数か月先を見据えて計画を立てることも大切です。

・〇月までに志望校を決める
・〇月から過去問に取りくむ
・〇月には願書提出の準備を始める

ただし、予定を詰め込みすぎるのはNG。子供を身体的にも精神的にも追い詰めることのないように、ゆとりをつくることも意識しましょう。

楽勉力

「楽勉力」とは、子供に楽しく勉強させる力のことです。

勉強嫌いな子は、合格が不可能とはいわないまでも、受験で不利なのは否めません。したがって、子供が「勉強を楽しい」と思える環境や雰囲気をつくることはとても大切です。

子供のモチベーションアップについては塾の先生や家庭教師が得意とするところですが、子供に対する親のはたらきかけも重要です。子供と接する時間が最も多いのは親ですし、子供が最も強い信頼を寄せるのも親ですから、親の言動は、子供の勉強意欲にプラスにもマイナスにも作用しやすいのです。

そこでカギを握るのは、子供と接する時間。そのうえで大事なのは、どれだけ長く接するかより、「どのように接するか」ということです。たとえば、塾で起きた話を食事中に興味深そうに笑顔で聴くことだけでも、子供は塾での勉強を好きになるものです。親が並んで勉強しながら、褒めたり、励ましたり、いっしょに喜んだり悔しがったりすることで、子供は前向きに根気よく勉強に取り組めるようにもなります。

ちなみに楽勉力については、親の学歴や中学受験経験のあるなしは、さほど重要ではありません。「親自身が成績優秀であったかどうか」と「子供が勉強を楽しいと思えるかどうか」は別の問題だからです。

勉強好きの子は、勉強嫌いの子より成長のチャンスを多くつかめます。たとえ中学受験に合格しても、「もう勉強なんかしたくない」と子供が思うことのないように、子供と共に過ごす時間の “量” よりも “質” に注目してみてください。

「親力」の根っこにある大切なもの

まだまだ小学生の子に、大きなプレッシャーがかかる中学受験。そのなかで、ときに手を引き、ときに並んで進み、ときに後ろから後押しする――。こうしたさまざまな役割を親は担うことになります。親にとっても決して簡単なサポートではありませんが、そうした苦労を乗り越えられるのは「わが子と共に成長していこう」という想いがあるからこそ。「親力」の根底にあるのは、受験を“成長の機会”と捉える前向きな気持ちなのです。

※記事の内容は執筆時点のものです

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