和差算ってどんなもの? 和差算をわかりやすく解説
たし算、ひき算、わり算、かけ算、たった4つの計算で答えを出せるのが和差算です。難しい計算方法を使わないため、中学受験では小学4年生で習うことになります。そのため、塾に行き始めて、初めてつまずいたのがこの単元、となることも多いです。
算数に苦手意識を持たないためにも、早いうちに和差算をマスターしましょう。
Contents
和差算とは――中学受験ではどのような扱い?
和差算とは、いくつかの数量の和と差が与えられ、それらを元にそれぞれの大きさを求める問題になります。
四則演算さえ知っていれば解けるため、中学受験の勉強でも初期(主に小学4年生)に習います。また、はじめて「線分図」を学ぶ単元でもあります。
出題傾向としては、やさしい問題から、やや難しい問題が多いでしょう。基本的な解き方をおさえれば、特殊な解法を覚えなくとも、応用問題まで解くことができます。
和差算の基本的な解き方
和差算は線分図を使って解きますが、線分図を「長い方にそろえる」か、「短い方にそろえる」かで処理方法が少し異なります。どちらにそろえても解けるようにしましょう。
■和差算の例題
姉と妹が持っているお金の合計は700円で、姉は妹より200円多くお金を持っています。姉はいくら持っているでしょうか?
まずは、問題にしたがって線分図を描きます。次のような線分図が描けるとよいです。
【図1】
次に、頭の中で、線分図を長い方か、短い方のどちらかにそろえます。
和差算を線分図で解く ――長い方にそろえる方法
では、まず線分図の長い方(姉)に長さにそろえてみましょう。
【図2】
妹の持っている金額に200円たしてあげると同じ長さになるので、全体にも200円をたします。
700+200=900 ……姉の金額の2倍
よって、姉の金額は
900÷2=450円
となります。
和差算を線分図で解く ――短い方にそろえる方法
今度は、線分図の短い方(姉)に長さにそろえてみましょう。
【図3】
姉から200円分をひくと、線分図が妹と同じ長さになります。
そこで、全体から200円をひくと
700-200=500 ……妹の金額の2倍
よって、妹の金額は
500÷2=250円
となります。
ここで注意しなければならないのが、計算したのは妹の金額だということです。姉の金額を出すためには、先ほどひいた200円をたさなければなりません。
したがって、姉の持っている金額は
250+200=450円
となります。
和差算で子供がつまずきやすいポイント対策
和差算で子供がつまずきやすいポイントは、大きく分けて3つあります。
[1]線分図が描けない
[2]線分図を描いたあとの処理がわからない
[3]数量が2つ以上与えられたときの処理方法がわからない
それぞれ、対策を見ていきましょう。
[1]線分図が描けない
線分図が描けるようになるためには、2つのステップを踏む必要があります。
①「和差算の問題」→「線分図を描くんだ!」と思い出せるようにする
②問題に沿った線分図を描けるようにする
まず①については、問題を繰り返し解き、体に身に着けるのが最短の方法です。和差算にはパターンがありますので、繰り返し解いているうちに、「これは和差算の問題だな」「線分図を描くんだったな」と思い出せるようになります。
次に②については、まず例題を一緒に解いてみて、それを見ながら、お子さんに新しい問題で線分図を描いてもらいます。これを繰り返すことで、だんだんと問題に沿った線分図が描けるようになります。
[2]線分図を描いたあとの処理がわからない
線分図を描いた後の処理がわからないというお子さんがいます。これも、ある程度慣れが必要なので、【図2】【図3】の手順を何度も教えてあげましょう。
この手順を「公式だから、2つの数の差をひいて(たして)わるんだよ」と教えることはおすすめできません。公式として暗記すると、線分図の意味を理解できなくなってしまうからです。
時間はかかっても、【図2】【図3】の手順と考え方で自分で処理できるように導きましょう。
[3]数量が3つ以上与えられたときの処理方法がわからない
数量が3つ以上与えられたときも、基本的な解き方は同じです。まずは数量が2つの場合が解けているかを確認してください。
和差算そのものは難しくありませんが、はじめての線分図にとまどい、つまずくことが多いです。算数をきらいにならないよう、根気強く教えてあげてください。
※記事の内容は執筆時点のものです
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