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【中学受験国語】国語の文章は小4・小5の後半に難しくなる。家庭学習のポイントは?

2021年1月05日 室内玲

学年が進むにつれ、国語の文章は難化していきます。そして同じ学年であっても、前半と後半ではその難易度に違いがあるものです。小4と小5の前後半で、具体的にどのように国語の文章が変わるのかを説明し、家庭学習のポイントを解説します。

小4の国語

「国語の成績は今まで良かったのに、小4後半になってなぜかできなくなってきた」

子供に対し、このように感じたことはありませんか? 一見すると国語の文章は小4前半と変わらないように見えるかもしれませんが、実は小4の後半になると内容が難しくなっているのです。

論説文 ―― 構成に注意

小4前半では「説明文」を学びますが、小4の後半になると「論説文(意見文)」が登場します。そもそも説明文とは「メダカの生態」「鳥の繁殖」といった具体的な事柄を説明した文章のことです。一方で論説文は、「物の価値」「読書体験の重要性」といったテーマに対して筆者が意見を述べた文章のことを指します。

説明文はひとつの話題を取り上げ、説明した文章ですが、論説文は「話題+筆者の意見」という構成です。そのため同時にふたつのことを読み取らなければならず、説明文は問題なく読めていた子でも論説文で苦労することは少なくはありません。さらに文中の言葉が抽象的であることも多く、内容の理解を一層難しくしています。

論説文の構成
=話題+筆者の意見

家庭のなかで論説文を学習するときは、「あるテーマを取り上げて、筆者が意見を述べているものだよ」といったように、まずは文章の構成を子供に教えてあげることが大切です。そして文章を読んだあとは、「これはどんなお話だった?」「それに対して筆者はどう考えているかな?」といった声かけをしながら、文章中のどこが「話題」の部分で、どこが「筆者の意見」なのかを子供が振り返る手伝いをしてあげられると良いですね。子供が意味を知らない語句が出てきたら、その都度教えてあげてください。

物語文 ―― 登場人物の人数に気をつける

小4前半までの物語文は、基本的には登場人物が少なく、一度登場すると人数の増減が少ないのが特徴です。はじめに主人公とその友人が登場し、最後までそのふたりだけで話が展開する、といった具合ですね。ところが小4後半になると、登場人物が増えたり減ったりする物語文が出てくるため、子供は混乱しやすくなります。たとえば教室のシーンでは子供が3人いたのに、次の校庭のシーンではひとり増えている、といった文章です。そして各登場人物の心情や、行動の理由が問われる設問も登場します。

物語文の設問例
問1:Aさんの心情を問う設問
問2:Bさんがなぜ傍線部のような行動をしたか問う設問
⇒「誰が、何をしていたか」をしっかり把握していないと解けない

物語文を学ぶときにおすすめなのが、場所や時間の切り替わりなど、文章中の場面が切り替わるごとに「いつ、どこで、だれが、どうした」を確認していくことです。

場面や時間の切り替わりごとに確認
・時間はいつかな?
・Aさんがいる場所はどこ?
・いま、誰がここにいる?
・Bさんは何をしてる?
・あとからこの場所に来た人はいる?

登場人物の増減が捉えられない子は、頭のなかで人数の様子をイメージできていないことが多いです。文中の状況をイラストに起こし、人数を理解しやすくしてあげるのも良いですね。

理科・社会の語句知識も必要に

小4後半の説明文や論説文には、「湿度」「化学反応」「稲作地帯」「工場地帯」といった、理科や社会で習った語句が出てくることがあります。これらの語句は“知っていることを前提”として問題の作成者が文章を選定し、設問を作成しているため、語句の意味を理解していないと本文を正確に把握することは難しく、答えのミスも増えてしまいます。

塾講師として実際に見た事例
教え子のなかで、諸事情があり理科や社会を学習できていない子がいました。その子は「化石燃料」と書かなければいけない書き抜き問題で「化学燃料」と書いてしまっていました。これは見落としからのケアレスミスというより、「化石燃料」という言葉をそもそも知らなかったことから起こってしまった間違いといえます

文章のなかに理社で学習した語句が出てきたときは、親がその意味を確認したり、理社のテキストに書かれている内容と本文の語句を結びつけた話をしたりしてあげましょう。理科の基本語句のなかには、植物や虫など、文章だけだとイメージがつかみづらいモノも多いので、図版や写真を使って子供に実物を見せてあげると良いですね。社会であれば「化石燃料が身の回りでどのように使われているか」などについて教えてあげると、子供のなかのイメージが膨らみます。科目を横断した学習をすると「習ったことは色々なことにつながっているんだ」ということを子供が覚え、基本知識の理解がより深まることもあります。

小5の国語

小5の後半にもなると、文章の内容は一段と難しくなります。何をどのように復習させれば良いのか、国語の学習で悩んでいる親御さんも多いかもしれません。そこで「論説文」「物語文」「文法事項」に分け、注意すべきポイントと家庭学習の方法をお伝えします。

論説文 ―― テーマの理解を深める

小5前半と比べ、小5後半では論説文の内容がより抽象的になります。各大手塾のテキストにも、異文化理解、言語、科学、人間社会といった大学受験顔負けのテーマが並び、子供たちはこうした文章を「読みづらい」と感じるものです。しかし実は、論説文には頻出のテーマがあります。そして頻出テーマをあらかじめ理解しておくと、同じような文章が出てきたときに「前に読んだ内容に似てる!」と気づき、スムーズに読み進めることができるのです。

■論説文の頻出テーマ(例)
「人間は、自然界で自分たちがいちばん優れていると考えている。しかし、それは間違いだ」
「日本人は、欧米人に比べて『和の意識』を大切にする。その一方で、同調圧力は強い」

塾によっては、テキストの冒頭に「今回の文章はこういうテーマです」と解説が載っている場合があるため、子供と一緒に読み合わせをし、テーマへの理解を促しておきましょう。塾のノートを確認し、先生からテーマについて習っていた場合には、「このテーマはどんな内容だっけ?」と子供自身に説明させ、振り返り学習をおこなうのも良いですね。そして、学んでいたテーマの文章問題が出てきたときは、「このまえ読んだ文章に似てるね? 気づいた?」といった声かけをしてあげることで、テーマの内容がさらに深く定着していきます。

物語文 ―― まずは心情を知識として押さえる

小4から小5前半、そして小5後半と進むにつれ、物語文のなかでは受験生にとって身近とは言いがたい人物像や人間関係、心情の理解が求められるようになります。主人公が「大人」の文章もあり、この場合は大人の心情への理解も必要です。

■小5後半で学習する物語文(例)
・両親が離婚して、祖父母に預けられている小学生を描いた文章
・両親と一緒に暮らしているが、何らかの理由で両親と心が通い合っていない小学生を描いた文章

心情理解が求められる文章への対策としては、人物像や人間関係を整理して読んでいく習慣をつけることが大切です。たとえば、子供が文章を読んだあとに以下のような質問をしてあげるのも効果的。質問をくり返していくと、そのうち親の質問がなくても子供ひとりで関係性を整理できるようになります。

文章を読んだあとの質問
・どんな登場人物が出てきた?
・登場人物はそれぞれどんな性格?
・それぞれどんな背景(生い立ち)を持ってる?
・お互いのことをどう思ってる?

ちなみに、授業や親の解説を聞いても「ぼくはこんな気持ちになったことがない」「どうしてこの登場人物はこんな感情になるの?」と子供の理解が進まないことがあるかもしれません。「失望感」など、小学5年生ではまだはっきり自覚したことがない感情も多いものです。もしも文中にこうした感情が出てきたら、「人はこういうとき、こうした気持ちになるんだよ」と、まずは一般的な知識として教えてあげましょう。実際に感じたことがない感情であっても、ある程度知識として押さえられていれば、別の問題で同じ感情が出てきたときにもイメージできるようになります。

文法事項の理解もしっかりと

小5後半を過ぎると、「主語」「述語」「助動詞」「助詞」などの文法事項を詳しく学習していく塾が増えます。しかし、そもそも中学入試では文法知識を出題する学校は限られています。では、どうして文法の学習をしなければいけないのでしょうか? それは、文の構造理解や、助詞・助動詞の意味を押さえておくと文章の理解が進むからです。

■主語・述語・修飾語・被修飾語
⇒長い一文であっても正確に意味を押さえられるようになる

■助動詞
⇒筆者の主張がつかみやすくなる

「か」の反語表現
……「はたして本当に人類は自然を大切にしているの。(いや、していない)」
「さえ」の類推表現
……「ひらがなさえ読めない。(ましてや漢字は読めない)」

家庭学習では、まずは文中の主語・述語・修飾語・被修飾語を見分けられる段階まで進んでおくのが理想的です。一方で助詞や助動詞は、「何をどこまで定着させるか」という見極めがプロの講師でないと難しいのも事実です。子供へのサポートが難しいようであれば、塾の先生に相談してみることもおすすめします。

※記事の内容は執筆時点のものです

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