
ゲームばかりでなかなか勉強をしない息子。やる気を出させるにはどうしたらいいのでしょうか|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室
今回の相談
なかなか勉強をしない息子に頭を抱えています。塾の宿題も学校の宿題も「やらなければ」という考えはあるようなのですが、いつも目の前の誘惑に負けてしまっています。最大の誘惑であるゲームを隠すと激怒し、一日中ずっとまとわりついてゲームを要求してきます。「ゲームをしたあとに宿題をする」と約束しても守りません。
宿題は塾の授業終了後の自習時間でやり、残りは1週間後の授業がある直前。その時の集中力は素晴らしいのですが、直前詰め込みのためすぐに忘れてしまい、毎月のテストでは全く結果が出ません。宿題をやり始めるのが遅すぎて終わりきらないときもあります。当然、テスト勉強をやることもありません。
ゲームの時間は私のスマホアプリで管理しており、テレビのICカードを抜いたこともあります。あの手この手で対応してきましたが、入塾した小3からもうすぐ小6になろうというこの時期になってもまったく状況は変わりません。本人は受験を希望しています。主人は「やる気がないのならやめさせろ」と言うばかりで、あてになりません。
成績は低迷していますが、親バカながら「もう少し頑張れば成績を伸ばせるのではないか」と感じています。でも、このままでは時間がありません。息子にやる気を出させるにはどうしたらいいのでしょうか。
相談者:疲れた母
お子さまの学年:小5
桜井さんの回答

疲れた母様、こんにちは。
親バカでもなんでもなく、やれば出来る子はいくらでもいるのです。やらせるのが難しいわけです。ゲームの相談は数えきれないほど聞いてきましたが、皆さん最初で失敗しているのです。ゲーム好きになってからではなかなか難しいのです。
ぼくが子どもの頃は、インベーダーゲームにハマりました。夢中になりましたね。勉強とは無縁でしたのでやめる理由もありませんでしたが、ゲームのおかげでいつもお小遣いが底をついていました。この状態から勉強に夢中にさせるのはなかなか厳しいのです。
そんなことがあり、父親になったぼくはゲームにはずいぶん警戒していたのです。ゲームをする子がいかにダサいかを低学年から叩き込んでいました。将来ギャンブルでもされたら困るなあと思ったわけです。小学校卒業と同時にスマホを持たせましたが、ゲームにハマることはありませんでした。先手がカギなのです。
と言っても、すでにゲーム好きとなると何か考えなくてはいけませんね。うちもゲームではなく、だらけたい気持ちと闘いました。眠気とも闘いました。そんなとき、勉強がどうして大事なのか、どうして必要なのかを教えるわけです。1つや2つではありません。100でも足りないくらい説明しました。「なるほど、大人の仕組みってこうなのかあ」と、ぼくが感じる格差社会のようなことを教えるのです。こういう場所では色々制限があり具体的なことは言えませんが、大人社会の仕組みに多少尾ひれをつけて話すのです。これが効くんです。単発ではだめですが、連打すると効いてきます。段々「勉強しなきゃまずいじゃん!」となり「何も知らずに中学生にならなくて良かったね!」とまで言い出すのです。
すると当然「ん?どうして父さんは勉強しなかったの?」となるわけですが、「気づくのが遅かったんだよ!」と返すのです。これがまた本音だから効くわけですね。
勉強しなければ何が損でしょう?そこを考えてわが子に伝えてあげてください。お母様の言葉で伝えてあげて欲しいのです。子どもと言うのは格言のような他人の言は効き目が薄いのです。親の心の声が効くんです。
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※記事の内容は執筆時点のものです