中学受験ノウハウ 中学受験をするかどうか

「受験熱が高い地域だからウチも中学受験」って、あり?

2021年1月20日 木村美鈴

いわゆる“中学受験熱”が高い地域では、小3あたりから学校の友達の多くが塾通いを始めるのが一般的です。「みんなが塾に行ってるから、私も行きたい!」という子供の気持ちはわかるものの、親としては「こんな気持ちで受験を始めていいの?」と思うかもしれません。そういった地域で受験を迷っている方に向け、ふたりの子供の中学受験をサポートしている私の経験、そして友人から相談を受けたときの話をもとに、ひとつの考え方を紹介します。

「なんとなく」で始める中学受験はOK?

中学受験には覚悟がいる。そう聞く機会は多いと思います。それでは、周りの状況をキッカケに、なんとなく中学受験の世界に足を踏み入れるのはNGなのでしょうか?

以前、友人から連絡がありました。「『みんなが塾に行ってるから、自分も行きたい』って子供が言うの。そんなふうに中学受験を始めるのって、ありなのかな?」といった相談です。私は、次のふたつの理由から「それもありだと思う」と答えました。

・子供が勉強に興味を持ったときはチャンスだから
・がんばる友達の姿を見て「自分もやろう」と思うタイプの子もいるから

塾に通えば、今よりたくさん勉強することは子供でもわかっているはずです。にもかかわらず「塾に行きたい」と言うのであれば、子供が勉強に対して興味を持ったということ。受験のための勉強が、勉強の習慣をつける良いチャンスと、前向きにとらえてもOKだと思います。

そして集団塾の場合には「まわりの子のがんばりが、ほかの子に良い影響を与える」という雰囲気もあります。たとえば、わが子は通信教育で勉強していたときはモチベーションが上がらない様子でしたが、集団塾に通い始めると「今の勉強量じゃ足りない……」と焦り、勉強に前向きに取り組むようになりました。

子供は良い意味でも悪い意味でも、まわりの影響を受けやすいものです。勉強面でいえば、まわりの子の存在が良い結果につながることが多いな、と感じています。

中学受験を始めるときに意識したポイント

とはいえ、始めるときにやはり覚悟する部分も必要だと思います。わが家では受験勉強を始める前に「努力や我慢も必要になるんだよ。それでもがんばれそう?」と、本人のやる気を確認しました。そして何より、親である私自身も子供と受験を始める覚悟があるのか、心のなかで何度も確かめました。

また、塾に通うだけで子供が満足してしまうことに不安も感じ、次のような目標を持って勉強することも約束しました。

・志望校を決めて、その合格を目指して勉強をする
・目指す偏差値を決めて勉強をする

具体的な目標が見つかるまでは、塾からもらえる「ごほうび」を目標に勉強しても良いかもしれません。塾の先生によっては、実力テストや確認テストで100点を取ったときに、消しゴムやノート、賞状などをくれることもあります。わが子も、勉強をがんばった結果としてもらえる賞状やごほうびはうれしかったようで、勉強のモチベーションが下がったときにひとりで賞状を眺めていたこともありました。

まわりの環境もチェック

中学受験をするかどうか考える際、まわりの環境を冷静にチェックしてみることも大切です。

まわりの環境もチェック
・地元の公立中学の様子
・近くの塾の定員がオーバーしていないか

子供のタイプ・性格によっては、地元の公立中学の環境が合っている場合もあります。受験熱の高い地域でも、中学受験を選択しない家庭も当然あるので、まわりの様子を冷静に確認してみるのも大事なことだと思います。

そして近年の中学受験熱の高まりから、塾によっては定員オーバーで入れないケースもあるようです。通いたい塾が決まっている場合には、そもそも空きがあるのか聞いてみることも大事です。

受験生活で気をつけていること

「中学受験をする」と決めた方に向け、受験生の子を持つ私が普段から気をつけていることをお伝えします。

受験生活で気をつけていること
・注意しすぎない
・まわりの意見に流されすぎない
・「受験をやめたい」と言われた場合を想定しておく

受験生といっても、まだ小学生。常にやる気満々とはいかない。そうわかっていても、勉強しない子供を見るとイライラが募ってしまうんです。実際に私も「やるって決めたでしょ!」と子供に注意していました。でも、そうやって怒ってしまった後の子供との関係はギクシャクして、私が注意すればするほど子供のやる気はなくなっていきました。そのため今は「そろそろやる時間だよ」と声をかけるだけに留め、子供の自主性に期待するようにしています。

塾から口酸っぱく言われているのが、まわりの意見に流されすぎないことです。中学受験の世界は、ママ友の話やインターネットなどで多くの情報が入ってきます。私も経験がありますが、特に掲示板やSNSは見れば見るほど不安になってしまうのです……。そのため「どんな目的で受験を始めたのか」を振り返りつつ、自分にとって必要な情報だけを見るように心がけています。情報を取捨選択していくと、冷静に考えられるようになるのでおすすめです。

そして子供が「受験をやめたい」と言ったらどうするかも考えています。「友達が塾をやめたから」といった理由では認めない、「地元の公立中学の部活に興味があるから」といった理由なら受験をやめるかどうか家族で話し合うなど、もしもの時のことを考えておくと親としても安心です。ちなみにわが家では、子供を追い詰めないために「受験をやめたくなったら正直に伝えてね」とも伝えています。

子供のやる気が、スタートの合図かも

子供の受験生活をサポートしていて感じるのは、中学受験をめざすうえで大切なのは子供自身のやる気だということです。はじめは「友達が塾に通い始めたから」といった理由でも、子供が勉強に興味を持ち始めたのなら、それはチャンスだと思います。がんばる友達の姿を見て「自分も勉強をしよう!」と考える子も少なくありません。一番はじめのキッカケが周りからの影響だとしても、目標に向かって家族がまとまり、親子で話し合う機会が増えれば、受験のプラスの面を感じられるのではないかと思います。

※記事の内容は執筆時点のものです

合わせて読みたい