中学受験ノウハウ 親の関わり方

【中学受験】がんばっているのにできない! その原因と親の心構え

2021年3月03日 石井知哉

中学受験の勉強は、成績が順調に上がるときもあれば、思うように上がらないときもあります。「こんなにがんばっているのに、なんでできないんだろう……」と悩んでしまう親御さんも多いかもしれません。しかし、実はこうした壁にぶつかったときこそ子供が成長するチャンスなのです。

伸び悩んだときのチェックポイント

がんばっているのにできるようにならない場合、原因をはっきりさせたいですよね。まずは、伸び悩みの原因として考えられるポイントをチェックしてみましょう。

家庭学習の状況

はじめに、家庭学習の状況から確認してみてください。授業以外の勉強が不足していると、習ったことが定着しません。特に次のふたつの項目に当てはまる場合には、家庭学習や宿題の取りくみ方の改善が必要です。

  • 授業ノートやテキストを復習していない
  • 塾や家庭教師が出した宿題をやり切れていない

塾の授業中の様子

ふたつ目のチェックポイントは、塾の授業中の様子です。授業についていけているか、子供や塾の先生にときどき聞いてみると良いですね。特に次の項目に当てはまる場合は、授業の受け方を見直したいところです。

  • 遅刻・欠席をしている
  • 授業に集中していない
  • 先生の話を理解できていない

人間関係の悩み

家庭学習や、塾の授業に加えてもうひとつ、親がチェックしておきたいポイントがあります。それは、人間関係の悩みです。

友達とのケンカや口論など、人間関係のトラブルは子供にとってストレスの要因です。大人からみれば笑い話で済むような小さなことでも、本人にとっては心配のタネになるものです。友達との関係が気掛かりで目の前の問題に集中できず、勉強のパフォーマンスが下がることもあります。親としては子供の小さな変化を見逃さないためにも、学校や塾で過ごした1日の話を聞きつつ、話しぶりや声のトーン、表情など、変わったところはないか注意するようにしてください。

親の心構え

子供ががんばってもできないとき、親として心掛けておきたい心構えが3つあります。

「がんばってもできない」はおかしなことではない

「うちの子だけできない」と考えると、不安になって冷静さを欠いてしまいます。その結果、感情的な言葉をぶつけてしまい、子供が精神的に疲れてしまう恐れも……。親が焦れば焦るほど、視野が狭くなり、かえって解決が遠ざかってしまう可能性もあるのです。

「がんばっているのにできない」という状態は、中学受験生であれば基本的にどの子にも起こることです。「ああ、わが子にもそのときが来たか」とある意味開き直って考えることで、現状を落ち着いて受け止められるようになるでしょう。

立ち止まって考える

伸び悩んでいるときこそ、まずはゆっくり考える時間をつくりましょう。塾の授業は、先へ先へと進みます。その早いペースに合わせつつ、一方で伸び悩みの克服に向け、あれこれ解決策を試している親子も多いかもしれません。まさに「走りながら考えている」状態です。しかし、伸び悩みの原因はさまざま。塾の早いペースに流されるまま勉強していたのでは、原因はなかなか見えてきません。ですから親御さんとしては、子供と一緒に、あえて立ち止まってゆっくりと考える時間をつくってほしいのです。

「時間が解決してくれる」という気楽さを持つ

がんばってもできなかったことが、しばらく時間が経ったらできるようになることは多々あります。子供の理解力というのは、いくつかのステップを踏みつつ成長していきます。たとえば4年生のはじめに算数で習う「大きな数」は、億や兆などの数字を扱う単元のため、子供にはなかなか馴染みがありません。そのためはじめは理解が追いつかず、私の教え子のなかにも、あれこれ手を尽くしても理解できなかった子がいました。ところが4年生の後半になると、すんなり理解できていたのです。その子は算数だけでなく、ほかの教科の勉強も続けるなかでさまざまな知識を吸収していました。つまりこれらの知識が合わさり、そして理解力が深まったことで、億や兆といった馴染みのない数に対しても理解が進むようになったのです。

中学受験において、時間が解決してくれることは少なくありません。もちろん、一つひとつの単元をきちんと理解しながら進んでいくことは望ましい勉強法といえます。しかし「どうしてもわからない単元は、あとで戻ればいいよね」といった気楽さが、伸び悩みを解決するうえで有効に働く場面も多いのです。

できないときこそ、心の余裕を

がんばっているのにできない子供の姿をみると、親もつらくなります。「中学受験をあきらめたほうがいいのかな……」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、伸び悩みを経験していない受験生はほとんどいません。むしろ「伸び悩み」という壁にぶつかり、それを克服することをくり返しながら成長し、合格をつかみとる子が多いのです。がんばってもできないときこそ心に余裕をもち、子供を支えてあげましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

石井知哉
この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。