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自宅でのオンライン授業。塾講師おすすめの「効率的な受け方」

2021年3月10日 石井知哉

新型コロナウイルスの感染予防のため、学校や塾が積極的に取り入れているオンライン授業。「リモートだと子供が集中できなさそう」「やっぱり対面授業でないと心配」と考える親御さんも多いかもしれません。こうした不安を解消するため、塾講師の視点をもとにオンライン授業の効率的な受け方をお伝えします。

オンライン学習はタブレットかパソコンで

まず、オンライン学習の端末はタブレットかパソコンが適しています。大きな画面で文字が見やすく、授業に集中しやすいからです。一方でスマホは画面が小さく、黒板やホワイトボードの文字や図が見えにくいためおすすめできません。

ちなみに私がオンライン授業をしていると、スマホで授業を受けている子には、共通する“ある特徴”があります。それは、画面をのぞきこむような「前傾姿勢」になっていることです。前傾姿勢だと、画面を見るとき、そしてノートをとるときで姿勢が変わります。見ながら書くことができず、「見る → 書く → 見る → 書く」をくり返すことになるので、ノートに板書を写すスピードがワンテンポ遅れがちです。特に応用問題の場合は、解き方や途中式が複雑で文字量が多くなるため、写し終わるまでに時間がかかってしまいます。

前傾姿勢のデメリットは、学習効率の面だけではありません。健康面の心配もあります。顔を前につき出すような姿勢が長時間続くと、特に首の筋肉に負担がかかることが指摘されています。すると疲れやすくなったり、肩こりや頭痛を引き起こしたりする可能性があるのです。

以上の理由からも、オンライン授業を受ける場合には画面の大きなタブレットかパソコンがおすすめです。それでもスマホを使うしかない場合には、スマホをテレビにつなぐのもひとつの手。テレビ画面をモニター代わりにすると大きな画面で見やすくなり、学習効率がアップします。

なお、自宅で受けるオンライン授業は、塾の教室に比べると講師の目が行き届かず、子供の気が抜けてしまいがちです。そのため集中を保てるように、リビングやダイニングなど、親の目が届く場所で受講させると良いでしょう。

学習効果を上げる工夫

オンライン授業には「動画授業」と「通信授業」のふたつがあります。それぞれについて学習効果を上げる工夫をお伝えします。

動画授業
→ 講師があらかじめ撮影した授業を配信
通信授業
→ ビデオ会議システムを使い、双方向型でリアルタイムに授業を展開

動画授業

動画授業の効率を上げるコツは、巻き戻さないことです。見たいところまで巻き戻せるのは、たしかに動画授業のメリットです。一方で「いつでも巻き戻せる」という安心感から集中力が下がってしまう、というデメリットも考えられます。たとえば60分の授業動画を見終えるまでに何回も巻き戻しているうちに、気づくと90分、120分と時間が過ぎていることも……。これでは効率的ではありませんね。

そこでおすすめなのが、「動画授業は巻き戻ししない」というルールをつくってみること。「巻き戻さない」と決めると、聞き逃したからといって巻き戻して再度聞くことはできなくなるので、対面授業と同じような緊張感のなかで授業を受けられるようになります。

授業後に見直すのは効果的

動画授業を見た後は、授業で解いた問題を解き直したり、宿題に取り組んだりすることもあるでしょう。このとき、わからないことを解決するために動画を見直すのは効果的です。

ただし、授業のスピードについていくのに苦労している子もいるかもしれません。こうした子には「一時停止はOK」というルールを追加するのもひとつの手。板書をノートに写すときは一時停止し、再生した後は講師の話を聴いたりメモしたりすることに集中させると良いですね。

通信授業

講師と生徒とのやり取りがリアルタイムで進む通信授業の場合は、一時停止ができません。特に、板書に時間のかかる子は不安ですよね。そこでおすすめしたいのが「スクリーンショット」です。

スクリーンショットとは、パソコンやタブレット、スマホの画面をそのまま写した画像のこと。スクリーンショットを使うと板書を一瞬で画像化できるので、授業のスピードが早くて写しきれない場合でも安心です。スクリーンショット自体の操作は難しくありませんが、機種によって方法は異なります。オンライン学習に使う端末で、あらかじめ子供と一緒にスクリーンショットの撮り方を練習しておくと良いでしょう。

3つのチャンス

自宅で受けられるオンライン授業は、親にとっても3つの意味で“チャンス”といえます。

第1のチャンスは、授業の様子がよくわかることです。特に、次のような「親として気になるポイント」をチェックできるのはメリットといえるでしょう。

● 子供がどの単元を進めているか
● 講師の解説はわかりやすいか
● 授業のスピードは子供に合うか
● どんな宿題が出されているか

第2のチャンスは、授業中の子供の姿を観察できることです。次のように、ふだんの教室授業ではわからない子供の様子をチェックできるのもメリットです。

● 授業に集中できているか
● 内容を理解しているか
● 授業のスピードについていけているか
● 問題をしっかり解けているか

第3のチャンスは、学習習慣を変えやすいことです。たとえばオンライン授業をきっかけに、親の目が届き、「集中しやすい」ともいわれるリビングでの家庭学習をする習慣をつくれるかもしれません。塾の行き帰りの時間や体力の消耗も抑えられるので、オンライン授業が終わったらすぐに復習・宿題に取り組むという習慣をつくってみるのもおすすめです。

オンライン授業をうまく使おう

オンライン授業は「対面授業の代わり」と位置づけられがちです。しかし使い方次第では、対面授業よりも優れた効果を発揮することがあります。自宅でのオンライン学習を工夫し、成績アップと志望校合格を引き寄せていきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

石井知哉
この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。