中学受験ノウハウ 勉強法

合格に近づく! 3つのステップの「計画の立て方」

2021年4月05日 松田翔

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「志望校合格のために欠かせないことは?」という質問に対し、あなたはどのように答えますか。「努力」「カリスマ講師の授業を受けること」など、さまざまな考え方があると思います。たしかにどれも大切な要素かもしれませんが、忘れてはいけないのが「計画を立てる力」です。栄光学園から東京大学へと進学し、中学受験の指導に7年以上携わって「計画」の大切さを身に染みて感じてきた私の経験をもとに、中学受験合格に近づく計画の立て方をお伝えします。

計画はなぜ必要か

そもそも、なぜ計画が必要なのでしょうか。この質問に答えるためには、まずは無計画で受験勉強に臨むのは“目的地と地図のない旅”と同じ、ということを理解することから始める必要があります。

旅行をするときには、まずは目的地を決めますよね。そして地図を見ながら目的地までの行き方を調べ、旅の計画を立てます。実は、これは受験勉強も同じ。「第一志望合格」という目的地にたどり着くまでには、「計画」という名の地図をつくり、その地図通りに進んでいくことが欠かせません。そして計画があれば「2月1日の入試本番に向け、1月は過去問をたくさん解くことに時間を割こう。そのためには、12月中には塾のテキストをすべて終わらせている必要があるな」といったように、時期ごとにやるべきことが明確になっていきます。すると、無計画なまま受験勉強を開始してしまい、直前期になっても過去問を1回も解いていない……、といった状態を回避することができるのです。

努力は平気で嘘をつく

中学受験では、がむしゃらに努力をするタイプの子ほど努力の方向性を間違えてしまう傾向にあります。「野球選手になりたい!」と言っているにも関わらず、毎日テニスの練習をしているような子が少なくないのです。

正しい努力をするためには、まずは「合格のために何をすればいいのか」と考え、計画を立てる必要があります。大リーガーのダルビッシュ投手も、次のような名言を残しています。

練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ

「努力は平気で嘘をつく」という真理を突いた言葉ですが、彼はプロ野球選手としての経験上、「考えに考えを重ね、目標に向かって正しい努力をしなければ目標は達成できない」といったことを身に染みて感じてきたのでしょう。

計画の立て方

次の3つのステップに分けて、計画の立て方について解説していきます。

計画を立てる3つのステップ
1、合格最低点から逆算する
2、受験本番や模試から逆算する
3、実現可能性をチェックする

合格最低点から逆算する

まずやらなければならないのは、合格“最低点”から逆算するということです。そもそも中学受験の「合格」とは、基本的には「合格最低点以上を取る」ということ。志望校が決まっているのであれば、過去10年分の合格最低点を調べ、何点取る必要があるかを把握しましょう。たとえば、次のように計画を立てていきます。

400点満点中250点取れば、過去10年はどの年でも合格できている。少し余裕を持たせて260点を取ることを考えると、得意の国語と社会で合わせて150点、苦手な算数と理科で合わせて110点を取ればOK。でも過去問を解いてみたところ、算数と理科で80点しか取れなかった。なので、算数と理科の頻出分野を12月末までに攻略して、1月上旬までには算数と理科で110点を取れるように目指していこう ――。

合格のためには、高得点をやみくもに目指していく必要はありません。まずは合格最低点から逆算し、必要な点数を取れるように計画を立てていきましょう。

受験本番や模試から逆算する

計画は、大事な模試や入試本番から逆算したものになっている必要もあります。たとえば、次のような計画が理想です。

今日は9月1日で、第一志望校の入試日は2月1日。12月の第1週にある模試でいい点を取りたいから、11月末までの3ヶ月で150ページの参考書を終わらせたい。すると毎月50ページは進んでいないと間に合わないかも。つまり、毎日5ページは進めていかないと ――。

行き当たりばったりの勉強をしていると、模試や入試までに終わらせたい勉強をやり遂げられないかもしれません。計画を立てる際には、大事な模試や入試本番から逆算して考えていくことも意識しましょう。

実現可能性をチェックする

最後に、計画の実現可能性をチェックしましょう。たとえば合格最低点、そして模試や入試日から逆算した計画を立てられたとします。しかし「1日20時間勉強する」といった無謀な計画では、そもそも計画を進められません。計画は、計画どおり行動することができてはじめて意味が生まれるものです。計画に取り組む前には、そもそもそれが実現可能かどうかをしっかりと確認するようにしましょう。

計画は、合格までの羅針盤

計画を立てることの重要性と、計画の立て方についてお伝えしました。もしもゴールから逆算した計画が立てられていない場合には、お伝えした以下のステップをぜひ実行に移してみてください。練りに練られた計画は、「第一志望合格」という名の目的地へと導いてくれる羅針盤となってくれることでしょう。

計画を立てる3つのステップ
1、合格最低点から逆算する
2、受験本番や模試から逆算する
3、実現可能性をチェックする

※記事の内容は執筆時点のものです

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