大学生になった息子を見て振り返る。中学受験を経験して感じたメリットとリスク
中学受験にチャレンジするとなると、遊びたい気持ちを抑えての塾通い、そして習いごとを整理する必要も出てきます。これまでの生活と天秤にかけ、中学受験を続けるか迷っている家庭も多いのではないでしょうか。私自身も悩んだことがありますが、結論としては息子に中学受験をさせたことに大きな後悔はありません。中高一貫校に進学後から大学受験までの日々を振り返り、私が感じた中学受験のメリットをお伝えします。
Contents
中学受験のメリット
生活面においても学習面においても、中学受験を経験して良かったと思える以下の3つのことがありました。
- 自信をもって中学生になることができた
- 難しい時期の高校入試を回避できた
- 大学入試に向けた環境が整っていた
自信をもって中学生になることができた
親として何よりもうれしかったのは、小学生の時点で息子がしっかりとした目標を持って勉強に取り組めたことです。そして合格という体験を経て、大きな自信と、「中学生になる」という自覚を持つことができたように思います。
息子は中学に入り、受験で中断していた“子供時代”を取り戻すように部活に熱中する日々を送っていました。サッカー部に入部し、放課後は毎日ボールを追いかける生活が始まりましたが、小学校のときにはなかなか手に入らなかったこうした日々に息子は満足感を覚えていたようです。
ちなみに親として特に心配だったのは、中1の夏。小学生のころは冷房の効いた塾で勉強していたため、「熱中症にならないかな……」とハラハラしていました。しかしそんな私の心配をよそに、真っ黒に日焼けして「今日も楽しかった」と話す息子に、親として頼もしさすら覚えましたね。
難しい時期の高校入試を回避できた
中高一貫校に進学して感じた大きなメリットは、高校入試を回避できたことです。一般的に中学3年生、つまり高校受験を控える子供は思春期まっさかり。親としての接し方が特に難しい時期です。私の家庭も例に漏れず、息子との関係に一番悩んだ時期でした。口数が少なくなり、何を考えているかわからなかったことも一度や二度ではありません。こうした時期を振り返ると、もしも息子が高校受験に臨んでいたら、進路などについて親子でじっくりと話し合うことは難しかったかもな……、と思います。
大学入試に向けた環境が整っていた
中高一貫校に進学したことは、大学入試にも大きなメリットがありました。たとえば息子が通っていた中高一貫校では、中1のはじめから大学入試を視野に入れた授業があり、6年間をかけてじっくりと力をつけられる体制が整っていました。高2までに高校過程の勉強をほぼ全て終え、高3の1年間は受験勉強に集中できたのも良かったみたいです。
そして息子に何よりも大きな影響を与えたのは、身近な先輩が難関大学に合格していく姿を間近で見られたこと。サッカー部で一緒にボールを追いかけ、共に汗を流した先輩たちが部活引退後に“受験モード”に切り替える姿、そして難関大学に進学していく姿に「未来の自分の姿」を重ねていたようです。
憧れの大学に合格した先輩が愛用していた参考書を譲り受け、とても嬉しそうにしていた息子。リレー走者が “バトン”を受け取ったかのように一心不乱に走り続け、自らも東大に合格できたのは、息子にとって中高一貫校の環境がまさにメリットの多い場所だったからこそだと思います。
中学受験で感じたリスク
ここまでメリットをお伝えしましたが、中高の6年間が順風満帆に進んでいたわけではありません。不安や悩み、そして中高一貫校に進学したからこそ感じた以下のふたつのリスクがあったことも事実です。
- 6年間は想像以上に「長い」
- 学校が合わないとショックが大きい
6年間は想像以上に「長い」
母親として一番困ったことは、息子が“だれる時期”があったことです。中3から高1にかけての時期だったかと思いますが、特に中3の夏、部活の試合が終わると打ち込めるものがなくなり、親の目から見ても怠けている様子が見られました。高校生になっても友達関係に新鮮味がなく、どこか目標を見失っているようにも思えましたね。もちろん高校入試がないこと、友達との信頼関係を中高で深く築けることはメリットに感じていましたが、一方でどうしてもだれてしまう時期があることから、親としては「6年間は正直長いな……」と感じてしまうことも少なくありませんでした。
学校が合わないとショックが大きい
「進学した学校に子供が合わなかったら……」という点にリスクを感じることも多かったですね。幸い、息子は学校に馴染めましたが、学校が合わないことに悩む親子の姿を目にしたこともあり、親としては気持ちが痛いほどわかりました。中学受験を頑張りぬいて合格を手にした学校なだけに、その学校が合わなかったときのショックは大きなもの。入学後に息子が通学を拒んだらどうすれば良いか、そしてこうしたときは親として色々な選択肢を用意してあげる必要があるのでは、と考えたこともありました。
まとめ
振り返ってみると、小学校の6年間と同じくらい、中高の6年間で子供は大きく成長したように思います。一方で大人に近づくにつれ、子供はだんだんと親から離れていきました。頼もしさを感じる反面、親としては正直寂しさもありましたね。
中学受験は、親子で取り組める“最後のチャレンジ”なのかもしれません。こうした意味において、中学受験は「親子の絆を深められる」という点においてもメリットがあるといえそうです。
※記事の内容は執筆時点のものです
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