中学受験ノウハウ 親の関わり方

子供がゲームをやめない……。父親の私がたどり着いた「対策」を紹介

2021年9月27日 山根厚介

0

子供のゲームを放置しておくと、際限なくやってしまうことがありますよね? 当然、受験勉強にも影響してきます。しかし、ただ闇雲に禁止しても逆効果になることもあって、どう対処すれば良いかは親として悩ましいところです。私自身、中学受験生の子を持つ父親として試行錯誤をしてきましたが、そのなかから子供の「ゲーム問題」に効果があまり感じられなかった方法、そして効果が見られた方法を紹介します。

対処前 ―― とにかく「禁止」にしていた

わが家では、もともと1日のゲーム時間を30分にしていました。しかし、はじめは時間をごまかしたり、親がいない隙にゲームをやっていたりなど、ルールが守られないこともしばしば……。子供が高学年になるにつれてルールを破る回数も増え、受験勉強にも身が入っていないように思えたことから、親として「ゲーム問題」について真剣に考えることにしました。

わが家で実践したゲーム対策

■効果なし
・ゲームを禁止する
・ゲームを好きなだけやらせる
■効果あり
・読書をしたらゲーム時間を増やす

効果なし ―― ゲームを禁止する

私自身、はじめは「ルールを破ったら罰を与えれば大丈夫かな」と軽く考えていましたが、そんな簡単なものではありませんでした。まず手始めにゲームを禁止し、最初は1週間禁止、ルールを破ることが続くと2週間禁止、といった形にしましたが、子供がルールを守る様子はありません。結果として、禁止期間はどんどん伸びていきました。そしてゲームを禁止しても、子供は勉強をしません。今度は、YouTubeを見るようになったのです。

そこで私は、「ゲームの禁止期間は“謹慎期間”だよ」と子供に伝え、YouTubeも禁止にしました。今になって考えてみると、YouTubeまで禁止するのは少しやり過ぎだったように思いますが、私自身それだけ感情的になっていたのです。

ゲーム禁止、そしてYouTube禁止 ―― 。それでも、勉強をする様子は一向に見られません。そして今度はマンガを読み始めたため、マンガも禁止にしました。それでも、勉強はしません。今度は何をしているのか見てみると、何もせずぼーっとしているのです。受験勉強に対して、完全にやる気を失っている様子でした。ここまできて、私はようやく「どんなに禁止しても、勉強するようにはならない。むしろやる気を削ぐだけ」ということに気づいたのです。

効果なし ―― ゲームを好きなだけやらせる

そこで今度は、「イヤになるくらいゲームをやらせてみたら飽きるのでは?」と思って、一日中ゲームをさせてみました。1週間続けてみましたが、ゲームをやめる気配はまったくなく、私のほうが根負けしてしまいました。

効果あり ―― 読書をしたらゲーム時間を増やす

むやみに禁止してもだめ、かといって好き放題やらせてみてもだめ ――。そこで「何か成果に応じてゲームの時間を与えてみたら良いかも」と考え、次の3つを“成果”としてみました。

設定した“成果”

  • 成績(効果×)
  • 勉強時間(効果×)
  • 読書(効果〇)

成績

まずは、「成績が上がったらゲームをしても良いよ」と子供に持ちかけました。はじめこそ子供は乗り気でしたが、すぐに忘れてしまったようで、結局成績は上がりませんでした。「成績を上げる」というのは、小学生の子供にとっては遠い目標過ぎたんですね。そのため、もっと短期的に見えやすい成果にすることにしました。

勉強時間

そこで、次は「勉強時間」に応じてゲーム時間を増やすことにしました。これも最初は上手くいったように思えましたが、勉強の成績は連動していきません。子供の様子を見ていると、ただ机に座っているだけ、テキストを開いているだけ、といった時間を過ごしていたのです。これでは勉強といえず、かといって親の私が勉強をずっと監視しているわけにもいきません。勉強時間を“成果”とすることも失敗してしまいました。

読書

最後に、「読書時間」に応じてゲーム時間を増やすことにしました。つまり「読書をすればゲームをしてもいいよ」といったルールにしたのです。結果的に、これが一番うまくいった方法です。子供は読書でもインチキをすることはありましたが、読書の場合にはウソを見破るのは簡単。“インチキ読書”のときは、「どんな本だった?」と聞いてみるとまともに返答ができないからです。読書の場合、たまに抜き打ちでチェックすれば大丈夫なので親の負担にもなりません。そして、子供がルールを破る回数は大幅に減っていきました。

ちなみにこのルールをつくったあと、子供が自主的に本を読むようになったのにも驚きましたね。また、禁止期間を長くするとかえってやる気を失ってしまうため、読書をしなかった場合のゲーム禁止期間は3日ぐらいが効果的でした。

罰を与え過ぎるのは逆効果

ゲームと勉強のバランスは、中学受験生の子を持つ家庭にとってはむずかしい問題です。自分を律して勉強ができる小学生はなかなかいないでしょうから、ある程度は親が介入しないといけません。そして子供のゲーム問題に格闘するなかで私が学んだのは、「罰を与え過ぎるとやる気を削いでしまう」「ゲームがなくなっても勉強はしない」ということです。

わが家では「読書をしたらゲームをしていいよ」というルールが効果的でしたが、このバランスは家庭によって異なるかと思います。子供の勉強のモチベーションを下げないような方法を、根気強く探していきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

0