連載 中学受験との向き合い方

子供の話をじっくり聴く「傾聴」の心構えとは ―― 中学受験との向き合い方

専門家・プロ
2021年11月17日 やまかわ

首都圏の一部では、4人に1人の小学生が挑戦するともいわれる中学受験。子供の受験に親はどう向き合えばよいのでしょうか。この連載では、『中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由』の著者である、田中純先生に中学受験との向き合い方をテーマにさまざまな話を伺います。

「傾聴」とは、相手の言葉に耳を傾けることであると同時に、相手の言葉の奥、言葉にならない気持ちや思いに心を寄せることです。ひと目でわかることは、『聴』という漢字は「耳」「目」「+」「心」から成っています。私は「+」と「心」を括って「プラスの(肯定的な)関心」と読み解いています。

まだ語彙力が十分ではない子供を相手に、一緒に向き合ったり、寄り添ったりして悩みをはっきりとさせたり、気持ちを晴れやかにさせたりするためには、大人側に粘り強さが必要になります。でも、「聴いてもらえた」と子供が感じたとき、それは強力なサポートを得ることになります。

ピッチング練習に付き合うキャッチャーのように受け止める

傾聴という言葉を辞書で引いてみると「耳を傾けて熱心に聞くこと」と出てきます。職場や学校の授業、習い事など、さまざまなシチュエーションで傾聴の機会がありますが、今回はそのなかでも「親が子供にできる心のケア」という観点で「傾聴」について考えていきます。

悩みや不安な思いでいっぱいな子供が、その胸の内を明かすというのは、実はとても大変な作業です。勇気を持って親に打ち明けた結果、「話を聴いてもらえた」「受け止めてもらえた」という安心感を子供自身が持てれば、それは上手な傾聴ができたと考えて良いでしょう。

日常の会話をキャッチボールにたとえるならば、傾聴する人は「投げ合う人」ではなく、ピッチング練習に黙々と付き合う、キャッチャーのような存在なのかもしれません。

傾聴する姿勢・タイミング

まずは、普段から子供の話をちゃんと「真正面で受け止める習慣」を作りましょう。他愛ない話であっても、“片手”間で聴くのではなく、“両手”で受け止めます。ご想像できるでしょうが、「真正面で、両手で受け止める」は宝物の取り扱いの基本です。子宝の取り扱いも同様ですね。

では少し踏み込んで、「ちょっと話を聴かせてくれるかな」と親御さんが傾聴の姿勢を見せるタイミングはどのような時なのでしょうか?

まずは「子供の様子が普段と違う」ということがきっかけになりますね。表情が硬かったり、どこかぎこちなかったりというように、普段との違いを感じる場合です。

学年の入れ替わりの時や、テスト・模試の直後、夏休み・冬休み明けなど、通常とは異なる時期は耳を澄ますポイントです。誰にとっても、「変化」はストレスの根源になりえますから。その変化に気づくためにも、情報収集のためにも、前述の「真正面で、両手で受け止める」が役に立ちます。

話の切り出し方にはいろいろな種類があります。たとえばこういった切り出し方がありますよね。

「今日は学校(あるいは塾)、どうだった?」

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田中純
田中純 専門家・プロ

開成中学校・高等学校、国際基督教大学(ICU)教養学部教育学科卒業。神経研究所付属晴和病院、中高教諭、学校カウンセラーを経て公文国際学園開講準備に参加。現在は赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所、コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク(CNN)などでカウンセリングやコンサルテーションを行っている。相性はDon先生。著書「ストレスに負けない家族をつくる」「中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由」(みくに出版)。公式YouTubeはこちら

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この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。