中学受験ノウハウ 公立中高一貫校

【公立中高一貫校対策】適性検査ではどんな学習が求められる? 家庭でできる3つのポイント

専門家・プロ
2018年4月06日 佐藤智

人気が高まっている公立中高一貫校。しかし、1990年代になって登場してきた学校なだけに、私立中学校受験よりも情報が少なかったり、塾でも合格実績がなかったりと対策の難しさが指摘されています。そこで今回は、『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著書がある教育ライターの佐藤智が、ご家庭でできる公立中高一貫校の適性検査に有効な学習の3つのポイントを紹介します。

1.公立中高一貫校を目指すなら「なんで?」の会話を増やす

公立中高一貫校の適性検査では、社会的な話題が取り上げられたり、グラフを読み取って考察したりする問題が多く出題されます。正確に情報を読み取る力はもちろん欠かせませんが、それだけでなく、自分の考え・論理を展開していくことが求められます。

これは、ドリル的な学習の中では、なかなか身につきません。必要なのは、社会的な課題に興味を持ち、それに対して自分なりに考える習慣をつけることです。

まずは、ご家庭の中で子供の好奇心を育て、それに対して「どうして?」「なんでそんなふうになると思う?」などと問いかけて、考えを深めていくことが大切です。先回りして答えを伝えてしまったり、子供の答えを無下に否定しまったりすることはNG。せっかくの子供の思考の深まりを妨げてしまいます。

自分の考えを持ち、表現する力をつけることは、一朝一夕にはいきません。子供と一緒に過ごす時は、会話を大切にして、きちんと話に耳を傾けていきましょう。

2.地域活動を活用し「体験的に学ぶ機会」を増やす

公立中高一貫校の適性検査では、「自分の体験を交えて記述しなさい」という問題が出されることが少なくありません。机にかじりついた勉強ばかりしていては、こうした問題を解くことは難しいでしょう。

自身の体験を求める問題に対応するために必要なものは、多様な経験です。

昨今では、さまざまな教室や習い事が充実していますが、どうしても費用がかかります。そこで目を向けていただきたいのが、地域の活動です。

地域の自然教室や科学教室には、無料や低額で開催されているものが少なくありません。また、地域に根ざしたボランティアなどを通じて、社会的な視野を養うという方法も有効です。

こうした体験は、ただ適性検査に対処するためだけのものではありません。多様な経験をしていくことで、学校に入ってからも、さらには社会に出てからも伸びていく子供を育てることができるのです。

地域の体験活動を探してみて、ご家庭で参加を検討してみてはいかがでしょうか。

3.テレビ・漫画をフル活用! 「一緒に見て対話」がカギ

ひと昔前までは、テレビや漫画は“勉強の天敵”として扱われてきました。もちろん、際限なくテレビや漫画に没頭してしまうと、勉強時間がなくなってしまうという側面はあります。

しかし、テレビや漫画も、うまく活用すれば子供の学びを深めるツールになりえます。

公立中高一貫校の適性検査では、文理融合の社会的な課題をテーマとした問題が出されることが少なくありません。

環境問題、歴史文化的な話、地域課題などについて、一度も触れたことがなければ、そうした設問にどう取り組んでよいかわかりません。

そうならないためにも、ご家庭で、多様な社会問題に触れておく必要があります。冒頭でお伝えしたように、ご家族の中で社会問題をテーマとして取り上げて話し合えるとよいのですが、それはなかなかハードルが高いという方もいるでしょう。そんな時は、テレビや漫画を使って、社会的な課題の一端に触れさせてみましょう。昨今は非常に質のよいドキュメンタリー番組などもあります。ご家庭で一緒に観て、対話し、考えを深めてみるのはいかがでしょうか。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者
佐藤智 専門家・プロ

教育ライター。両親ともに、教師という家庭に育つ。都留文科大学卒業後、横浜国立大学大学院教育学研究科へ入学、修了。中学校・高校の教員免許を取得。中央経済社、ベネッセコーポレーションの教育情報誌『VIEW21』の編集を経て、独立。株式会社レゾンクリエイト(http://raisoncreate.co.jp)を設立。

「子どもたちに、人生を切り拓く力を」という思いから教育ライターに。著書に、『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『先生のための小学校プログラミング教育がよくわかる本』(共著、翔泳社)がある。