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【後編】理科でも社会でも注目の時事 地球温暖化と温室効果ガス|なるほどなっとく 中学受験理科

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2021年12月26日 水溜 兼一(Playce)

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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

入試理科では、理科的思考力が求められます。子どもの理科的思考力を養うためには、普段から身の回りのいろいろな事象に興味を持ち、その原因を理科的視点で捉える姿勢が大切です。前回に引き続き、さまざまな事象のなかから「地球温暖化」にフォーカスして、小川先生にお話いただきます。

地球温暖化が世界や日本に与える影響は?

地球温暖化は、化石燃料の使用や森林の減少などによって、二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」が増えて起こると考えられています。二酸化炭素やメタンは赤外線を吸収する性質があり、これらの気体の濃度が高くなると、吸収される赤外線が多くなります。さらにこの赤外線が再放出されると、地表面近くの空気を暖めます。温室効果ガスに覆われた地球が、まるで温室に入っているようなイメージから、この状態を「温室効果」と呼びます。今回はまず、地球が温暖化すると世界や日本にどんな影響を与えるかを考えます。

■世界では……

  • 南極の氷や北極海の海氷がとけることで海面が上昇する
  • 豪雨や熱波など極端な気象現象が起きやすくなる
  • サンゴ礁などの生態系の損失
  • 気温の上昇や干ばつなどで農作物が育ちにくくなる
  • マラリアなどの熱帯性の感染症が拡大する

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小川眞士

小川眞士

  • 専門家・プロ

小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

水溜 兼一(Playce)

  • この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。