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【前編】理科でも社会でも注目の時事 地球温暖化と温室効果ガス|なるほどなっとく 中学受験理科

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2021年12月25日 水溜 兼一(Playce)

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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

入試理科では、理科的思考力が求められます。子どもの理科的思考力を養うためには、普段から身の回りのいろいろな事象に興味を持ち、その原因を理科的視点で捉える姿勢が大切です。今回は、さまざまな事象のなかから「地球温暖化」にフォーカスして、小川先生にお話いただきます。

地球がかぶっている毛布がどんどん厚くなる!?

ニュースなどでよく聞く「地球温暖化」は、入試問題でも取り上げられます。今年(2021年)は、地球温暖化に関する研究を行った科学者・真鍋淑郎氏が、ノーベル物理学賞を受賞しました。また、ここ数年立て続けに起こる豪雨などは地球温暖化が一つの原因と考えられています。温暖化の問題は、世界が取り組むべき喫緊の課題であり、来年以降も中学入試で継続して出題される可能性があります。今回は、地球温暖化の理解の第一歩として、「温室効果」を説明します。

太陽によって地表が温められると、その熱が主に赤外線となって大気を通り、地球の外に放出されます。大気には、窒素や酸素などいろいろな気体が含まれていますが、二酸化炭素やメタンは赤外線を吸収する性質があります。

温室効果ガスによる地球温暖化

二酸化炭素やメタンの濃度が高くなると、吸収される赤外線が多くなります。さらにこの赤外線が再放出されると、地表面近くの空気を暖めます。

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小川眞士

小川眞士

  • 専門家・プロ

小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

水溜 兼一(Playce)

  • この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。