中学受験ノウハウ 習慣づけ

中学受験に向けて勉強を習慣化するには?

専門家・プロ
2018年4月09日 西村創

0

中学受験をするなら、勉強の習慣化は不可欠です。でも、そうはいってもなかなか身につけることが難しいのが勉強の習慣。無理なく勉強を習慣化させ、中学受験を成功に導く方法を紹介します。

勉強を習慣にするには、「時間」「場所」「内容」を固定する

今までになかった習慣を新たに習慣にするというのは、「やらない」を「やる」に変えるという正反対の行動であり、たいていうまくいかないものです。しかも数カ月、数年と継続させるのは並々ならぬエネルギーが必要です。

したがって、勉強を習慣にするには、勉強する「時間」と「場所」と「内容」を固定することが大切です。外から帰宅したら手洗いをする、寝る前に歯を磨くといった行為と同じように、意識しなくても自然と勉強できるようになる、勉強がルーティンになるのが理想的です。

起床後、授業後、就寝前の学習

まず、勉強する時間の固定化について、おすすめなのは起床後、授業後、就寝前の学習です。朝起きたら、寝る前に覚えたものの再確認をします。

また、塾の授業を受け終えたら、すぐに帰り支度をせずに、その場、あるいは自習室で受けたばかりの授業内容の振り返りをしましょう。

授業後、勉強道具一式をリュックやカバンに一度入れると、今度は出すのが面倒になってしまいます。しまい込む前に振り返り学習をすることで、行動の負担を軽くします。

脳の疲労がピークに達している就寝前には漢字や慣用句、ことわざなど、単純な暗記ものに取り組むのが合理的です。そして、それらの勉強道具はあえて片付けずに就寝します。

朝起きたらすぐに、寝る前に勉強した内容がどれくらい頭に入っているか、自分でテストをします。机には寝る前に出しっぱなしにして置いたものがそのままになっているので、勉強の体制を整える負担がなく、すぐに取りかかれます。

覚えたはずのものをテストしてみて、忘れているものがあればすぐに覚え直しましょう。これをとにかく一週間。まず一週間続けることができれば、習慣化できます。

勉強する場所と内容をセットで固定化する

勉強する内容によって場所を変えるのも習慣化に有効です。自分の部屋の机だけが勉強場所とは限りません。

朝食を待つ間のリビングのテーブルや、塾の自習室の決まった席はもちろん、風呂やトイレといった場所も、勉強場所として意外と使えます。

勉強するつもりがなくても必ず行くところを勉強場所にすることで、自然と勉強する意識のスイッチがオンになることをめざします。

リビングのテーブルでは前日の夜に勉強した国語の知識分野の勉強、塾の教室や自習室では授業のテキストと副教材、風呂では漢字の読みといった具合に、勉強する場所と内容をセットで固定化することで習慣化につながります。

勉強を習慣化させるために、内容のハードルを思い切り下げる

勉強する「時間」「場所」「内容」を決めても、それだけではなかなか長続きは難しいことでしょう。そういう場合は、思い切って勉強する内容のハードルを下げることも大切です。

たとえば、夜寝る前に覚える漢字の量について、50題が理想(目標)だとします。だからといって、「毎晩漢字を50題覚えよう」と意気込むと、たいてい三日坊主に終わります。目標を立てた当初のモチベーションは長続きしないものだからです。

ハードルを理想の3割程度に下げて、とにかく継続することを最優先にします。3割でも難しいようであれば1割からでもOKです。

勉強の習慣化の最大の敵は「面倒臭さ=怠け心」です。これからまとまった時間、勉強に取り組まないといけないと思うから面倒になって、長続きしないのです。わずか数分で終えられる量であれば、勉強に取り組む心理的なハードルが下がり、すぐに取りかかれます。

取りかかることさえできれば、やる気が出始めるものです。やる気はやり始めることで出てきます。理想の1割の勉強をある程度習慣化できたら、次は2割、3割とあとから増やしていけばいいのです。スモールステップをくりかえすことで、やがて理想に近きます。目標は欲張らず、控えめにするのが長続きのコツです。

さて、いかがでしたでしょうか。三日坊主で終わらせず、うまく勉強を習慣化させて、受験の成功につなげてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

0