中学受験ノウハウ 塾選び

通塾開始が小3の2月より遅れる場合に必要な対策

2018年4月12日 あっぷー

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以前は中学受験のための通塾は5年生が主流でしたが、現在は時期がだいぶ早まっており新4年生で通塾を開始するのが一般的です。新4年生というと、小学校でも4年生になる4月と思いがちですが、注意が必要なのは中学受験における4年生と小学校の4年生とではスタート時期が異なることです。

小学校では4月が新学年となりますが、大手進学塾で新学年がスタートするのはそれよりも早い2月~3月。

つまり、大手進学塾でいう新小4は、小学校ではまだ3年生。「4年生から通塾開始」といっても、小学校で言えば3年生の2月~3月頃にあたり、まだ小学4年生にはなっていないときのことを指すので注意が必要です。

通塾開始が新小4以降に遅れるとどうなるの?

新小4からの通塾が一般的とはいえ、習い事の調整や家庭の事情から通塾開始時期が遅れることは少なくありません。大手進学塾では、適宜入塾テストを受けることができますし、新小4に遅れたからといって中学受験をあきらめる必要はありません。

ですが、新4年生以降の入塾にはデメリットもあります。そのデメリットをあらかじめ知っておき、家庭で対策をしておくことで、後々の苦労を軽減させることができます。そもそも通塾開始時期が遅れることで、なぜ家庭で対策をする必要があるのでしょうか。

大手進学塾と小学校のカリキュラムは全く別物

通塾が遅れる場合、家庭での対策をしておいたほうがいい理由に、中学受験の学習内容と小学校の学習内容には大きな違いがあることがあります。それだけではなく各塾それぞれの「カリキュラム」があり、塾はそれぞれが持つカリキュラムに沿って授業を進めていきます。もちろんそのカリキュラムは個々人に合った進度ではなく、塾として統一されたものです。

例えば四谷大塚の予習シリーズでいえば、算数は入塾して比較的すぐの時期に、「和差算」や「植木算」といった特殊算を学習しますが、小学校算数ではこのような単元はありません。

つまり、通常より遅く入塾するということは、塾ですでに進んでしまった学習範囲は自分で取り戻さなければいけないということなのです。

ちなみに、通塾開始時期から遅れても入塾テストを受けることは可能です。ですが、なかには入塾テストの段階で、特殊算など学校では習わない問題を出題する塾もあるようです。小学校ではクラス一番の成績でも、入塾テストはほぼ0点だったなんて話も聞きますが、見たこともない問題が出題されるのでほぼ0点でも全くおかしくありません。

また、入塾テストはクリアしたものの、入塾後に未習単元は個別授業を取るように勧められる場合もあるようです。

そのため入塾時期が遅れる場合は、学校で習っていない単元があったり、塾の進度により学習範囲の差が出てしまったりする可能性があることを理解し、中学受験をすると決めている場合は、家庭で対策をしておくと後々安心です。

通塾開始が遅れる場合の家庭での対策

実は筆者宅の次男も、4年生で通塾を開始しなかった1人です。理由は、新小4の時期にほかの習い事のボリュームが多く、両立できなかったからです。

新小4での通塾開始は見送りましたが、いずれ通塾することは考えていたので、家庭での対策は行っていました。

具体的には、入塾を希望する塾カリキュラムを参考にして自宅で学習するということ。今後入塾する可能性がある塾のパンフレットを参考にして、通塾しない期間のカリキュラムを家庭で学習するようにしました。

「家庭で中学受験の勉強ってできるの?」と思う方もいるかもしれませんが、最近は良質な中学受験向け参考書がたくさんありますし、実は中学受験の金字塔である四谷大塚の予習シリーズは、塾生でなくても購入することができます。

そもそも予習シリーズは、自学自習する子たち向けにつくられた参考書なので、家庭学習にもってこいです。

とはいえ、「家で中学受験勉強を教えるなんて無理」という方もいらっしゃるでしょう。その場合は、Z会やチャレンジの中学受験向け講座や、四谷大塚の進学くらぶ(授業配信型)といった中学受験用の通信講座も検討してみるといいと思います。

通塾開始が遅れる場合は家庭でのフォローを

入塾時期が遅れるなんてささいなこと、と思われるかもしれませんが、最近では5年生までに中学受験カリキュラムを終わらせ、6年生では復習に入る塾も多いです。そのため入塾時期が遅れるということは、ほかの子がほとんどのカリキュラムを終わらせてしまっているところへ、子供を通わせはじめなければいけないということにもなりかねません。

もちろんある程度フォローしてくれる塾もありますが、家庭でのフォローも少なからず必要です。

「新小4(実質小学3年生の冬)からの通塾は早すぎるのでは?」と感じる家庭も多いと思います。たしかに通塾時期を遅らせることで生じるメリットもあります。ですが、同時にデメリットもあるので、子供ができる限りストレスを感じないよう、家庭でフォローしていく必要があります。

5年生で塾に入ればいいとのんびり構えていたら、中学受験には間に合わなかったなんていう事態にならないよう、家庭でフォローしていきたいですね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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