中学受験ノウハウ 連載 しあわせな中学受験

中学受験 女子校のメリットってなに?|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2018年4月19日 中曽根陽子

お子さんの学校選びで、共学にするか別学にするか迷うという方は多いと思います。特に自分が共学出身という方は、別学のスクールライフを思い描きにくいため躊躇しがちかもしれません。でも、思春期の時期に同性だけで過ごすメリットもあります。今回は特に女子校ライフを紐解き、そのメリットについて解説します。

もはや、女子校はお嬢様学校ではない。むしろ、女性活躍の推進役

かつて女子校には、良妻賢母を育てる学校というイメージがあったかもしれません。しかし、女性活躍推進法が施行され、今後ますます女性が社会で活躍する時代になります。一方で、仕事と家庭、そして子育てとマルチタスクを回さなければならない現実もあるなか、女子校出身者は強いという評価もあります。そんな彼女たちの基盤を作った女子校とは?

男子がいないから、頼らない気質が育つ?

当たり前ですが、女子校には男子がいないので、どんな力仕事も自分たちでやるしかありません(笑) 学校生活で力仕事がそんなにある訳ではありませんが、例えば文化祭の準備で大きな造作を作ることになったとして、それをやるのは自分しかいない訳で……。

そんな腕力だけではなく、授業はもちろん、クラブ活動や行事、生徒会活動など学校生活のあらゆる場面で、いろいろな役割を任せられリーダーシップを発揮するうちに、自主性や積極性が育っていくのでしょう。

そんな自主性や積極性が身ついた彼女たちは、大学でも社会でも、プロジェクトのリーダーになったり、時には引き受け手がなくて困っている仕事を自ら引き受けたりと、存在感を示すケースが多いようです。

女子には女子の学び方がある

よく、女子は理数系が苦手と言われますが、ほんとうでしょうか?

実は習得の仕方に違いがあるようなのです。特性を生かした指導方法を取れば、一般に苦手とする傾向があると言われる数学も、伸ばすことができるようです。女子校ではどのような取り組みをおこなっているのでしょうか?

女子は積み上げ型で伸びる

実際、理系進学実績を伸ばしている女子校の先生に話を伺った時に、「女子は中学1・2年生が学力を伸ばす要」とおっしゃっていました。

女子校の先生は経験的に、女子は「鉄は熱いうちに打て」で最初が肝心だと言います。早めに学習習慣をきちんと身につけて基礎をおさえ、できるところからステップバイステップで積み重ねていくことで伸びるのです。またみんな一緒に頑張る傾向もあります。

一方男子は、ちょっと難しい問題にチャレンジさせたり、競争させることで伸びる傾向があるようで、おのずと働きかけも変わるのです。

このことひとつとっても、別学は男女それぞれの傾向を掴みながら、指導方針を決めることができるのがメリットだと言えるでしょう。

女子校ならではの教育も魅力

一方で、女子校に対する期待として「しつけや生活指導をしっかりとしてくれる」「伝統文化を学べる」「礼儀作法が身につく」ということをあげる方も多いでしょう。また、女性のライフステージを見据えたキャリア教育など、家庭ではなかなかできない取り組みがあるのも、女子校の魅力の一つといえるでしょう。

女子校ならではのきめ細かい対応

女子校のなかには生活指導が厳しい学校もありますが、逆にその方が安心という人もいます。一方、女子だけだといじめられるのではないかという心配をする人がいるのも事実です。

男女問わず、集団があればいじめは発生する可能性はありますが、確かに思春期の女子は、人間関係のトラブルが表面化せず、悪化する場合もあります。そこで、ある女子校では入学後3ヶ月は座席を週に1度変えることでグループを固定させず、一人ひとりとていねいに対応するように心がけているそうです。

このようなきめ細かい対応を期待できるのもメリットの一つと言えるでしょう。その一方で、異性の目を気にせず過ごせる環境なので、自分らしさを発揮しやすいとも言えます。

最後に、いくら女性活躍と言っても、女子は出産育児などでキャリアプランの変更をせまられる面が多いのも事実。その点、女性のライフプランを念頭においたキャリアプランを考えられるのも女子校ならでは。

女性がまだ満足に学べなかった時代に開校され、女性の自立を目指す先進的な教育を行ってきたのが女子校です。少子化の影響で、共学化される学校が多い中、女子教育にこだわっている学校もたくさんあります。

先入観を持たずにまずは学校見学などに足を運んでみてはいかがでしょうか。

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest」も主宰している。近著は『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)

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