中学受験ノウハウ 連載 しあわせな中学受験

中学受験 男子校のメリットってなに?|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2018年5月01日 中曽根陽子

男子校というとどんなイメージを持っていますか? オタクタイプの子が多そう? やんちゃな子が多そう? 上下関係が厳しい? 経験者でないと、男子校は謎の世界ですよね。でも、中学受験で志望校を考えた時に、御三家をはじめ魅力のある学校が多いのも事実。そこで、女子校のメリットに続き、今回は男子校ライフを紐解き、そのメリットについて解説します。

リーダーシップを身につけさせたいなら男子校!?

女子校のメリットとして「男子がいないので頼らない気質が育つ」と書きました。クラブ活動や生徒会など、学校生活のあらゆる場面でリーダーシップを発揮する機会があるので、自主性や積極性が育つとよく言われます。じつは男子校の場合も同様で、「男の子のリーダーシップを育てたいなら男子校」という説があるのです。

男女で成長スピードに違いがある

前述の「男の子のリーダーシップを育てたいなら男子校」という説には理由があります。なぜなら、思春期の男女には成長段階の違いがあるからです。小学生の男子は、同学年の女子と比べると身体の成長が遅く、精神年齢も得てして男子は女子の1〜2年遅れくらいと言われます。特に最近は女子の方が強くなっているので、共学校に男子が通う場合、思春期の男子は女子の前で影がうすくなりがちです。本来リーダーシップをとる潜在能力を持った男の子が、経験する場がないためリーダーシップを十分発揮できなくなってしまうということもあるのです。

オタクと体育会のキャプテンが共存できる

男子は、得てしてひとつのことに夢中になりがち。いわゆるオタクタイプの子が多いのも特徴のひとつです。しかし共学だと、異性の目が気になってそんな素の自分を素直に出しにくい面も。それが男子校であれば、女子の目がないので、のびのび自分らしさを発揮できるのです。

男子校では男の友情が育つ

実際男子校に通っていた人からは、「オタクでもやんちゃな子でも、どんなタイプにも居場所があった」とよく耳にします。男子はあまり群れないので、極端にタイプが違っている人が同じ空間にいても、あまり気にならないのかもしれません。素直にそれぞれのすごいところを認めあえるともいいます。また、特に男子の中高一貫校では、裸の付き合いをするうちに仲間意識が芽生え、卒業後も長く付き合いが続くようです。社会に出ると競争が多くなるので、しがらみのない時代に育まれた友人は貴重ですね。

男子校といってもいろいろなタイプが

男子校の大まかな特徴はありますが、めんどう見のよい学校から、あまり細かいところは言わない学校まで、学校によってタイプはさまざま。

男子御三家でもそれぞれの文化はかなり違います。例えば開成は、集団で何かを成し遂げるのに長けていて卒業生のネットワークも強い。プロジェクト学習も盛んです。反対に武蔵は、群れるのを良しとせず、体育祭の応援も「一人で立て」という言い方をします。学習もとてもアカデミックです。麻布は、もともと自由な校風で、体育祭もカラフル。

官僚に開成の出身者が多いのに対して、武蔵は医者や研究者が多く、麻布は文士や政治家、タレントも多いというように、一口に男子校と言っても、校風は学校によってかなり違います。共学か別学かはもちろんですが、お子さんのタイプも見極めて選択をしましょう。

一人っ子が多い中、男子校で鍛えるのも手

母親にとって、男の子は異性。扱い方がわからず戸惑う一方で、かわいくてついつい甘やかしてしまうという声も聞きます。

開成中高の柳沢校長先生は、男子校のメリットについて「主たる教育の担い手が母親だと、どうしても男の子に対して甘くなってしまいます。今の男の子は、家庭では母親に甘やかされ、学校では女子生徒のリーダーシップのもとに置かれて脇役に置かれてしまいがち。男子校の場合は潜在能力を持った男の子が実力を発揮することができる」とおっしゃいます。優しい男子が増えているいまの時代こそ、男子校の存在意義が増しているとも言えるのではないでしょうか。


これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。

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