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小5の息子が、ここに来て「中学受験をしたい」と言い出しました。今からでも間に合いますか?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

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2022年9月29日 桜井信一

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『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小5のお子さまをもつ親御さんからの相談です。

今回の相談

小5男子の母です。今まで中学受験に関心が無かった息子ですが、仲良しのお友達が私立一貫校を目指す姿に刺激されたのか、ここに来て「中学受験をしたい」と言いはじめました。

手前味噌ではありますが、学校の成績は良く、委員会なども積極的にやっている、いわゆる優等生なのですが、中学受験の勉強は学校の勉強とは違う、ということも承知しています。

中学受験は小3の2月から始めるのが一般的とのこと。今からでも間に合いますでしょうか。また、その際の心構えなども知りたいです。

相談者:花束を君に
お子さまの学年:小5


桜井さんの回答

花束を君にさま、こんにちは。

まず、「中学受験は都市伝説だらけ、掲示板から拡散される間違いだらけ」ということを知っておきましょう。

中学受験で優秀な成績の子は、小学校でも優秀な子が多いのが実状です。文武両道の子もいれば、学級委員や生徒会が似合う子、また、小学校ですでに動画編集ができたり、アニメに関する知識が豊富だったりと、勉強以外のことができる子が多いのです。

もちろん勉強だけの子もいますが、最難関中学を目指すような上位クラスの子は、器用・多才な子の割合の方が多いでしょう。

よく考えると当たり前なのですが、「勉強漬けにしないとだめ」なんて間違った情報を真に受けると、本当に塩漬けになってしまいます。

つまり、「優等生である」というのは、中学受験向きであるということ。まずはひと安心です。

次に、「お友達の影響を受けて中学受験に目覚めた」ということですが、中学受験をする子どもたちの大半がダラダラして終わります。自分だけダラダラするのではなく、互いに傷の舐め合いになるケースも多いのです。

もちろん最上位クラスは切磋琢磨していますが、そのイメージで中堅から下位クラスに入るとがっかりする結果になり、イライラから親子バトルに発展することもよくあります。集団塾の途中参加はクラスアップがとても難しいので、どの位置でスタートできるのかも重要です。

そして最後に、中学受験を始める時期ですが、おっしゃる通り、小3の2月から4年生のカリキュラムがスタートします。ただし、ここでスタートしないと乗り遅れるのではなく、小4はゆっくりでいいのです。

中学受験算数は「割合と比」を習ってから本格的になります。多くの問題に「割合と比」の知識が必要なので、4年生ではあまり深いことができないのです。

しかし、計算の基礎、計算の工夫はとても重要で、この出来具合が受験本番まで影響します。

いま小5の秋、スタートとしてはやや遅いですが、小4からダラダラ過ごしてきた子に追いつくのはそんなに難しくないでしょう。というのも、小学校でも結構難しいことを習っていますから、そこがしっかりできているのであれば、知識の上乗せは可能でしょう。

問題は、途中から合流するという点です。塾での授業が終わっている部分を、何らかの方法で学習しながら、新しいことを習うということになります。飲み込みが早い子はスッとこなすのですが、アップアップになってしまう子もいます。

ここで親の登場、ということを忘れないでください。ついていけないとき、子どもだけではどうにもなりません。親が作戦を立ててあげてください。「うちは本人に任せておいたら勝手に勉強してくれた」という話を聞きますが、そんな子はごく一部です。正確にいうと、それで志望校に進学できるのはレアケース。難関校の親は頑張って作戦を立てています。多感な時期ではありますが、親子で協力できる子育ての最後の機会だと思って、頑張ってほしいと思います。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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桜井信一
この記事の著者
桜井信一 専門家・プロ

オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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